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2018年02月01日

混沌の中へ

市役所守衛室に初出勤。F隊長が迎え日勤の研修が始まりました。
守衛室の奥にはロッカー、さらに隣には休憩室があり交通誘導とは次元が違いました。

旧態依然とした昭和の香りのする空間でした。研修の為守衛室のあるB1Fから1Fへ。
市役所玄関前の立哨は緊張感があるけど施設警備ならではか。

僕が来たときは前業者から警備を引き継いで一週間ほど経っていました。
業務もさることながら労務管理も混沌とした中に入っていったのでした。

僕が遅れてきた理由は新人のH隊員が昼は新任教育・夜は市役所警備とブラックな環境に
根をあげ欠員が出たのと、Y課長が僕を交通誘導から抜きたくないと難色を示していた為でした。

2018年02月02日

ちぐはぐな研修

日勤の研修を2日間すると、今度は夜勤の研修をすると指示されました。
日勤の時は還暦過ぎの老獪な話好きな隊員についていましたが・・・

金曜の研修が終わり、翌日は夜の研修だ。昼間寝ておくために前日夜遅くまで
起きていました。すると翌朝F隊長から電話が・・・

僕を研修し、土曜日勤務するはずの上記還暦過ぎの隊員が急に休んだ。
誰もいないから朝から出てくれ、と。

さすがに僕は文句を言いました。夜からの研修が朝から24時間の本番だと?
その隊員は休むといってそれっきり来なくなったのでした。

2018年02月03日

ぶっつけ本番

夜勤の研修から24時間当直本番に急に変わり、巡回要領だけ説明を聞き上番する。
休日は守衛室勤務で主に電話・出入管理対応、定時巡回が主な業務でした。

隣にはもう一人守衛さん、市役所職員が座り電話対応や戸籍書類の受付を行います。
土曜日は市民からの電話が多い。まだ土曜日が休みと認知されていない頃だったのか。

その日は、しつこい苦情電話が何回もかかってきて守衛さんはピリピリしていました。
僕が電話を取ると担当課にすぐ転送するよう指示しました。

土曜日の24時間当直は昼間が長い。特に苦情など面倒な事案があれば尚更です。
こうして夜勤の研修予定だった、ぶっつけ本番の一日は暮れてゆきました。



2018年02月04日

T隊員、獅子奮迅

夜勤の研修がぶっつけ本番の24時間当直になったにもかかわらず、その後の
調整はなく、手当もなし。F隊長は僕から文句を言われたと嘆くばかり。

しかし、もっと大変だったのはT隊員でした。彼は緊急雇用対策時代からの同僚で
当時警備隊で唯一の施設警備経験者であり、市役所職員も頼りにしていました。

彼も前出のH隊員同様、昼は新任教育・夜は警備業務とブラックな環境にめげず
乗り切り、それも前業者からの引継ぎという一番重要な任務を請け負いました。

市役所警備隊が曲がりまりにも立ち上がったのは、T隊員の獅子奮迅の活躍が
あってこそでありました。寄せ集め部隊の行く末や如何に・・・

2018年02月05日

人員削減

市役所警備隊のポストは日勤5ポスト、夜勤・休日2ポストでした。
日勤は早出2人(開庁業務あり)、遅出2人(閉庁業務あり)、と中出1人。

夜勤・休日は守衛室(本庁と水道局の2か所)に詰める2人で
夜勤は17〜翌9時、休日は9時〜翌9時でした。

前業者は9人で回していましたが、僕らに交代して7人にするとの話でした。
会議でこれはあんまりだと市役所側から抗議されたものの、押し切った形でした。

7人でしたら殺されると、前業者の隊員は捨て台詞を吐いていったらしい。
この文言が市役所警備の結末を暗示する伏線となっていたとは知る由もありませんでした。

2018年02月06日

安く取ったしわ寄せ

9人から7人に隊員を減らした背景には、入札で安く取った背景がありました。
K部長曰く随分無理して取った、と。給料自体も前業者より2割程安いらしい。

業者が交代しても前業者の隊員が指導者として2人まで残れる市役所の不文律があった
ようですが、あまりの待遇の悪さに誰も残らなかったとの事でした。

前業者も今回の入札も大丈夫だろう、と聞かされていたらしい。市役所職員氏によると
入札で鉄砲を撃った(採算度外視で安くした)のではないか、とこぼしていました。

こういう事をすれば必ず報復があるだろう、業者同士やったらやり返す。
と職員氏は話していました。確かに後の禍根になったようでした。

2018年02月07日

休むな、病気するな、用事つくるな

7人体制では平日は誰も休めません。週1日の休日もままならない。
F隊長曰く、休むな病気するな用事つくるなと会社からいわれたそうで。

これを聞いた守衛室勤務の市役所職員氏から苦笑が漏れる。我々警備隊は
守衛室で勤務を共にする職員氏からも監視・評価されています。

21世紀初頭なので、こういった20世紀の精神論がまだまかり通っていたのでしょう。
今なら市役所側から叩かれて却下されていたでしょう(他業者からの通報もあります)。

精神論で発進した市役所警備隊ですが、最後まで尾を引くことになります。
如何に最初が肝心か、ボタンの掛け違えが後々まで響くとは当時は気が付きませんでした。

2018年02月08日

伝説の失態

市役所に来て一週間ほど経って当初の状況を聞くことができました。
前業者にとって青天の霹靂で交代となり、引継ぎもままならないまま見切り発車。

引継ぎ期間は3日しかなく、一緒に泊まったのは1日だけ。
職員氏はこの交代劇は無茶苦茶だと揶揄していたが、前出のT隊員が頑張りました。

それでも最初の業務、開庁が30分も遅れクレームの嵐になったそうな。
これは市役所警備を管轄する管財課から後々まで言われる語り草となってしまった。

最初だから大目に見てほしいとF隊長はぼやいていましたが、あまりの
だらしなさに管財課も看過できなかったのでしょう。市民の目もありますし。

2018年02月09日

前業者との差

守衛室で一緒に勤務している、市役所管財課職員氏から前業者との差を
度々聞かされました。人員は2人削減して給料は2割減、我々は汲々としている。

我々が来る前は8年間市役所警備を担当していたそうで、ベテラン(年配?)が
多かった。市役所業務を知り尽くした警備隊だったようです。

中でも、管財課との連絡係として旧国営企業のOBを一人配置していたとの事。
市役所職員が一目置く存在であったそうです。

それに比べ我々は交通誘導からの寄せ集めで、施設警備を知る者がほとんどいない。
特に責任者である隊長の評価は低く、管財課としても懸案事項でした。

2018年02月10日

投げ込まれた男たち

こんな体たらくで、市役所警備業務はスタートしました。施設警備を
知らない男たちのドタバタ劇が始まったのでした。(一人経験者がいましたが)

痛いのは指導教育責任者クラスの、警備業法を知り管財課と渡り合える
隊長がいなかったことです。業務内容は守衛の職員氏に尋ね依存する事に。

それ故、警備隊としてのアイデンティティがなく守衛さんの付属物になり下がって
しまう惨めさでした。それでも軌道に乗せなければ、形にしなければ・・・

というのも、この調子では一年で契約を打ち切ると管財課から釘を刺されていたからです。
ミスを連発しK部長は毎日のように市役所に呼ばれお叱りを受けていました。
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かつて10年ほど警備業界で従事してきましたが 限界を感じ、同業界を去りました。 今は港湾施設保安職員として、港湾管理業務に従事しています。
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