僕が警備員を辞めた理由

全国５０万人の警備員の皆さん、こんばんは。
私は元警備員です。約１０年間警備業に従事していました。

警備員って、どのようなイメージを持たれていると思いますか？
繋ぎの仕事。警察の下請け。リストラの受け皿・・・

ネガティブが言葉が並びましたが、悪い面ばかりでもないでしょう。
私も１０年間お世話になりましたから。

今はその警備業界から脱出して、今は警備員を監督する立場の仕事をしています。
そのプロセスを徒然なるままに書いていきますので、よろしくどうぞ。

警備員を始める前は、東京の某電機メーカーの子会社で設計をやってました。
９０年代の後半地元にUターンしたものの、中核市と言えど仕事が・・・

自分の経験を活かすどころか、３０過ぎての求人は営業か運転手ばかり。
しばらく仕事に就けず鬱々としておりました。

そんなある日、地元自治体の緊急雇用対策事業で求人がありました。
委託されていたのが警備会社A社。藁をも掴む思いで応募。

仕事内容は二輪車の違法駐車に対する啓発・指導でした。
毎日１０人位のチームを３班程に分け、巡回を行います。

短期の仕事でしたが、私は責任者を任せられ社会復帰の第一歩？を
踏み出したのでした。

緊急雇用対策事業も終わりに近づき、A社の社員（警備業界では隊員と言います）
さんから「ウチで働かないか」と打診がありました。

A社は当時施設警備は少なく空きもないので、交通誘導警備ならあるよとの話。
施設警備ではなく交通誘導警備か・・・バイト感覚で始めたらと誘われ、就職することに。

まだ残暑厳しい折、３日間の新任教育を終え現場初出勤。
警備服・蛍光ベストに袖を通し、ヘルメットをかぶる。当然両手には赤旗と白旗。

先輩から簡単に要領を教わる。難しいことではなさそうだ。
上司には施設警備希望と伝えたものの、これからいつまで道路に立つのか・・・

交通誘導警備で始めて入った現場は片側交互通行の現場でした。
無線も初めて使いました。

「最後に通過した車両のナンバー下２桁がカットナンバーだから」
と教わり、その車両が通過したら流すということ。

単純作業であるが、ミスしたら大変なことになる・・・
と思っていた時、還暦過ぎの先輩が一言アドバイス。

「まずは自分の身を守ることを考えろ」
交通誘導警備員の労災事故件数がそれを物語っていました。

A社に入社する時、面接した常務
（警察OB）が「本当に仕事がないのかね」
と聞かれた記憶があります。



警備の仕事といえば、定年を迎えた後
年金をもらいながら、または年金が出るまで
食いつなぐというのが相場だったようで。



確かに現場では自分より年上、それも
還暦過ぎの隊員が多数でした。
３０代は鼻たれ小僧？いやはや。



最年長の隊員は７５歳でした。数回現場で
組んだことがありますがその年で現場に
出るとは、頭が下がる思いでした。

最初に現場で組んだ還暦過ぎの先輩は元大工で、大工の熟練技術よりも
高性能の建設機械を持っている方が需要があるとこぼしていました。

そしてA社を選んだのは、従事するのは交通誘導警備であっても
施設警備も持っている会社が安定しているから。

「A社に長く居るなら」と当時A社の看板施設であった某放送局
の名前を挙げました。当時は施設警備へ行けるあてはありませんでしたが。

仕事が不安定な交通誘導警備の隊員は離職率が高く、天候に左右されず
収入が安定している施設警備は辞める隊員はほとんどいないのが現実でした。

交通誘導警備を初めて一か月が経ちました。いろんな隊員がいましたが、
業界にしては若手（４０位？）の先輩の話です。

元自衛隊員であった彼は、仕事は捌け現場での動きも良い。
特筆すべきは理詰めで指導するということでした。

警備は頭だと繰り返し、何系統のバスは直進して規制区間に来る。
何系統のバスは右折してなどと判断の基準を明確にしていました。

そしてどんな忙しい現場でもフッと息をつける瞬間がある。
メリハリをつけ業務をこなす事が良い仕事をするコツだと。

そんな先輩でしたが、突然退職し居なくなってしまいました。
聞けば、他の現場では勤務態度が良くなかったとの話でした。

このブログをかくにあたって、根底に流れるテーマについて書いておきます。
警備員の勤務は過酷です。今は交通誘導警備について書いていますが、長く続く人は少ない。

勤務も不規則で収入も安定しなければ、務め人としてのステータスもおぼつきませんね。
屋外の道路に長時間立ち詰めでケガをして辞めたり、受傷事故の危険もあります。

長時間労働や人間関係のストレスから、飲み過ぎたりすることもあるでしょう。
警備員の休憩中の会話は大体「飲む・打つ・買う」でしょうから・・・

対策として、僕は警備員時代からサプリを活用してきました。
今も、いろいろ試していますのでたまにはレビューします。

ある日片側交互通行の現場の近くで、もう
一組別の警備会社が片側交互通行を行っており、
年配の男性と二十歳位の女性が組んでいました。



僕らは直線現場でお互いが見え無線は不要
でしたが、念のため無線をつけていると
上記現場の無線が聞こえてきました。



最後に通過する車のナンバー下二桁が
６９だったのでしょう。
男性「シックス〇インでカット」



20年以上前の逸話を知り合いの警備員に
したらそれはセクハラじゃんという話に
なりました。今ならアウト〜

無線の話題が出たので、ついでにもう１件。
駐車場警備での出来事でした。



A社が新規にパチンコ店の
駐車場警備を始めました。



店は郊外にあり、店の前は国道だが
交通量は少ない。



オープン後しばらくして現れた
パチンコ店の前の国道を走る１台の街宣車。
バスを黒く塗り軍歌をよく流すあの車。



警備員がそれを見て余計な事を無線で
言ったらしく、街宣車は引き返し
警備員は土下座をさせられたそうな。



安い量販店レベルの無線は筒抜けだと
いうことを知らなかった故のトラブルでした。



弁当なども隠語（マルショク等）を
使っている警備隊もいるのに・・・