アフィリエイト広告を利用しています

2018年05月03日

暗渠と城跡17 蛇崩川と弦巻砦

つわものどもが夢の跡
今回の訪問は世田谷区の弦巻3丁目。ここにかつて世田谷城の支城があったと聞き、現地へ行ってきました。久しぶりに城跡巡り暗渠巡り のダブルプレーです。

■弦巻神社■つるまきじんじゃ
<砦跡推定地>
sn226Ankyo17 (10).JPG
[世田谷区弦巻]3-18-22
砦推定地。現在は神社です。


■現地訪問■地形を楽しむ
遺構は無いと聞いています。こういう時は地形を意識して行動。とりあえず最寄駅に到着。

<桜新町駅>
sn226Ankyo17 (2).JPG
東急の桜新町駅で下車。よく通過しますが、下りるのは初めてです。

<お出迎え>
sn226Ankyo17 (1).JPG
あ、こんにちは

ここから北へ向かってちょっと歩くだけ。そんなに遠くありません。

<駅から北へ>
sn226Ankyo17 (3).JPG
劇的な高低差などはないものの、駅から遠ざかるにつれて緩やかな坂、ちょっとした高低差を実感しました。下っていく感じ、伝わりますでしょうか?

そろそろ到着かと思っていたら

<ゴルフ練習場>
sn226Ankyo17 (4).JPG
ゴルフ練習場に到着。だいたいこのヘンで良いはずですが、見当たりません。ゆるやかな坂道を下りながら、これ以上進むのはどうかと迷い始めた時、練習場の向こう側の敷地に木々の緑を発見。

ぎっしりと宅地化されたエリアで緑が残っている。これは期待できます。ちょっとだけ行き過ぎたようなので、このまま一旦谷まで下りて、回り込むことにしました。

<谷>
sn226AnkyoADDD.JPG
あれ、これはいわゆる・・・

暗渠ですね。「あんきょ」と読みます。地下に埋設された川とか水路という意味に受け取って下さい。地形からして、ここに水が集まり、更に低い場所へ向かって流れていくわけですね。

<車止め>
sn226Ankyo17 (5).JPG
暗渠となっている道に「車止め」はつきもの。歩く人の安全を確保する目的もありますが、川に蓋をした状態、つまりこの下に空洞を確保した構造なので、重量の大きな車両は困るということです。

それにしても、あまり他では見かけないユニークに車止めです。私がドライバーなら、擦りたくないので近寄りません。効果抜群。

<暗渠はつづくよ>
sn226Ankyo17 (15).JPG
地形に従った緩やかなカーブ。いいですね。ただこのまま暗渠を追いかけると目的地を通過してしまうのでここまで。いい感じの暗渠でした。

<目的地>
sn226Ankyo17 (8).JPG
上の画像の位置から右手を見るとこんな感じ。目的地はこの奥です。鳥居が見えています。暗渠付近、つまり谷側から撮影したので、砦推定値が高くなっていることが実感できます。

<到着>
sn226Ankyo17 (9).JPG
コンパクトな空間に厳格さが漂います。

<説明板>
sn226Ankyo17 (11).JPG
弦巻神社の説明。八幡社、天神社、稲荷社の三社が合祀しされて弦巻神社となったようです。砦についての記載ありません。

<境内>
sn226Ankyo17 (12).JPG
広くはありませんが、凛とした空間です。ちょっとだけお邪魔します。

<高低差>
sn226Ankyo17 (13).JPG
ここから降りてみますかね

<道から撮影>
sn226Ankyo17 (14).JPG
これは土塁とかではなく、手前が削られて生まれた高低差ですね。この手前の道、かつて川だったのでしょうか。まぁとにかく、神社は微高地に鎮座しています。


■弦巻砦■世田谷城の支城?
弦巻神社の敷地だけではなく、この一帯が砦だったと考えられています。世田谷城の支城ということですから、吉良氏配下の砦ということになりますね。遺構はなく、築城者も不明。ただ、地形には納得します。位置的に、世田谷城の南側を守る出城のような役割を担ったのでしょうね。


■蛇崩川■じゃくずれがわ
もっともっと地形に納得する手があります。それはすぐ近くの暗渠を意識すること。

<暗渠>
sn226Ankyo17 (16).JPG
さきほどの暗渠。砦にとっては北側の谷になります。これはもともとあった自然の川で、名を「蛇崩川」といいます。現在は流域のほぼ全てが暗渠化され、その姿を見ることはできません。ここ世田谷区を流れ、目黒区を通って目黒川へ合流。合流する直前の僅かな区間だけ、地表に姿を現します。

今回訪問の吉良氏砦跡はあくまで推定地ですが、もし事実なら、北側の蛇崩川が天然堀の役割を果たしていたということになります。城好きであれば、川が見えていれば納得できる構図。暗渠に気付くことで、想像で補うことができますね。

<暗渠と砦跡>ちょっと画像を加工
sn226Ankyo17 (7).JPG
手前がで、奥の微高地が。まぁこんな感じですかね。

また、蛇崩川は南側にも別な流れがあり、砦の東側で一本の川となります。つまり、砦は西以外は川だったわけですね。

更にもっと良く調べると、北側の蛇崩川は人の手によるもの?という情報も見つかりました。ただ現地を見る限り、明らかに周辺より低地です。人が手を加えなくても、なんらかの水の流れはあったと推定して良いのではないでしょうか。

三方が川。今と違って、無秩序に流れる水により、このあたりの低地は湿地だったのでしょう。その微高地に砦が築かれる。納得できる構図です。そういえば、吉良氏の本拠である世田谷城も、三方を烏山川に守られた舌状台地の上に築かれました。その烏山川も今では暗渠。台地の麓の緑道を川とみなすことで、当時の面影を感じることができます。

最後に

道を暗渠と呼んで川扱いする。ちょっと実感を持てない方のために蛇崩川暗渠の行き先をご紹介して終わりにします。

<目黒川との合流地点>
sn226Ankyo ad.jpg
ここは中目黒駅近く。暗渠の出口です。蛇崩川が地表に現れるのはここだけです。

でもほら、水はちゃんと流れていますよ。暗渠も川なんです。



お城巡りランキング
タグ:暗渠と城跡
posted by Isuke at 12:29| Comment(0) | TrackBack(0) | 暗渠と城跡
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/7614934
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
検索
記事ランキング
[アクセスランキング]
  1. 1. 上杉謙信の軍旗 毘沙門天と懸かり乱れ龍
  2. 2. 近世小田原城のなごり
  3. 3. 関東の連れ小便・政宗白装束の舞台 (石垣山城)
  4. 4. 刑場近くの橋のなごり 泪橋と思川
  5. 5. 金沢城のなごり
  6. 6. 火の玉不動 大宮宿の水路と刑場のなごり
  7. 7. 足柄城のなごり
  8. 8. 近藤勇ゆかりの地(米沢市)高国寺
  9. 9. 大石内蔵助 終焉の地 細川家下屋敷跡
  10. 10. 大多喜城のなごり
  11. 11. 高岡城のなごり
写真ギャラリー
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
Isukeさんの画像
Isuke
もともとは無趣味の仕事人間。土日は家でゴロゴロ。本ブログは、そんな男が急に城跡巡りに目覚め、てくてくと歩き始めた記録です。
プロフィール
X (Twitter) Twitter-Isuke.JPG Isuke@shirononagori
最新記事

お城巡りランキングに参加中 [参加させて頂いた雑誌]

アクティブライフ・シリーズ009 クルマで行く 山城さんぽ 100【電子書籍】[ 交通タイムス社 ]

[当サイトお勧め本]

小説 上杉鷹山 全一冊 (集英社文庫(日本)) [ 童門 冬二 ]


感想(39件)