埼玉県朝霞市に太田道灌築城と伝わる城跡を訪ねました。
<岡城跡>
本丸と二の丸を繋ぐ橋
■ 別名:朝霞城 ■
岡城というと大分県竹田市の岡城が有名ですね。私が訪問したのは埼玉県朝霞市にある岡城。川沿いの台地に位置する山城です。標高14m、比高だと10mくらいでしょうか。現在は公園として整備されていますが、遺構は比較的良好な城跡です。
<空堀より>
曲輪は良く分かるもので3つあります。それらを区切る空堀も良い状態で残っています。その空堀に降りて撮影しました。まぁ今はこの程度ですが、現役の頃はもっとシャープで深さもあったのでしょう。こうして残してもらえれば、そんな想像もできます。ありがたい城跡です。
<公園>
城山公園として市民憩いの場となっています。除草や階段の手入れなど、よく整備されています。これもありがたいですね。
<中世の城>
整備され過ぎてないエリアもあり、城跡マニアも納得してくれるのではないでしょうか。ちょっと画像が悪くて申し訳ありません。
<曲輪>くるわ
ただの平らな区画ではありません。曲輪を囲むように土塁が残されています。いかにも城跡らしい。
川に近い方が本丸、遠ざかる順で二の丸・三の丸という縄張りです。いわゆる連郭式ですね。一番広い曲輪は二の丸です。更に四の丸があったという話も耳にしましたが、もしそうなら山の西側の公園入口付近ですかね。現在はその面影はありませんが、三の丸より一段低くなったところが曲輪だったのかも知れません。いずれにせよ、そんなに複雑な構造ではありません。
■ 道灌築城か ■
太田道灌といえば、江戸城を築いたことで知られる室町時代の武将ですね。ここ岡城も、道灌によって15世紀に築かれたとする説があります。そう言われると、この山に残された遺構のひとつひとつが妙に愛おしいく、感慨深いものがありますね。具体的な史料は無いそうです。ただ、そう推定されているのなら、否定する証拠が明らかになるまで、私はそう思うことにします。好きな戦国武将のひとりですので。
■ 太田康資 ■ やすすけ
太田康資の館跡という説もあります。道灌の子孫です。康の字は母方の伯父にあたる北条氏康から授かったということなので、この時点での北条氏との関わりが伺えます。ここから比較的近い所沢市東部に、「滝の城」と呼ばれる城跡がありますが、こちらは小田原北条氏の支配下だったことがはっきりしています。なんとなく関連性がうかがえますね。
いずれにせよ、本格的な史料の乏しさから陣城、つまり臨時の城といった役割だったのではないかと考えられています。それなら、縄張りのシンブルさも納得できます。
■川沿いの山城■
<黒目川>くろめがわ
目黒川ではなく黒目川。東京・埼玉を流れる一級河川です。東京都の小平市から続く流れ。
岡城はこの川沿いの山城。半島状に突き出た丘陵に築かれた城です。いわゆる「舌状台地」の先端を利用した城ですね。この画像だと左手奥の緑の山が岡城跡です。
説明によると『今から約8000年〜4500年位前の縄文時代の集落であるとともに、中世期の頃に築城された平山城址・・・』とのことです。平山城(ひらやまじろ)とは、平野の中にある山に築かれた城。平らなところにある独立峰を想像してもらえば分りやすいと思います。
川沿いの平地には、水の被害も恩恵も両方あったことでしょう。ポツンとある小山には、そこで人が暮らすのに都合がいい利点があったと思われます。
生活のための地の利が人を集め、やがて時を経て砦にもなった・・・
などと考えながら、川沿いをゆっくり歩きながら駅へと向かいました。最寄り駅はJRの北朝霞駅または東武の朝霞台駅で、徒歩20分ちょっとは必要です。まぁ川沿い散歩も好きなので、私はあまり苦にはなりませんでした。
黒目川沿いの岡城。中世の山城の雰囲気を留めたいい城跡でした。
■訪問:岡城(朝霞城)
[埼玉県朝霞市岡]
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