茨城県筑西市の三つの館。ここが上館にあたる久下田城の本丸となります。
「城のなごり」という優しい響きが不似合いな、かなり迫力のある場所です。物理的なもの以外のなにかが放出されているような?そんな気配が漂います。ちなみに、私は霊感とは無縁の人です。
やはりこの光景ですかね…
城跡を巡って縄張りや遺構を確認する時、一番思い浮かべるのは人の思い。簡単に言えば「どんなつもりだったのか」ということになります。
そんな目でこれを見ると、何やら辛い思いがします。「兵ども・・・」とは無関係の後の時代のものでしょう。毅然とした狛犬の先に、今でも安易に立ち入ってはいけない領域がある。そんな気がしました。
ここは避けた方が良いな…
気を取り直して別の場所の探索を開始しました。
<土塁>
本丸の周囲を囲んでいた土塁跡ですね
<堀切り>
こちらは尾根を切り裂いて築いた堀切です。先述の通り、本丸の雰囲気があまり良くなかったので、堀切りの中に逃げ込みました。急こう配を下る時に、足を滑らせ転倒しましたが、いい眺めに満足した瞬間です。
つわものどもが夢の跡・・・
風雪で劣化してもまだ残るこの遺構。見応えがあります。他にも遺構は沢山。
城跡マニアの方なら共感してもらえると思いますが、夏だったら大変なことになっていたでしょう。かなり寒いですが、蚊の大軍に襲撃されるよりはマシ。ゆっくり探索できました。
記録によれば、久下田城そのものの築城は1545年。宇都宮氏の勢力拡大を阻止すべく、当時の下館城主である水谷(みずのや)正村が築城した城です。ここは現在の行政区でも栃木と茨城の県境。結城氏の重臣であり、猛将としても名高い正村は、最前線であるこの地で宇都宮氏の攻撃を食い止めました。この方はやがて結城氏から独立し、大名にまで上り詰めますが、そういった話は歴史マニアの皆さんがブログで詳しく解説されていますので、ここでは結城氏四天王の状態で時間を止めておきます。
下館・中館・上館を巡る探索
これにて終了です。
[場所:茨城県筑西市樋口]
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