<直江石堤>なおえせきてい
米沢市に残る石積みの堤防。これは直江兼続ゆかりの石堤です。幅は5〜6m弱といった感じでしょうか。造られた時代を考慮すると、かなり大掛かりな治水事業です。
■ 暴れ川に挑む ■
当時暴れ川だった最上川(松川)。城下の整備に奔走する兼続は、この水害を何とかすべく、山(赤崩山)の上から地形や川の流れを確認し、治水策を練ったそうです。その結果、下級武士を従えて自ら指揮をとり、総延長が10kmにもおよぶ石の堤防を築き上げました。石堤は現在も約1.2km残されています。
河原石を横にならべて積み上げる野面積(のずづみ)ですね。建設機械などない時代の公共工事。ひとつひとつの石の大きさに絶句します(基本的にはこの川の河原から現地調達したものとのこと)。結構な高さ。堤防本体の高さで約4mくらいでしょうか(一番最初の画像、左手の低地と比較して)。
露出している石堤の下に、もう一段あり。堤防は二重構造になっています。下段の幅は10m前後はあります。
■受け継がれる石堤■
当然のことですが、堤防は長い年月の間に劣化します。石堤の一部が破損すると、その度に藩士たちが修復したそうです。1812年には藩の号令によって、延べ9727人の藩士が参加して大規模修繕がなされました。これらの実績からも、堤の重要性が伺えます。江戸初期の石堤は、兼続が込めた思いとともにしっかりと後世に受け継がれた訳ですね。
<石碑>
米沢市指定史跡。地名から谷地河原堤防(やちがわらていぼう)というそうですが、通称の「直江石堤」の名で親しまれています。
<直江堤公園>なおえていこうえん
付近の河川敷は公園として整備されています。小さな子が、母親に見守られながら自転車の練習をしていました。遊び場の隅にやたら石が積んであったことは、記憶の奥にしっかりと残り続けるのでしょうね。羨ましいです。
■訪問:直江石堤
[米沢市南原石垣町] 他
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2017年11月01日
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