2020年12月16日
雪道で自転車に乗るには(積雪地帯)
2019年にMTB寄りのクロスバイク、ジャイアント・GLIDE R3を雪道仕様にして走行。今年はジャイアントのエントリーグレードMTBのタロン3(2020年モデル)を同じく雪道仕様にして走行してわかった雪道に適した自転車の種類や必須な装備品をまとめようと思う。
アスファルトの上では細ければ細いほど路面抵抗が減って&タイヤ自体も軽量になるので軽い力で進むが雪道は真逆。タイヤの幅が太ければ太いほど雪道でグリップ力を稼げて安定するので、太いタイヤを履ける自転車が有利になる。太いタイヤを履ける自転車といえば...
・ファットバイク
・MTB
・グラベルクロスバイク
・グラベルロード
・クロスバイク
などがあげられる。いずれも雪の状態や積雪量により限界値が異なる。一般的に太いタイヤを履ける自転車ほどグリップ力が稼げるので安定しやすい。
また、雪道はオフロードと同等でコケる心配があるのでシートポストは低めにでき(雪道で乗る時はシートポストが高いとバランスを崩した時にすぐ足を地面に着けない)、サドルの位置を低めにできるMTB系のフレームが有利。またロングホイールベースは直進安定性高いという点でもロードバイク系よりもMTB系が有利に思う。
本来悪路を走行することを前提にフレーム(短めのシートチューブ&ヘッドチューブ、浅めのBBハイト、寝ているヘッドアングルやシートアングル、長めのチェーンステーなど)が設計されているので不安定な雪道でもロードバイクやロードよりのクロスバイクよりはバランスが取りやすい。
よってオススメはファットバイクかMTB。最近流行りのグラベルクロスバイクやグラベルロードも太めのタイヤを履けて実際シュワルベのウィンターマラソンあたりを履けると思うが、不安定な雪道だとちょっと苦手だと思う(完全に除雪された綺麗な雪道のみを走るのであればいいと思うが)。
上述の通りタイヤは太い方が有利。ただ、雪が降って圧雪になるのか凍るのかあるいは溶けてベチャベチャなのかによってその種類は変わってくる。
・ノブの高いブロックタイヤ(夏タイヤ)
・スパイクタイヤ
・スタッドレスタイヤ
積もるだけで凍る心配のない地域では自転車の冬用タイヤでなく、一般的なブロックタイヤでもノブが大きめのであればなんとか走れる。一方で降った雪が凍ったり溶けたりという地域ではスパイクタイヤの方が安心だ。
ただ、スパイクタイヤは万能ではなく、シャーベットや新雪が苦手なのでそういった路面では普通のブロックタイヤか種類は少ないがシャーベットが得意な自転車用スタッドレスタイヤあたりも候補になる。
ファットバイクだと夏タイヤでもそこそこ走れたりする(アイスバーン上ではヌルっと滑るが)。
これは雪道を走る上で必需品だと思う。というのは少し前まで主流だったリムブレーキはその名前の通りリムにブレーキシューをあててその抵抗で止まるブレーキだけどこれが雪道だとタイヤのすぐそばにリムがあるため除雪された道ならまだしも少し雪が積もってるとか除雪されてない道を通るとリムに雪が付く。
すると雨の日にリムブレーキが効かないのと同じ理由で雪が邪魔してブレーキの効きが極端に悪くなる。よって雪が付く心配の少ないディスクブレーキが絶対条件だと個人的に思う。
ディスクブレーキにはワイヤーを使う機械式ディスクブレーキとオイルの流動力を使う油圧式ディスクブレーキがあるがワイヤーだと雪が積もって凍りつく心配もあり、また油圧式だと冬場の寒さ対策で厚手の手袋をしていたとしても軽いタッチで強力なブレーキをかけれるためどちらかというと油圧式のほうが安心だ。
これはディスクブレーキの理由に似ている部分があるが、ワイヤーが露出する外装式だと雪が積もって凍りついた場合、凍結してブレーキが効かなくなったりシフトチェンジできなくなる場合がある。
内装式が絶対とはいわないがそのリスクが減るので内装式のものを選ぼう。
最近のMTBで流行りのロングハンドル&ショートステム。オフロードでのコントロール性を向上させるものだが不安定な雪道でも有用だ。
実際、昨年はクロスバイクで一般的な580mmのハンドル+バーエンドに90mmのステムを雪道で乗っていたがこれと比較すると除雪されてない悪路においてはロングハンドル&ショートステムの方が上から押さえつけるテコの原理が働いて楽にコントロールできた。
雪道はアスファルトよりもタイヤのトラクションがかかりずらく、大きなギアでグイグイ漕いで進むような乗り方が難しい。実際これをやると後輪がスリップして前に進みづらく安定しない。
よって雪道ではギアを小さくペダルをクルクル回して進んだ方が安定して乗りやすい。そのためフロントが複数段の場合はロードバイクでいうコンパクトクランクで採用されやすいインナーの34Tでは大きく、MTB用のインナーである22Tあたりが丁度いい。
フロントシングルの場合はリアに大きめのスプロケットが付いていると思うので問題ないが、フロントが多段の場合にロードバイク用のやつで一番小さいのが34Tぐらいだと雪道のペダリングが難しくなるので注意。
フロントとリアのギア比が1:1あたりかそれ以下で使える超山登り仕様みたない組み合わせが望ましい。22Tはスピードが全然出なくて平坦では使えないと思いがちだが、そもそも不安定な雪道ではスピードを出そうと思ってもでないので実は雪道では有用だったりする。
ペダルは無理にSPDを使わずフラットペダルがオススメ。というのもSPDの部分に雪が詰まるとクリートがものすごく入りずらくなる。また、コケそうな時にとっさに足を付いてバランスを取るためにも固定式は避けたほうが無難。
と、こんな感じで書いてみたが簡単に言うと近年のディスクブレーキ採用モデルでオフロード用のMTBにスパイクタイヤを履かせればOKなのであまり難しくはないはず。
ファットバイクの方が不安定な雪道で走破性が高いのだけどお値段がかなりするので手軽なのはディスクブレーキ採用の入門用オフロードMTBにスパイクタイヤを履かせるパターンかな。
ただし雪に強い自転車&冬用タイヤの組み合わせでも所詮は自転車。2輪の限界は越えられないので過信はしないように。特にシャーベットなどザクザク道ではかなりハンドルをとられて不安定になり、走りづらくなる。
ちなみにタロン3の走破性はというと、昨年雪道を試してみた10年前のMTB寄りのクロスバイク(ジャイアント・GRIDE R3)では乗れるには乗れるんだけどMTBの太めのタイヤと比較すると圧雪路や安定した雪道では全然問題なかったが、グチャグチャな雪道では結構不安定で今年買ったMTBと比べると走破性は低かった。
ひとつ注意喚起として雪道で自転車に乗る行為はあまり一般的でないので夏よりもより周囲を警戒し、歩道を走る場合は歩行者最優先で走ってほしい。
車の人はまさか真冬に自転車に乗るとは思ってないので夏場よりも信号のない交差点でちゃんと一時停止しない車がかなり多い。
雪道で自転車側のスピードは出てないとはいえ信号のない交差点で出合い頭にこれに接触し事故る可能性がかなりある。さらに排雪されてない道路の雪山がそこにあればなおさら危険度は高くなる。くれぐれも安全には注意されたい。
雪道に適した自転車の種類
アスファルトの上では細ければ細いほど路面抵抗が減って&タイヤ自体も軽量になるので軽い力で進むが雪道は真逆。タイヤの幅が太ければ太いほど雪道でグリップ力を稼げて安定するので、太いタイヤを履ける自転車が有利になる。太いタイヤを履ける自転車といえば...
・ファットバイク
・MTB
・グラベルクロスバイク
・グラベルロード
・クロスバイク
などがあげられる。いずれも雪の状態や積雪量により限界値が異なる。一般的に太いタイヤを履ける自転車ほどグリップ力が稼げるので安定しやすい。
また、雪道はオフロードと同等でコケる心配があるのでシートポストは低めにでき(雪道で乗る時はシートポストが高いとバランスを崩した時にすぐ足を地面に着けない)、サドルの位置を低めにできるMTB系のフレームが有利。またロングホイールベースは直進安定性高いという点でもロードバイク系よりもMTB系が有利に思う。
本来悪路を走行することを前提にフレーム(短めのシートチューブ&ヘッドチューブ、浅めのBBハイト、寝ているヘッドアングルやシートアングル、長めのチェーンステーなど)が設計されているので不安定な雪道でもロードバイクやロードよりのクロスバイクよりはバランスが取りやすい。
よってオススメはファットバイクかMTB。最近流行りのグラベルクロスバイクやグラベルロードも太めのタイヤを履けて実際シュワルベのウィンターマラソンあたりを履けると思うが、不安定な雪道だとちょっと苦手だと思う(完全に除雪された綺麗な雪道のみを走るのであればいいと思うが)。
太いタイヤ
上述の通りタイヤは太い方が有利。ただ、雪が降って圧雪になるのか凍るのかあるいは溶けてベチャベチャなのかによってその種類は変わってくる。
・ノブの高いブロックタイヤ(夏タイヤ)
・スパイクタイヤ
・スタッドレスタイヤ
積もるだけで凍る心配のない地域では自転車の冬用タイヤでなく、一般的なブロックタイヤでもノブが大きめのであればなんとか走れる。一方で降った雪が凍ったり溶けたりという地域ではスパイクタイヤの方が安心だ。
ただ、スパイクタイヤは万能ではなく、シャーベットや新雪が苦手なのでそういった路面では普通のブロックタイヤか種類は少ないがシャーベットが得意な自転車用スタッドレスタイヤあたりも候補になる。
ファットバイクだと夏タイヤでもそこそこ走れたりする(アイスバーン上ではヌルっと滑るが)。
ディスクブレーキ
これは雪道を走る上で必需品だと思う。というのは少し前まで主流だったリムブレーキはその名前の通りリムにブレーキシューをあててその抵抗で止まるブレーキだけどこれが雪道だとタイヤのすぐそばにリムがあるため除雪された道ならまだしも少し雪が積もってるとか除雪されてない道を通るとリムに雪が付く。
すると雨の日にリムブレーキが効かないのと同じ理由で雪が邪魔してブレーキの効きが極端に悪くなる。よって雪が付く心配の少ないディスクブレーキが絶対条件だと個人的に思う。
ディスクブレーキにはワイヤーを使う機械式ディスクブレーキとオイルの流動力を使う油圧式ディスクブレーキがあるがワイヤーだと雪が積もって凍りつく心配もあり、また油圧式だと冬場の寒さ対策で厚手の手袋をしていたとしても軽いタッチで強力なブレーキをかけれるためどちらかというと油圧式のほうが安心だ。
内装式ケーブル
これはディスクブレーキの理由に似ている部分があるが、ワイヤーが露出する外装式だと雪が積もって凍りついた場合、凍結してブレーキが効かなくなったりシフトチェンジできなくなる場合がある。
内装式が絶対とはいわないがそのリスクが減るので内装式のものを選ぼう。
長いハンドル&短いステム
最近のMTBで流行りのロングハンドル&ショートステム。オフロードでのコントロール性を向上させるものだが不安定な雪道でも有用だ。
実際、昨年はクロスバイクで一般的な580mmのハンドル+バーエンドに90mmのステムを雪道で乗っていたがこれと比較すると除雪されてない悪路においてはロングハンドル&ショートステムの方が上から押さえつけるテコの原理が働いて楽にコントロールできた。
コンパクトなチェーンリング&フラットペダル
雪道はアスファルトよりもタイヤのトラクションがかかりずらく、大きなギアでグイグイ漕いで進むような乗り方が難しい。実際これをやると後輪がスリップして前に進みづらく安定しない。
よって雪道ではギアを小さくペダルをクルクル回して進んだ方が安定して乗りやすい。そのためフロントが複数段の場合はロードバイクでいうコンパクトクランクで採用されやすいインナーの34Tでは大きく、MTB用のインナーである22Tあたりが丁度いい。
フロントシングルの場合はリアに大きめのスプロケットが付いていると思うので問題ないが、フロントが多段の場合にロードバイク用のやつで一番小さいのが34Tぐらいだと雪道のペダリングが難しくなるので注意。
フロントとリアのギア比が1:1あたりかそれ以下で使える超山登り仕様みたない組み合わせが望ましい。22Tはスピードが全然出なくて平坦では使えないと思いがちだが、そもそも不安定な雪道ではスピードを出そうと思ってもでないので実は雪道では有用だったりする。
ペダルは無理にSPDを使わずフラットペダルがオススメ。というのもSPDの部分に雪が詰まるとクリートがものすごく入りずらくなる。また、コケそうな時にとっさに足を付いてバランスを取るためにも固定式は避けたほうが無難。
まとめ
と、こんな感じで書いてみたが簡単に言うと近年のディスクブレーキ採用モデルでオフロード用のMTBにスパイクタイヤを履かせればOKなのであまり難しくはないはず。
ファットバイクの方が不安定な雪道で走破性が高いのだけどお値段がかなりするので手軽なのはディスクブレーキ採用の入門用オフロードMTBにスパイクタイヤを履かせるパターンかな。
ただし雪に強い自転車&冬用タイヤの組み合わせでも所詮は自転車。2輪の限界は越えられないので過信はしないように。特にシャーベットなどザクザク道ではかなりハンドルをとられて不安定になり、走りづらくなる。
ちなみにタロン3の走破性はというと、昨年雪道を試してみた10年前のMTB寄りのクロスバイク(ジャイアント・GRIDE R3)では乗れるには乗れるんだけどMTBの太めのタイヤと比較すると圧雪路や安定した雪道では全然問題なかったが、グチャグチャな雪道では結構不安定で今年買ったMTBと比べると走破性は低かった。
ひとつ注意喚起として雪道で自転車に乗る行為はあまり一般的でないので夏よりもより周囲を警戒し、歩道を走る場合は歩行者最優先で走ってほしい。
車の人はまさか真冬に自転車に乗るとは思ってないので夏場よりも信号のない交差点でちゃんと一時停止しない車がかなり多い。
雪道で自転車側のスピードは出てないとはいえ信号のない交差点で出合い頭にこれに接触し事故る可能性がかなりある。さらに排雪されてない道路の雪山がそこにあればなおさら危険度は高くなる。くれぐれも安全には注意されたい。
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