ウッドデッキをDIYする際には、各ハードウッドの特徴を踏まえて選びたいところ。
※雨に濡れたセランガンバツーのウッドデッキ床面
ウッドデッキをDIYすることの魅力、メリットの一つにウッドデッキに使用するハードウッドの種類を自由に選べる点がある。
値段、品質、特徴を使い分けることで、最低限のコストで自分に合った使い勝手のいいウッドデッキが作れる。
これを専門業者に頼むのはなかなか難しいはず。
小ロットで色々な種類を仕入れるのは面倒だし、仕入れ値が高くついて、製作費も高くなるだろうし、施工上もイチイチ使い分けるなんてやってられないはずだから。
でも、DIYならば、見えないところ、見えるところ、子供が触るところ、触らないところ、目立つところ、目立たないところ、などの違いに応じて選ぶことができる。
まず、やはりウッドデッキのメインとなるのは床板。
自分の場合、今までに、ウッドデッキやフェンスのDIYでウリン、イペ、サイプレス、セランガンバツー、イタウバを使ったことがある。
耐久性はウリン、イペが30年以上など、別格であとは似たようなもので、15-20年などとされているけれど、仕上がりの美しさもやはりウリン、イペは別格な感じがする。
ネットで調べたりすると、始めてのウッドデッキDIYで全体をウリンで作るのは大変だという意見もあって、二の足を踏んでしまうことも多いと思う。
確かに、ハードウッドの中でもウリンとイペの硬さは別格なのは確か。
例えば、床下で湿気にさらされる事が多い束柱にはウリンを使えばベスト。
初めてウリンを切断したり、下穴を開けると、多少、時間はかかるかもしれないけれど、道具や手順を誤らなければ大丈夫だし、何より他のセランガンバツーなどのハードウッドが柔らかく感じられるようになるので、修行にも最適。
ただし、ウリンなどハードウッドを使う場合、ビスは安いホームセンターオリジナルではなく、必ず堅木用ステンレスビス(記事 )を使う。
しかし、一方で、ウリンでなくても実用性としては十分だと思う。
結婚式のオプション選択のように「折角だから」「この際だから」となると、全部ウリン、イペとなるのだけれど、使い始めてから10年近く経った現時点での印象として、30年以上もつとされているアイアンウッドのウリンや、イペは、家が朽ち果ててもなお残る位のものではないかと思うほどの耐久性がありそう。
そこまでやるとオーバースペックなのではないかという気もするし、もし他のハードウッドを使ってみて、万一だめになれば床板だけ交換すれば済む話。
耐久性が15〜20年とされるウリン以外のバツーなどのハードウッドも、果たしてその程度の年数で駄目になるのか、怪しい気もするし、仮に駄目になれば同じく張り替えればいいだけ。
それができる、できる技術を身につけられるのがDIYの魅力じゃないだろうか。
もちろん、どうせ作るなら、もう2度と手を入れないで済むような頑丈なものを作りたいという考えであれば、断然ウリン、イペがお勧め。
サイプレスはひび割れが気になるので、基本的にはセランガンバツー、少し余裕があれば素足もいけるイタウバでよいと思う。
自分か思うハードウッドの樹種事の特徴は以下のような感じ。
色々なサイトなどで説明されているとおり、硬くて重い。
加工における特徴は丸ノコを使用して、下穴をあけるという基本さえ守れば、他のハードウッドと同じとも言える。
しかし、ここで挙げているイペとウリン以外のハードウッドは下穴がなくても、堅木専用ビス(錐込隊長)を使えば、刺さらないことはないけれど、この2種類は経験上、まず無理という意味では明らかに別格の堅さ。
重いため、高所に大きな梁として使うような場合は結構しんどいかもしれないけれど、知恵を使えば何とかなる。
見た目の美しさの持続性と耐久性(腐るかどうかというよりも、反り、曲がり、ひび割れなどの変化の少なさという意味)は、イペと並んで抜群。
難点を上げるなら樹液。
ネット通販などでは、過小評価していると思う。
2〜3年程度は雨が降ると、とか、漂白剤を使うときれいになる、という説明がなされていることが多いけれど、樹液は自分の経験上、10年近く経過しても、雨が降ると、垂れるしずくが赤みを帯びているので、続いている。
これが色素の浸透しやすい外壁やコンクリートブロックなどに付着すると、漂白剤を使っても簡単には落ちなくなるし、漂白剤なんてどこでもかんでも使えるものでもない。
白い外壁の上部などにフェンスを作る場合などは、ウリンは避けたほうが無難というのが自分の意見。
重さはウリン同等くらいか、少し軽いか?硬さはウリン以上という印象。
とはいっても、丸ノコ、下穴の基本を守ればDIYでの十分加工可能。
ウリンより高価だけれど、ウリンの濃い色と違い白みがかった美しい色と、耐久性は素晴らしいものがある。
ウリンのデメリットである樹液がないので、白い外壁の上にフェンスを設置するような場合でも問題がない。
ただ、自分的には、ウリンがだめならイペというよりは、セランガンバツーで充分なのではないかと思う。
ウリンより柔らかく比較するとかなり加工し易いし、曲げ易いので、床板を貼る際の曲がりの矯正も楽。
匂いや香りはほとんどなく、樹液も気になるようなものはない。
価格も安めなので、最近は最もよく使っている、合理的なハードウッド。
セランガンバツーの耐久性はネット通販などでは15年などとある。
自分の経験上、最も時間が経ったものが9年ほどだけれど、今のところ多少のひび割れなどはあっても腐るような気配はないので、相当もつのではないかと期待している。
これも硬さはセランガンバツーと同じような印象だけど、セランガンバツーよりもっと加工し易いかもしれない。
イタウバはかなり油分の多い印象で、そのためか、独特の香りが結構強い。
もしかすると好き嫌いがあるので、サンプル入手してみてもいいかもしれない。
ただ、それは数年でほぼ消えるようだ。
樹液も気になるようなものはない。
そして、最大の特徴というか、売り文句となっているのが、素足でも歩けるということ。
油分の多さと繊維が柔らかいためだと思うが、確かに危ないササクレはできていないし、現に我が家でも素足で歩ける。
イタウバよりは少し高いかもしれない。
屋上デッキの床面にイタウバを使っているけれど、施工から9年ほど経っても劣化はほとんど見られない。
いわゆるシルバーグレーに変色したように見えたけれど、高圧洗浄機で掃除したら、かなり綺麗な色に戻った。
同時期施工のセランガンバツーよりも、綺麗な色に戻ったので、耐久性は相当なものではないかと思っている。
サイプレスの場合、切断する際の硬さは、ウリンよりかなり柔らかい印象だが、しなる柔らかさというのか、ねばりはほとんどないのが特徴的。
サイプレスにもグレードはあるかもしれないが、自分の使った印象としては、経年で発生する小さなひび割れは結構気になる。ササクレっぽくもなるので、子供が素足というのにも向かない感じがする。
樹液は気にならない。
サイプレスの最大の特徴はヒノキのようなとてもいい香りがすること。
ある程度時間が経つと、ほとんど分からなくなるけれど、雨上がりにはフンワリと香るので、これは結構魅力的。
値段はセランガンバツーと同じか、より安いか、という感じだと思う。
耐久性を考えれば束柱はウリンがベストだけれど、施工容易性、コストなどのバランスを考えれば、束柱も含めて基本的には全体を上の3種類あたりから選んで、見えない部分にはそれらのアウトレットなどを使う、ということでもよいかとは思う。
何はともあれ、あまり考えすぎて、材料を考えること1年なんてのもしょうがないので、案ずるより産むが易し、まずはサンプルでも取り寄せて、動いてみるのがオススメ。
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