10/16(火)放送の「ニュースモーニングサテライト」で6:19から6:27までマーケット・リスク・アドバイザリー津賀田真紀子さんが「穀物相場の先行き」について解説した。穀物価格は我が家の食費にも影響を与えるので興味深く観た。
トウモロコシと大豆の価格は7月の高値から下がった理由は2つ。
1)先週10日南米の生産予想が発表され大豆前年比+26.5%、トウモロコシ前年比+4.6%と増産だった。
2)9月下旬にファンドの利益確定売りがあった。
需要から導かれる適正価格は大豆14ドル(11日終値15.48ドル)トウモロコシ7ドル(終値7.73ドル)で、農家は高い価格の今を機会に作付けを増やしている。
大豆は下がっているがトウモロコシが上がっているのは需要減少が起きていないからで理由は2つ。
1)炭水化物摂取用家畜飼料として高値の小麦の代替需要がある。
2)今年の夏、ロシアと周辺国で大規模な干ばつがあり小麦の生産高が悪化している。予想では10-11年度の禁輸の時より12-13年度は悪化すると見られている。
ロシアの小麦輸出量は世界第3位(14%)を占めるので、もしもロシアが小麦の禁輸を実施して価格の高止まりが続くとエンゲル係数が高い中東諸国で暴動が起き原油の価格に影響を与えるだろう。
大豆は中国で豚肉生産用飼料としての消費が多い。その豚肉価格はCPI(消費者物価指数)との連動性が高いので、もしも豚肉上昇からインフレが再燃すれば中国金融政策に影響を与えるだろう。金利を下げられず中国景気減速懸念が高まればリスクオフで円高になる可能性がある。
全ては天候次第で、生産予想には天候要因というリスクがある、と締め括った。
米国では9月ISM製造業景気指数が改善し景気の底堅さが確認されたが、トウモロコシ価格高止まりで「エタノール燃料規制」が見直されればガソリン価格が上昇し、その結果個人消費が手控えられ景気回復が遅れるというシナリオも考えられる。なるほど穀物価格が原油価格から中国景気まで左右するとは見ていて納得の「風が吹けば桶屋が儲かる」現象だ。(笑)
パン、豆腐、納豆が値上がりするのは嬉しくない。大豆価格が上がればジオン驚異のメカニズムをもっても「ザクとうふ」「ズゴックとうふ」が量産機価格でなくなる恐れがある。(苦笑)
関東地方は昨日今日と昼間は快晴で10月中旬というのに大変暖かかった。夜になればやぶ蚊もまだ飛んでくるし本当に地球温暖化が進んでいるらしいと実感させられる。こんな気象状態で本当に予想通りに穀物が生産出来るのかいささか不安になってしまう。今年の冬が暖かければ冬物の服も売れないし、雪が積もらなければスキー場も休業だ。日本の景気もまさに天候次第だ。(冷汗)
【関連リンク】
『「ザクとうふ」「ズゴックとうふ」を生んだ相模屋の真実』
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20120928/237415/?rt=nocnt
2012年10月16日
2012年09月19日
9/18(火)WBS:投資家ジム・ロジャーズ氏は3回目の米国バブル崩壊を予言?2014年に景気後退が来る!
9/18(火)放送のWBSで著名投資家ジム・ロジャーズ氏の独占インタビューが放送された。[9/19(水)モーサテで再放送あり]
6/13(水)から3か月経過してどう予測が変わったのか記録を残しておこうと思う。
ロジャーズ氏は次の様に語った。
1)米国景気は2002年、2007年と4-5年毎に悪化している。2013年から2014年に掛けて景気後退期に入りそれは2007年より悪くなるだろう。
2)米国債務の増加と各国の債務問題の悪化がその一因で、FRBはさらに追加金融緩和を行うことになる。
3)投資先の穀物では価格が安い砂糖と米に注目している。米国や日本の農家高齢化により将来的に供給不足が起きると予想している。
4)中国投資はもっと下落した時に考える。
5)ロシア政府系ファンドが設立されたので、その資金が市場に流入すると考え株式とルーブルを研究している。
インタビュアーは「ジム・ロジャーズ氏の安い時に買うという方針に変わりは無かった。」と締めくくった。
前のインタビューから3か月経過して、FRBがQE3を実施し株や住宅価格を押し上げて消費を活発化させようとしているのに米国は景気後退サイクル入りとは厳しい予想だ。確かに欧州各国が財政緊縮を進めていては公共投資による景気浮揚は行えず景気は悪いまま、米国の輸出は減り景気悪化と実に分かり易い構図だ。
では2002年は何があったのか。ウィキペディアによると”アメリカ連邦準備制度理事会の利上げから株価下落、2001.9.11同時多発テロ発生で2002年の米国IT関連失業者数は56万人に達した。”と言う。こちらはITバブル崩壊による不景気だ。
2007年は”サブプライムローン問題に端を発した米国住宅バブル崩壊”と”2008.9.15のリーマン・ブラザーズ破綻”により世界的な金融危機に陥った。こちらは住宅バブル崩壊による不景気だ。
米国住宅バブル発生はITバブル崩壊からの経済立て直しを狙ったFRBの低金利政策継続が一因との意見も根強い。そして今度は住宅バブル崩壊からの景気浮揚を狙っての継続的な金融緩和政策が続いている。これにより何かがバブル化して破裂するのだろうか?最近「米国債バブル」という言葉も聞かれるようになってきた。
もしも「米国債バブル」が崩壊したら世界2位の保有国である日本の財政悪化に拍車が掛かり、格付会社は日本国債の格付けを下げるだろう。それは金利上昇を引き起こすと同時に為替は円安に振れると予想される。輸入物価上昇と金利上昇による悪いデフレ脱却シナリオの始まりだ。
もっとも「米国債バブル崩壊」には金融引き締め政策開始が必要だから2014年まで心配する必要はないと言える。では何がバブルなのか、原油?穀物?金?株? それとも・・・。
【関連リンク】
『インターネット・バブル』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%96%E3%83%AB
『リーマン・ショック』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF
『「ツケへの逃避」で膨らむ米国債バブル』
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0601J_W2A600C1000000/
『日本国債バブル「18カ月以内に崩壊する」』
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFZ26024_W2A120C1K11000/
6/13(水)から3か月経過してどう予測が変わったのか記録を残しておこうと思う。
ロジャーズ氏は次の様に語った。
1)米国景気は2002年、2007年と4-5年毎に悪化している。2013年から2014年に掛けて景気後退期に入りそれは2007年より悪くなるだろう。
2)米国債務の増加と各国の債務問題の悪化がその一因で、FRBはさらに追加金融緩和を行うことになる。
3)投資先の穀物では価格が安い砂糖と米に注目している。米国や日本の農家高齢化により将来的に供給不足が起きると予想している。
4)中国投資はもっと下落した時に考える。
5)ロシア政府系ファンドが設立されたので、その資金が市場に流入すると考え株式とルーブルを研究している。
インタビュアーは「ジム・ロジャーズ氏の安い時に買うという方針に変わりは無かった。」と締めくくった。
前のインタビューから3か月経過して、FRBがQE3を実施し株や住宅価格を押し上げて消費を活発化させようとしているのに米国は景気後退サイクル入りとは厳しい予想だ。確かに欧州各国が財政緊縮を進めていては公共投資による景気浮揚は行えず景気は悪いまま、米国の輸出は減り景気悪化と実に分かり易い構図だ。
では2002年は何があったのか。ウィキペディアによると”アメリカ連邦準備制度理事会の利上げから株価下落、2001.9.11同時多発テロ発生で2002年の米国IT関連失業者数は56万人に達した。”と言う。こちらはITバブル崩壊による不景気だ。
2007年は”サブプライムローン問題に端を発した米国住宅バブル崩壊”と”2008.9.15のリーマン・ブラザーズ破綻”により世界的な金融危機に陥った。こちらは住宅バブル崩壊による不景気だ。
米国住宅バブル発生はITバブル崩壊からの経済立て直しを狙ったFRBの低金利政策継続が一因との意見も根強い。そして今度は住宅バブル崩壊からの景気浮揚を狙っての継続的な金融緩和政策が続いている。これにより何かがバブル化して破裂するのだろうか?最近「米国債バブル」という言葉も聞かれるようになってきた。
もしも「米国債バブル」が崩壊したら世界2位の保有国である日本の財政悪化に拍車が掛かり、格付会社は日本国債の格付けを下げるだろう。それは金利上昇を引き起こすと同時に為替は円安に振れると予想される。輸入物価上昇と金利上昇による悪いデフレ脱却シナリオの始まりだ。
もっとも「米国債バブル崩壊」には金融引き締め政策開始が必要だから2014年まで心配する必要はないと言える。では何がバブルなのか、原油?穀物?金?株? それとも・・・。
【関連リンク】
『インターネット・バブル』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%96%E3%83%AB
『リーマン・ショック』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%83%E3%82%AF
『「ツケへの逃避」で膨らむ米国債バブル』
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0601J_W2A600C1000000/
『日本国債バブル「18カ月以内に崩壊する」』
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFZ26024_W2A120C1K11000/
2012年08月24日
8/24(金)モーサテ:日本株市場は安い時に買って高い時に売るというタイミング売買の時代へ
今日8/24(金)に放送された「モーニングサテライト」6:15から三菱UFJモルガン・スタンレー証券 投資ストラテジスト 藤戸則弘氏が『長期的視点で見た日本株の行方は』と言う解説を行ったので気になる日本株価の行方を知るために取り上げたい。
藤戸氏は日経平均株価と日本名目GDP成長率の対数複合グラフを見せて以下の様に説明した。
1)1950年から1973年の日本経済は高成長で、日経平均株価の上昇率は年平均22.4%とbuy and holdがベストだった。
2)1998年から2011年のGDP単純平均が-0.7%と成長していないので、1990年から2011年の日経平均は-4.0%と毎年値下がりしている。
3)低賃金を武器とした東アジアのライバル企業の台頭と円高という企業業績構造問題とマクロ環境の厳しい現実を認識しないといけない。
4)1982年から2012年の間に対ドルでは約3.5倍円高、対ウォンでは約6.2倍の超円高になっている。
5)リーマンショック後の日経平均は9千円から11千円台、震災後は8千円から10千円台とレンジ感が変わっている。
6)安い時に買って高い時に売るというタイミングを捉えて売買を行う必要のある時代に変わった。
7)日本固有のアノマリー(anomaly:経験的な規則性のある事象)として秋に買って正月から春に売るのが良い。最悪は春に購入することだ。
8)秋になって8千円台半ばになった時、欧州問題の行方を見極めて押し目買いしても遅くないだろう。
6/21(木)と4/18(水)の記事に重なる点が多い話だった。そして今日日経平均はQE3期待後退もあり107円以上下落した。「NT倍率に注意」の話もあった通り一部の値がさ銘柄の上昇が日経平均を上げている脆弱な市場では十分予想出来る展開だ。特に9/13(木)にQE3が実施されなかった場合、投資家たちはどんな反応を見せるのかと思うと、これ自体が市場混乱の原因になりそうだ。(冷汗)
ダウ平均株価も日経平均同様一部値がさ株が支えているとのニュースもあり世界の投資家たちは経済成長ではなく経済政策で株を買っているというおかしな話になっている。このまま米国経済の成長率が低下すれば日本同様株価は徐々に上値を下げていくのだろうか。まずは住宅バブル破裂の後遺症から脱却出来るかが鍵なので米国住宅関連指数に注目したい。
6/21(木)にネット証券を検討すると書いて2か月経過したのに未だに検討に取り掛かっていない。ブログ記事になる段階までまとめられるのか分からない内容なので他の記事作成を優先してしまうからなのだが、このままでは秋のラストチャンスに間に合わなくなりそうだ。さてどうしたものか。(汗)
この記事を書く時の裏話としてグラフの数字を読む為にSV-MV100の画面をGX1で撮影して拡大表示するのだがG 20mm/F1.7は最短撮影距離が長く適さないのでMACRO-ELMARIT 45mm/F2.8の出番となる。その写りはいいのだがSV-MV100の解像度が低く小さな数字は潰れてしまい結局ハッキリと読めない。もし数字が間違っていたら、そういった理由なのでご勘弁をお願いします。
【関連リンク】
『東証大引け、反落 7日ぶり安値、米欧株安で 下げ幅は1カ月ぶり大きさ』
http://www.nikkei.com/markets/kabu/summary.aspx?g=DGXNASS0ISS16_24082012000000
『株、上値「1万0500円限界」説 期待感の低下で細る浮揚力』
http://www.nikkei.com/markets/features/26.aspx?g=DGXNASFL210CR_21082012000000
藤戸氏は日経平均株価と日本名目GDP成長率の対数複合グラフを見せて以下の様に説明した。
1)1950年から1973年の日本経済は高成長で、日経平均株価の上昇率は年平均22.4%とbuy and holdがベストだった。
2)1998年から2011年のGDP単純平均が-0.7%と成長していないので、1990年から2011年の日経平均は-4.0%と毎年値下がりしている。
3)低賃金を武器とした東アジアのライバル企業の台頭と円高という企業業績構造問題とマクロ環境の厳しい現実を認識しないといけない。
4)1982年から2012年の間に対ドルでは約3.5倍円高、対ウォンでは約6.2倍の超円高になっている。
5)リーマンショック後の日経平均は9千円から11千円台、震災後は8千円から10千円台とレンジ感が変わっている。
6)安い時に買って高い時に売るというタイミングを捉えて売買を行う必要のある時代に変わった。
7)日本固有のアノマリー(anomaly:経験的な規則性のある事象)として秋に買って正月から春に売るのが良い。最悪は春に購入することだ。
8)秋になって8千円台半ばになった時、欧州問題の行方を見極めて押し目買いしても遅くないだろう。
6/21(木)と4/18(水)の記事に重なる点が多い話だった。そして今日日経平均はQE3期待後退もあり107円以上下落した。「NT倍率に注意」の話もあった通り一部の値がさ銘柄の上昇が日経平均を上げている脆弱な市場では十分予想出来る展開だ。特に9/13(木)にQE3が実施されなかった場合、投資家たちはどんな反応を見せるのかと思うと、これ自体が市場混乱の原因になりそうだ。(冷汗)
ダウ平均株価も日経平均同様一部値がさ株が支えているとのニュースもあり世界の投資家たちは経済成長ではなく経済政策で株を買っているというおかしな話になっている。このまま米国経済の成長率が低下すれば日本同様株価は徐々に上値を下げていくのだろうか。まずは住宅バブル破裂の後遺症から脱却出来るかが鍵なので米国住宅関連指数に注目したい。
6/21(木)にネット証券を検討すると書いて2か月経過したのに未だに検討に取り掛かっていない。ブログ記事になる段階までまとめられるのか分からない内容なので他の記事作成を優先してしまうからなのだが、このままでは秋のラストチャンスに間に合わなくなりそうだ。さてどうしたものか。(汗)
この記事を書く時の裏話としてグラフの数字を読む為にSV-MV100の画面をGX1で撮影して拡大表示するのだがG 20mm/F1.7は最短撮影距離が長く適さないのでMACRO-ELMARIT 45mm/F2.8の出番となる。その写りはいいのだがSV-MV100の解像度が低く小さな数字は潰れてしまい結局ハッキリと読めない。もし数字が間違っていたら、そういった理由なのでご勘弁をお願いします。
【関連リンク】
『東証大引け、反落 7日ぶり安値、米欧株安で 下げ幅は1カ月ぶり大きさ』
http://www.nikkei.com/markets/kabu/summary.aspx?g=DGXNASS0ISS16_24082012000000
『株、上値「1万0500円限界」説 期待感の低下で細る浮揚力』
http://www.nikkei.com/markets/features/26.aspx?g=DGXNASFL210CR_21082012000000
2012年08月13日
モーサテ:ブラジル・レアルの対ドル相場は年内2.0から2.1レアルの範囲と予想!?
8/13(月)放送のモーニングサテライトは6:15頃にJ.P.モルガン・チェース銀行 エグゼクティブ・ディレクター シニアFXストラテジスト 棚瀬順哉氏の「レアル相場の行方は」コーナーがあった。新興国通貨の為替動向で投資家のリスク姿勢が分かるのと新興国経済の行方が気になるので注目して見た。
棚瀬氏はブラジルの雇用は強く消費はそこそこ堅調だが、輸出の4割を占める工業製品はレアル高で落ち込み景気の足元弱いと言う。
リーマンショックの急落後レアル高基調が続いたが、2011年秋の欧州不安以降弱含みとなった。今年5月まで主要エマージング通貨は全面安の様相だったが今は上昇している。次の2点が今後のレアル為替動向を左右する。
1)ユーロ圏問題(による先進国投資家のリスクオン・オフ姿勢)
2)ブラジル中央銀行の介入姿勢
2008年12月〜2011年7月の通貨上昇率(対ドル)はレアルが約58%と主要エマージング通貨の中で一番高かった。それは 1)インフレ 2)経常赤字 により通貨を押し下げるのが難しく、中央銀行の抵抗が弱かった為だ。
2012年6月〜は上昇率約5%と景気減速でインフレ懸念が弱まり中央銀行は抵抗姿勢を強めている。もう1段の追加利下げが予想され、現地投資家は全員年内対ドル2.0〜2.1レアルと予想している。
ブラジルは2016年オリンピック開催に向けてインフラ投資は増えることと資源国としての強みを考慮すると確かに主要エマージング諸国の中でも投資先として有望だと思う。
FXを行っている人は理解しているのだろうが、対ドルで語られても分かり難い。今日8/13(月)の米ドル(USD)->ブラジル・レアル(BRL)は2.03レアル、->日本・円(JPY)は78.29円、ブラジル・レアル(BRL) ->日本・円(JPY)は38.62円となっている。円換算だと年内は38円前後のレンジ相場だが37円台もありうると理解でいいのだろうか。(汗)
もっとも年内にECBのLTROやFRBのQE3が実施されればリスクオン姿勢が強まりレアル高が進む可能性も残っていることと、先進国が通貨安競争を再開すればレンジ相場が続くドル円相場にも動きがあると考えられる。この予想の正誤はまず9月に試されるだろう。
棚瀬氏はブラジルの雇用は強く消費はそこそこ堅調だが、輸出の4割を占める工業製品はレアル高で落ち込み景気の足元弱いと言う。
リーマンショックの急落後レアル高基調が続いたが、2011年秋の欧州不安以降弱含みとなった。今年5月まで主要エマージング通貨は全面安の様相だったが今は上昇している。次の2点が今後のレアル為替動向を左右する。
1)ユーロ圏問題(による先進国投資家のリスクオン・オフ姿勢)
2)ブラジル中央銀行の介入姿勢
2008年12月〜2011年7月の通貨上昇率(対ドル)はレアルが約58%と主要エマージング通貨の中で一番高かった。それは 1)インフレ 2)経常赤字 により通貨を押し下げるのが難しく、中央銀行の抵抗が弱かった為だ。
2012年6月〜は上昇率約5%と景気減速でインフレ懸念が弱まり中央銀行は抵抗姿勢を強めている。もう1段の追加利下げが予想され、現地投資家は全員年内対ドル2.0〜2.1レアルと予想している。
ブラジルは2016年オリンピック開催に向けてインフラ投資は増えることと資源国としての強みを考慮すると確かに主要エマージング諸国の中でも投資先として有望だと思う。
FXを行っている人は理解しているのだろうが、対ドルで語られても分かり難い。今日8/13(月)の米ドル(USD)->ブラジル・レアル(BRL)は2.03レアル、->日本・円(JPY)は78.29円、ブラジル・レアル(BRL) ->日本・円(JPY)は38.62円となっている。円換算だと年内は38円前後のレンジ相場だが37円台もありうると理解でいいのだろうか。(汗)
もっとも年内にECBのLTROやFRBのQE3が実施されればリスクオン姿勢が強まりレアル高が進む可能性も残っていることと、先進国が通貨安競争を再開すればレンジ相場が続くドル円相場にも動きがあると考えられる。この予想の正誤はまず9月に試されるだろう。
2012年08月02日
モーサテ:FOMCは9/13(木)に「QE3を実施するのか、しないのか。それが問題だ」
8/2(木)放送のモーニングサテライトは6:25頃に東京三菱UFJ銀行エコノミスト鈴木敏之氏の「FOMC声明を読み解く」コーナーがあった。QE3の実施の有無は7/13(金)の記事の通り金価格を含め商品市況に影響を与えるので注目して見た。
鈴木敏之氏は今回の声明を「ゼロ回答も追加緩和に強い意志」と語った。“必要に応じ追加緩和を実施する。(will)”と文面を変えたことで”意志を強め”、“経済活動が今年上半期にかけて幾分減速した(decelerated)”と厳しい認識を示し次の緩和があると伝えた、と読み取ったと言う。
IF(実行有無):7月米ISM製造業景気指数が弱く実施の正当性を得られた。
When(時期):“注視(closely Monitoring)”と言っているので場合によっては9/13(木)より前もありうる。
How(やり方):QE3の効果はデフレを払拭するが、副作用として商品市況値上がりがあり、次の一手として説明責任が生じる。と語った。
同様にバンクオブアメリカ・メリルリンチのイーサン・ハリス氏は9月のFOMCを次の様に予想していると言う。
「次回9/13(木)のFOMCで約6,000億ドルの国債と住宅ローン債の買い取りというQE3実施を発表するだろう。それは米国経済成長が年後半に減速して1%までに落ちることと財政の崖を懸念しているからだ。」
一方ホリコ・キャピタル・マネジメントLLC最高運用責任者 堀古英司氏は次のように述べた。
「今回の声明はQE3実施に一歩踏み込んだ内容とは言えない。オペレーションツイストの効果と9月中旬までに2回ある雇用統計の発表を見守っているうちに大統領選挙が近づき実施条件のハードルが上がるだろう。」
これは7/10(火)岡三証券 西川泰亮氏の分析に近い内容だ。
同じ声明文を読んで意見が対立するのは非常に興味深い。ある意味”実弾を撃たずアナウンス効果”だけでここまでマーケットに期待を持たせることが出来るFOMCの作文能力の高さに感心するべきなのだろう。(笑)
指標的に考えると9月のQE3は「ない」はずだ。実施しても雇用改善効果は弱いだけではなく、ガソリン価格が上がれば逆に個人消費が落ちてしまう。欧州債務不安も根強く何が金融危機を引き起こすか先行き不透明な時期だけに切り札は残しておくべきだ。
それでも米国内では「ある」という意見の方が多数というのだから日本国内から見ているとその理由は分からない。実施内容から金額まで予想しているのを見ると「もしかしてFOMCメンバーの誰かから情報提供がある?」とついそんな疑いを持ってしまう。最近のロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作問題と証券会社のインサイダー取引問題の報道を聞いているからだろう。(苦笑)
【関連リンク】
『米FOMC声明全文』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120802-00000019-reut-bus_all
『7月米ISM製造業景気指数は低迷、製造業部門の弱含みを示唆』
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE87001620120801
『米QE3の来月導入に疑問符、円高一服で日本株は堅調』
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE87102Q20120802
鈴木敏之氏は今回の声明を「ゼロ回答も追加緩和に強い意志」と語った。“必要に応じ追加緩和を実施する。(will)”と文面を変えたことで”意志を強め”、“経済活動が今年上半期にかけて幾分減速した(decelerated)”と厳しい認識を示し次の緩和があると伝えた、と読み取ったと言う。
IF(実行有無):7月米ISM製造業景気指数が弱く実施の正当性を得られた。
When(時期):“注視(closely Monitoring)”と言っているので場合によっては9/13(木)より前もありうる。
How(やり方):QE3の効果はデフレを払拭するが、副作用として商品市況値上がりがあり、次の一手として説明責任が生じる。と語った。
同様にバンクオブアメリカ・メリルリンチのイーサン・ハリス氏は9月のFOMCを次の様に予想していると言う。
「次回9/13(木)のFOMCで約6,000億ドルの国債と住宅ローン債の買い取りというQE3実施を発表するだろう。それは米国経済成長が年後半に減速して1%までに落ちることと財政の崖を懸念しているからだ。」
一方ホリコ・キャピタル・マネジメントLLC最高運用責任者 堀古英司氏は次のように述べた。
「今回の声明はQE3実施に一歩踏み込んだ内容とは言えない。オペレーションツイストの効果と9月中旬までに2回ある雇用統計の発表を見守っているうちに大統領選挙が近づき実施条件のハードルが上がるだろう。」
これは7/10(火)岡三証券 西川泰亮氏の分析に近い内容だ。
同じ声明文を読んで意見が対立するのは非常に興味深い。ある意味”実弾を撃たずアナウンス効果”だけでここまでマーケットに期待を持たせることが出来るFOMCの作文能力の高さに感心するべきなのだろう。(笑)
指標的に考えると9月のQE3は「ない」はずだ。実施しても雇用改善効果は弱いだけではなく、ガソリン価格が上がれば逆に個人消費が落ちてしまう。欧州債務不安も根強く何が金融危機を引き起こすか先行き不透明な時期だけに切り札は残しておくべきだ。
それでも米国内では「ある」という意見の方が多数というのだから日本国内から見ているとその理由は分からない。実施内容から金額まで予想しているのを見ると「もしかしてFOMCメンバーの誰かから情報提供がある?」とついそんな疑いを持ってしまう。最近のロンドン銀行間取引金利(LIBOR)の不正操作問題と証券会社のインサイダー取引問題の報道を聞いているからだろう。(苦笑)
【関連リンク】
『米FOMC声明全文』
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120802-00000019-reut-bus_all
『7月米ISM製造業景気指数は低迷、製造業部門の弱含みを示唆』
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJE87001620120801
『米QE3の来月導入に疑問符、円高一服で日本株は堅調』
http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTYE87102Q20120802
2012年07月13日
7/13(金)モーサテ:メリルリンチが2013年には金1オンス2000ドルに達する可能性ありと発表
7/13(金)放送のモーニングサテライトで金価格の予想について報道があった。
7/12(木)メリルリンチは金先物価格が来年2013年には1オンス2000ドルに達する可能性があると報じた。これはFRBが9月にでもQE3を実施することになり、余剰資金が金市場に流れ込むからだと説明している。
そういえば7/11(水)放送のモーニングサテライトでメリルリンチ日本証券の吉川雅幸氏が次ぎの様なコメントを出していた。
米国経済は雇用とデフレのリスクにさらされており、このまま雇用が改善されなければFRBは9月にでもQE3を打ち出す。
7/10(火)の西川氏の説と真っ向から対立する予想となる。
さてどちらを信じて良いのだろうか。
1)自国内の情報に関してはメリルリンチに利があるだろう。
2)バーナンキFRB議長は米国経済のジャパナイゼーション(Japanization)を恐れているので必要と思えば積極的な手を打ってくる可能性が高い。
となるとメリルリンチ優勢だ。
QE3実施には“経済状況がさらに悪化しない限りメンバーの総意を得ることは困難である”とのことだが、その米国雇用統計の目標数値が何万人なのか。企業の4-6月期決算の数字を見ていると7-9月期の改善は期待出来ないものの、大幅な悪化も考えにくい。金価格は2011年に1900ドル突破後急落しているだけに、この時期に強気の予想を発表したメリルリンチの意図を裏読みしたくなる。(苦笑)
消費税アップが確実になったことと79円前後という円高の条件を考えると、確かに日本では金を買うには良いタイミングかもしれない。この連休はネット証券会社だけではなく金投資の会社もコツコツと調べてみることにしよう。
【関連リンク】
『コラム:リーマン危機前夜に似た国際マネーの流れ=熊谷亮丸氏』
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPTYE86201C20120703?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0
『史上最高値後に急落 2011年、金の10大ニュース』
http://www.nikkei.com/money/gold/toshimagold.aspx?g=DGXNMSFK26006_26122011000000&df=1
7/12(木)メリルリンチは金先物価格が来年2013年には1オンス2000ドルに達する可能性があると報じた。これはFRBが9月にでもQE3を実施することになり、余剰資金が金市場に流れ込むからだと説明している。
そういえば7/11(水)放送のモーニングサテライトでメリルリンチ日本証券の吉川雅幸氏が次ぎの様なコメントを出していた。
米国経済は雇用とデフレのリスクにさらされており、このまま雇用が改善されなければFRBは9月にでもQE3を打ち出す。
7/10(火)の西川氏の説と真っ向から対立する予想となる。
さてどちらを信じて良いのだろうか。
1)自国内の情報に関してはメリルリンチに利があるだろう。
2)バーナンキFRB議長は米国経済のジャパナイゼーション(Japanization)を恐れているので必要と思えば積極的な手を打ってくる可能性が高い。
となるとメリルリンチ優勢だ。
QE3実施には“経済状況がさらに悪化しない限りメンバーの総意を得ることは困難である”とのことだが、その米国雇用統計の目標数値が何万人なのか。企業の4-6月期決算の数字を見ていると7-9月期の改善は期待出来ないものの、大幅な悪化も考えにくい。金価格は2011年に1900ドル突破後急落しているだけに、この時期に強気の予想を発表したメリルリンチの意図を裏読みしたくなる。(苦笑)
消費税アップが確実になったことと79円前後という円高の条件を考えると、確かに日本では金を買うには良いタイミングかもしれない。この連休はネット証券会社だけではなく金投資の会社もコツコツと調べてみることにしよう。
【関連リンク】
『コラム:リーマン危機前夜に似た国際マネーの流れ=熊谷亮丸氏』
http://jp.reuters.com/article/jp_forum/idJPTYE86201C20120703?pageNumber=1&virtualBrandChannel=0
『史上最高値後に急落 2011年、金の10大ニュース』
http://www.nikkei.com/money/gold/toshimagold.aspx?g=DGXNMSFK26006_26122011000000&df=1
2012年07月10日
7/10(火)モーサテ:「QE3は実施されない?」その3つの理由とは
7/10(火)放送のモーニングサテライトは6:09から岡三証券 西川泰亮氏が「QE3に過度の期待が出来ない理由」について説明した。
西川氏は「QE3だけで景気浮揚は難しい」のが一因と語り、これ以外に3つの理由を挙げた。
1)年末の「財政の崖」回避で減税と歳出削減延長が行われる可能性があり実施の正当性を主張出来ない。
2)大統領選挙、議会選挙を前に共和党がQE3に反対しており動き辛い。
3)雇用市場は年後半増加傾向にあるので実施する時期ではない。
といった旨のことを説明した。
7/2(月)以来のモーサテ記事だがQE3実施の有無が為替や株価等に影響を与えるので記録しておく。
6/17(日)のギリシャ再選挙を無事乗り切り金融市場はリスクオンになりつつも統計情報に一喜一憂、6/21(木)の記事の通り乱高下相場になりつつある。過去のこの状態を打破したのがQE3やLTRO実施だったのだが、西川氏の説明によれば年内実施は望み薄となる。確かにFRBとしては万が一の金融危機発生時の切り札として温存しておきたいので、しばらくは「用意がある」といった発言で市場の実施期待を維持するつもりだろう。
7/10(火)「EU財務相会合」で7月末スペインに約3兆円融資の方針が決まったこともあり、7/20(金)最終決定まではリスクオンといったトレンドになりそうだ。市場が落ち着いていれば7/12(木)の「日銀金融政策決定会合」は現状維持という結論だろう。
ところで7/2(月)に「2026:i穀物」ETFの値上りについて書いたが、恥ずかしながらその時は本当の理由を知らなかった。(冷汗) 「熱波で米国の穀物収穫量が減少の恐れ」といったニュースを知ったのは、この2〜3日後のことだ。私の見落としかもしれないが、それまでモーサテやWBS、日経でこの様なニュースを見聞きした記憶が無い。さすがプロは1ヶ月も前からしっかり天候情報を収集しているのかと感心した。
既に”過去最高値を更新”している状態で買いに入るのはリスクが高いので指をくわえて見ている方が良さそうだ。(苦笑)
まずはいい加減ネット証券選びを始めなくては・・・。
【関連リンク】
『世界的な食品価格高が再来か、熱波で米穀物相場が急騰』
http://jp.reuters.com/article/jpUSpolitics/idJPTYE86904220120710
西川氏は「QE3だけで景気浮揚は難しい」のが一因と語り、これ以外に3つの理由を挙げた。
1)年末の「財政の崖」回避で減税と歳出削減延長が行われる可能性があり実施の正当性を主張出来ない。
2)大統領選挙、議会選挙を前に共和党がQE3に反対しており動き辛い。
3)雇用市場は年後半増加傾向にあるので実施する時期ではない。
といった旨のことを説明した。
7/2(月)以来のモーサテ記事だがQE3実施の有無が為替や株価等に影響を与えるので記録しておく。
6/17(日)のギリシャ再選挙を無事乗り切り金融市場はリスクオンになりつつも統計情報に一喜一憂、6/21(木)の記事の通り乱高下相場になりつつある。過去のこの状態を打破したのがQE3やLTRO実施だったのだが、西川氏の説明によれば年内実施は望み薄となる。確かにFRBとしては万が一の金融危機発生時の切り札として温存しておきたいので、しばらくは「用意がある」といった発言で市場の実施期待を維持するつもりだろう。
7/10(火)「EU財務相会合」で7月末スペインに約3兆円融資の方針が決まったこともあり、7/20(金)最終決定まではリスクオンといったトレンドになりそうだ。市場が落ち着いていれば7/12(木)の「日銀金融政策決定会合」は現状維持という結論だろう。
ところで7/2(月)に「2026:i穀物」ETFの値上りについて書いたが、恥ずかしながらその時は本当の理由を知らなかった。(冷汗) 「熱波で米国の穀物収穫量が減少の恐れ」といったニュースを知ったのは、この2〜3日後のことだ。私の見落としかもしれないが、それまでモーサテやWBS、日経でこの様なニュースを見聞きした記憶が無い。さすがプロは1ヶ月も前からしっかり天候情報を収集しているのかと感心した。
既に”過去最高値を更新”している状態で買いに入るのはリスクが高いので指をくわえて見ている方が良さそうだ。(苦笑)
まずはいい加減ネット証券選びを始めなくては・・・。
【関連リンク】
『世界的な食品価格高が再来か、熱波で米穀物相場が急騰』
http://jp.reuters.com/article/jpUSpolitics/idJPTYE86904220120710
2012年07月02日
7/2(月)モーサテ:「原油相場今後の見通し」はリスクオンの鐘を鳴らすのか!?
7/2(月)放送のモーニングサテライトは6:19から「原油相場今後の見通しは・・・」というタイトルでマーケット・リスク・アドバイザリー代表 新村直弘氏がその予想を語った。
新村氏はWTIより国際需給を現しているBrent原油価格に注目していると語り始めた。
2011年12月欧州中央銀行(ECB)3年物長期流動性供給オペ(LTRO)が行われ値上りしたが、今年の3月からは下落トレンドになっている。下落の原因は 1)欧州発の景気後退不安 2)4月頃の原油増産による在庫増 だ。
今後の原油価格に影響を与える要因として 1)季節要因 2)イラン情勢 3)金融・財政政策 がある。
ECB利下げを織り込み7-9月期の価格はBRENT103ドルと予想している。(WTI90ドル)
QE3等の金融緩和が行われればBrent106ドル、海峡封鎖で120ドル超え、確率は相当低いがこの2つが同時に起これば140ドルと語った。
5/28(月)のモーサテ以来の商品価格の予測と言うことで興味深く見させてもらった。
商品相場関係のETF購入を検討しているので以前「1699:野村原油」のチャートを見たところ2010年2011年共に6月から9月に掛けて値下りしている。これは先進国の多い北半球が夏になり需要が落ちる為という季節要因で説明が付くので分かり易い。だから9月までのんびり様子見を決め込んでいた。
ところが新村氏は「季節要因で需要が増える」と言う。一瞬「南半球のこと?」と悩んでしまった。(苦笑)
確かにイラン情勢と財政政策の先行きは不透明だが、このコーナーの前に米国エコノミストが国内景気の不透明さを語っていた通り、実需が伴わない原油価格の値上りはないだろうと思う。
こう考えながらこの記事を書く為に久しぶりに「2026:i穀物」のチャートを見て驚いた。6/5(火)4,355円から7/2(月)5,410円と1,000円以上値上りしている。7月に入り「1328:野村金連動ETF」も値上りし始めている。
ここで5/28(月)の新村氏の話を思い出した。
リーマンの時は1ヶ月経過後貴金属、穀物の順番で価格が上がり最後に原油等景気循環商品が上がっていった。
ということは6/5(火)の日経平均年初来安値更新から1ヶ月経過して商品相場はリスクオンとなったと考えて良いのかもしれない。まあ理由は後付でトレンドに乗るのが賢明だろう。
まだネット証券の口座を開いていないだけに購入手数料の高さに悩みつつ今買うべきだろうか。誰にも底値は分からないのだから予算を決めて分割購入することでリスク分散を図るしかないだろう。
【関連リンク】
『夏は投資に不向きな季節? 株、年後半安の経験則』
http://www.nikkei.com/money/column/teiryu.aspx?g=DGXNMSFK2902X_29062012000000
『原油大幅下落、専門家に聞く WTI80〜90ドルで推移 秋にかけ一段安も』
http://www.nikkei.com/markets/shohin/view.aspx?g=DGXNMSDJ21009_21062012000000
『シェールオイル大増産、原油価格は長期低迷も』
http://www.nikkei.com/markets/shohin/view.aspx?g=DGXNMSDJ2601M_26062012000000
『商品のリスクオフ相場は3度目の買い場になるか』
http://www.nikkei.com/markets/shohin/view.aspx?g=DGXNMSDJ2601P_27062012000000
新村氏はWTIより国際需給を現しているBrent原油価格に注目していると語り始めた。
2011年12月欧州中央銀行(ECB)3年物長期流動性供給オペ(LTRO)が行われ値上りしたが、今年の3月からは下落トレンドになっている。下落の原因は 1)欧州発の景気後退不安 2)4月頃の原油増産による在庫増 だ。
今後の原油価格に影響を与える要因として 1)季節要因 2)イラン情勢 3)金融・財政政策 がある。
ECB利下げを織り込み7-9月期の価格はBRENT103ドルと予想している。(WTI90ドル)
QE3等の金融緩和が行われればBrent106ドル、海峡封鎖で120ドル超え、確率は相当低いがこの2つが同時に起これば140ドルと語った。
5/28(月)のモーサテ以来の商品価格の予測と言うことで興味深く見させてもらった。
商品相場関係のETF購入を検討しているので以前「1699:野村原油」のチャートを見たところ2010年2011年共に6月から9月に掛けて値下りしている。これは先進国の多い北半球が夏になり需要が落ちる為という季節要因で説明が付くので分かり易い。だから9月までのんびり様子見を決め込んでいた。
ところが新村氏は「季節要因で需要が増える」と言う。一瞬「南半球のこと?」と悩んでしまった。(苦笑)
確かにイラン情勢と財政政策の先行きは不透明だが、このコーナーの前に米国エコノミストが国内景気の不透明さを語っていた通り、実需が伴わない原油価格の値上りはないだろうと思う。
こう考えながらこの記事を書く為に久しぶりに「2026:i穀物」のチャートを見て驚いた。6/5(火)4,355円から7/2(月)5,410円と1,000円以上値上りしている。7月に入り「1328:野村金連動ETF」も値上りし始めている。
ここで5/28(月)の新村氏の話を思い出した。
リーマンの時は1ヶ月経過後貴金属、穀物の順番で価格が上がり最後に原油等景気循環商品が上がっていった。
ということは6/5(火)の日経平均年初来安値更新から1ヶ月経過して商品相場はリスクオンとなったと考えて良いのかもしれない。まあ理由は後付でトレンドに乗るのが賢明だろう。
まだネット証券の口座を開いていないだけに購入手数料の高さに悩みつつ今買うべきだろうか。誰にも底値は分からないのだから予算を決めて分割購入することでリスク分散を図るしかないだろう。
【関連リンク】
『夏は投資に不向きな季節? 株、年後半安の経験則』
http://www.nikkei.com/money/column/teiryu.aspx?g=DGXNMSFK2902X_29062012000000
『原油大幅下落、専門家に聞く WTI80〜90ドルで推移 秋にかけ一段安も』
http://www.nikkei.com/markets/shohin/view.aspx?g=DGXNMSDJ21009_21062012000000
『シェールオイル大増産、原油価格は長期低迷も』
http://www.nikkei.com/markets/shohin/view.aspx?g=DGXNMSDJ2601M_26062012000000
『商品のリスクオフ相場は3度目の買い場になるか』
http://www.nikkei.com/markets/shohin/view.aspx?g=DGXNMSDJ2601P_27062012000000
2012年06月23日
住宅の外装リフォームに「外壁パネル材」はいかがですか。特別に40%OFFします!おいしい話の結末は・・・
※検索して訪問して来た方々の参考になるようにあえて実名を記載しております。
家計に関する話題として「持ち家と賃貸どちらがお得か」という議論がある。高度成長でインフレの時代なら間違いなく持ち家だと思うがデフレで人口減少が進む今なら「賃貸」という答えが正しいように思えてくる。
では「持ち家なら一軒家とマンションどちらがお得か」という議論についてはどう考えるだろうか。土地が資産として残る一軒家、利便性の高い物件なら価値が落ちにくいマンション。何に価値を求めるかによって答えは変わってくるだろうが、AV Phileの私としては上下階、左右隣部屋に気兼ねせず大音量を出せる一戸建てが好みだ。(笑)
比較の際にマンションでは毎月の維持費の積み立てが大変という意見を聞くが一戸建てでも約10年に1回は屋根と壁面の塗り替えが必要でちゃんと予算を取っておかないとその時が来て慌てることになる。我が家も前回の外装リフォームから10年が経過してそろそろ塗り替えが必要だと考え始めていたら「おいしい話」が舞い込んできた。
1年以上前の話になるが2011年03月06日(日)潟戟Eスタイルというリフォーム会社の営業からアポイントの依頼があり15時に会う約束をした。確か支店長と担当営業の2名が来て2時間半話を聞いた。
内容は住宅「外壁パネル材」の売り込みだ。
1.耐久性は半永久的で外壁の塗り替えは不要。
2.外断熱効果があるので冷暖房費が削減出来る。内断熱と異なり壁内結露も起きない。
3.外壁パネル材をアンカーで取り付けるので耐震性が向上する。
とその利点を強く説明された。
その上特別な条件を提示してきた。
1)写真撮影をして広告に使わせてもらう、工事現場見学会に使わせてもらう、という2つの条件で通常500万掛かる工事費を300万で行う。ただし使用する外壁はレンガ柄一沢になる。
2)ここは角地な上、メーカー住宅なので探していた広告条件ピッタリだ。
3)4月からキャンペーンを行うので今すぐ返事が欲しい。この後も候補のお客様と会う約束があり、先方は非常に乗り気だ。
と言う。
外装リフォームには200万弱かかるので、その1.5倍の費用だとしても本当にメンテナンス不要なら長期的に見て大変お得だ。この機会を逃したらもう2度とこんな「おいしい話」はないかもしれない。迷いに迷った結果「お断り」した。
それは先方の提示してきた条件が詐欺話の特徴にことごとく当てはまるからだ。
1)は「お得感」を強調し金銭欲を刺激している。
2)は「貴方だけ特別です」と自尊心をくすぐっている。
3)は「時間が無い」と焦らせて判断力を奪おうとしている。
2人が帰った後ネットで検索したところ、特に怪しい情報は見つからなかった。ただ以下のポイントを知らずに契約していたら後悔しただろう。
1.「外壁パネル材」は差別化が難しく競争が厳しい商材だ。
2. 「外壁パネル材」が結露と耐震性に有利とは一概に言えない。
この話は昨日の「電気保安株式会社」から思い出し書き始めたのだが、当初は会社名を出すつもりは無かった。ところが確認のため「株式会社レ・スタイル」を検索したら以下の情報を見つけてしまった。
1.平成23年(フ)第13931号
2.債務者・破産者「株式会社レ・スタイル」
3.決定年月日時 平成23年10月12日午後5時
私の所へ来た7ヵ月後に倒産していたとはまったく知らず驚いてしまった。「もし契約していたら」と思うと冷汗が出た。昨年は3.11があり売上が激減したのが原因の1つだろう。ただそれ以前から資金繰りに苦労していてとにかく売上を上げたかった。そう思えるほど私が聞いたセールストークは焦りが滲み出ていた。
まったく「おいしい話」には注意が必要だ。
【関連リンク】
『債務者・破産者「株式会社レ・スタイル」』
http://bank-db.com/hasan/450218
『夏原武「隣は詐欺師」――ついに来た「すぐそばに詐欺師」の時代』
http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20090608/158660/
家計に関する話題として「持ち家と賃貸どちらがお得か」という議論がある。高度成長でインフレの時代なら間違いなく持ち家だと思うがデフレで人口減少が進む今なら「賃貸」という答えが正しいように思えてくる。
では「持ち家なら一軒家とマンションどちらがお得か」という議論についてはどう考えるだろうか。土地が資産として残る一軒家、利便性の高い物件なら価値が落ちにくいマンション。何に価値を求めるかによって答えは変わってくるだろうが、AV Phileの私としては上下階、左右隣部屋に気兼ねせず大音量を出せる一戸建てが好みだ。(笑)
比較の際にマンションでは毎月の維持費の積み立てが大変という意見を聞くが一戸建てでも約10年に1回は屋根と壁面の塗り替えが必要でちゃんと予算を取っておかないとその時が来て慌てることになる。我が家も前回の外装リフォームから10年が経過してそろそろ塗り替えが必要だと考え始めていたら「おいしい話」が舞い込んできた。
1年以上前の話になるが2011年03月06日(日)潟戟Eスタイルというリフォーム会社の営業からアポイントの依頼があり15時に会う約束をした。確か支店長と担当営業の2名が来て2時間半話を聞いた。
内容は住宅「外壁パネル材」の売り込みだ。
1.耐久性は半永久的で外壁の塗り替えは不要。
2.外断熱効果があるので冷暖房費が削減出来る。内断熱と異なり壁内結露も起きない。
3.外壁パネル材をアンカーで取り付けるので耐震性が向上する。
とその利点を強く説明された。
その上特別な条件を提示してきた。
1)写真撮影をして広告に使わせてもらう、工事現場見学会に使わせてもらう、という2つの条件で通常500万掛かる工事費を300万で行う。ただし使用する外壁はレンガ柄一沢になる。
2)ここは角地な上、メーカー住宅なので探していた広告条件ピッタリだ。
3)4月からキャンペーンを行うので今すぐ返事が欲しい。この後も候補のお客様と会う約束があり、先方は非常に乗り気だ。
と言う。
外装リフォームには200万弱かかるので、その1.5倍の費用だとしても本当にメンテナンス不要なら長期的に見て大変お得だ。この機会を逃したらもう2度とこんな「おいしい話」はないかもしれない。迷いに迷った結果「お断り」した。
それは先方の提示してきた条件が詐欺話の特徴にことごとく当てはまるからだ。
1)は「お得感」を強調し金銭欲を刺激している。
2)は「貴方だけ特別です」と自尊心をくすぐっている。
3)は「時間が無い」と焦らせて判断力を奪おうとしている。
2人が帰った後ネットで検索したところ、特に怪しい情報は見つからなかった。ただ以下のポイントを知らずに契約していたら後悔しただろう。
1.「外壁パネル材」は差別化が難しく競争が厳しい商材だ。
2. 「外壁パネル材」が結露と耐震性に有利とは一概に言えない。
この話は昨日の「電気保安株式会社」から思い出し書き始めたのだが、当初は会社名を出すつもりは無かった。ところが確認のため「株式会社レ・スタイル」を検索したら以下の情報を見つけてしまった。
1.平成23年(フ)第13931号
2.債務者・破産者「株式会社レ・スタイル」
3.決定年月日時 平成23年10月12日午後5時
私の所へ来た7ヵ月後に倒産していたとはまったく知らず驚いてしまった。「もし契約していたら」と思うと冷汗が出た。昨年は3.11があり売上が激減したのが原因の1つだろう。ただそれ以前から資金繰りに苦労していてとにかく売上を上げたかった。そう思えるほど私が聞いたセールストークは焦りが滲み出ていた。
まったく「おいしい話」には注意が必要だ。
【関連リンク】
『債務者・破産者「株式会社レ・スタイル」』
http://bank-db.com/hasan/450218
『夏原武「隣は詐欺師」――ついに来た「すぐそばに詐欺師」の時代』
http://www.nikkeibp.co.jp/article/sj/20090608/158660/
2012年06月22日
「電気料金がお安くなります!」電気保安株式会社の営業電話から学んだコト
※検索して訪問して来た方々の参考になるようにあえて実名(?)を記載しております。
先日会社に電気保安株式会社の営業の川崎さんから電話があった。「東京電力と低圧電力契約を結んでいるのであればその内容を見直すことで電気料金削減が可能です」と説明する。
[電気ご使用量のお知らせ]を見てその[使用量]と[請求予定金額]を教えて欲しいと言うので書類を出し教えたところ「安くなる可能性があるので明日契約書を持って伺います」と言う。
「契約書に代表印をもらうには2、3日掛かります」と答えたら「明日10時に伺いますが、その前にご確認のお電話を入れます」と言われたので会う約束をして電話を切った。
大手電気通信事業者販売代理店が掛けてくる「電話料金がお安くなります」といった誤解を招き易いセールストークのこともあるのですぐに”電気保安株式会社”について検索してみた。すると該当する会社のホームページが無い。そしてこの会社名を語る詐欺まがいの売込みがあったという記事をいくつも見つけた。
この中で「相手の住所を尋ねる」「電話番号を尋ねる」といった方法で撃退したと言う体験談があったので、「ホームページが無いこと」と合わせてこの3点を聞いてみようと明日の電話を楽しみに待っていた。
翌日電話は掛かってこず約束を完全にすっぽかされた。(爆)
客とのアポイントを連絡も無く反故にする営業がいる時点でまともな会社とは思えないが、未だに何の連絡も無いのでネットの情報通り詐欺の電話と判断せざるを得ない。
電気保安協会という確かに存在する会社と誤解し易い会社名を名乗っている点と、ちょうどオウム真理教元信者高橋克也容疑者が川崎市内に潜伏と言うニュースが世間を騒がせていた時期に”川崎”と名乗っている点が巧妙だと変に感心してしまった。(苦笑)
節電と電気料金値上げが注目されている今だからこそこんな電話が掛かってくるのだろう。「おいしい話」には今後も注意して応対したい。
先日会社に電気保安株式会社の営業の川崎さんから電話があった。「東京電力と低圧電力契約を結んでいるのであればその内容を見直すことで電気料金削減が可能です」と説明する。
[電気ご使用量のお知らせ]を見てその[使用量]と[請求予定金額]を教えて欲しいと言うので書類を出し教えたところ「安くなる可能性があるので明日契約書を持って伺います」と言う。
「契約書に代表印をもらうには2、3日掛かります」と答えたら「明日10時に伺いますが、その前にご確認のお電話を入れます」と言われたので会う約束をして電話を切った。
大手電気通信事業者販売代理店が掛けてくる「電話料金がお安くなります」といった誤解を招き易いセールストークのこともあるのですぐに”電気保安株式会社”について検索してみた。すると該当する会社のホームページが無い。そしてこの会社名を語る詐欺まがいの売込みがあったという記事をいくつも見つけた。
この中で「相手の住所を尋ねる」「電話番号を尋ねる」といった方法で撃退したと言う体験談があったので、「ホームページが無いこと」と合わせてこの3点を聞いてみようと明日の電話を楽しみに待っていた。
翌日電話は掛かってこず約束を完全にすっぽかされた。(爆)
客とのアポイントを連絡も無く反故にする営業がいる時点でまともな会社とは思えないが、未だに何の連絡も無いのでネットの情報通り詐欺の電話と判断せざるを得ない。
電気保安協会という確かに存在する会社と誤解し易い会社名を名乗っている点と、ちょうどオウム真理教元信者高橋克也容疑者が川崎市内に潜伏と言うニュースが世間を騒がせていた時期に”川崎”と名乗っている点が巧妙だと変に感心してしまった。(苦笑)
節電と電気料金値上げが注目されている今だからこそこんな電話が掛かってくるのだろう。「おいしい話」には今後も注意して応対したい。