トウモロコシと大豆の価格は7月の高値から下がった理由は2つ。
1)先週10日南米の生産予想が発表され大豆前年比+26.5%、トウモロコシ前年比+4.6%と増産だった。
2)9月下旬にファンドの利益確定売りがあった。
需要から導かれる適正価格は大豆14ドル(11日終値15.48ドル)トウモロコシ7ドル(終値7.73ドル)で、農家は高い価格の今を機会に作付けを増やしている。
大豆は下がっているがトウモロコシが上がっているのは需要減少が起きていないからで理由は2つ。
1)炭水化物摂取用家畜飼料として高値の小麦の代替需要がある。
2)今年の夏、ロシアと周辺国で大規模な干ばつがあり小麦の生産高が悪化している。予想では10-11年度の禁輸の時より12-13年度は悪化すると見られている。
ロシアの小麦輸出量は世界第3位(14%)を占めるので、もしもロシアが小麦の禁輸を実施して価格の高止まりが続くとエンゲル係数が高い中東諸国で暴動が起き原油の価格に影響を与えるだろう。
大豆は中国で豚肉生産用飼料としての消費が多い。その豚肉価格はCPI(消費者物価指数)との連動性が高いので、もしも豚肉上昇からインフレが再燃すれば中国金融政策に影響を与えるだろう。金利を下げられず中国景気減速懸念が高まればリスクオフで円高になる可能性がある。
全ては天候次第で、生産予想には天候要因というリスクがある、と締め括った。
米国では9月ISM製造業景気指数が改善し景気の底堅さが確認されたが、トウモロコシ価格高止まりで「エタノール燃料規制」が見直されればガソリン価格が上昇し、その結果個人消費が手控えられ景気回復が遅れるというシナリオも考えられる。なるほど穀物価格が原油価格から中国景気まで左右するとは見ていて納得の「風が吹けば桶屋が儲かる」現象だ。(笑)
パン、豆腐、納豆が値上がりするのは嬉しくない。大豆価格が上がればジオン驚異のメカニズムをもっても「ザクとうふ」「ズゴックとうふ」が量産機価格でなくなる恐れがある。(苦笑)
関東地方は昨日今日と昼間は快晴で10月中旬というのに大変暖かかった。夜になればやぶ蚊もまだ飛んでくるし本当に地球温暖化が進んでいるらしいと実感させられる。こんな気象状態で本当に予想通りに穀物が生産出来るのかいささか不安になってしまう。今年の冬が暖かければ冬物の服も売れないし、雪が積もらなければスキー場も休業だ。日本の景気もまさに天候次第だ。(冷汗)
【関連リンク】
『「ザクとうふ」「ズゴックとうふ」を生んだ相模屋の真実』
http://business.nikkeibp.co.jp/article/interview/20120928/237415/?rt=nocnt
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