棚瀬氏はブラジルの雇用は強く消費はそこそこ堅調だが、輸出の4割を占める工業製品はレアル高で落ち込み景気の足元弱いと言う。
リーマンショックの急落後レアル高基調が続いたが、2011年秋の欧州不安以降弱含みとなった。今年5月まで主要エマージング通貨は全面安の様相だったが今は上昇している。次の2点が今後のレアル為替動向を左右する。
1)ユーロ圏問題(による先進国投資家のリスクオン・オフ姿勢)
2)ブラジル中央銀行の介入姿勢
2008年12月〜2011年7月の通貨上昇率(対ドル)はレアルが約58%と主要エマージング通貨の中で一番高かった。それは 1)インフレ 2)経常赤字 により通貨を押し下げるのが難しく、中央銀行の抵抗が弱かった為だ。
2012年6月〜は上昇率約5%と景気減速でインフレ懸念が弱まり中央銀行は抵抗姿勢を強めている。もう1段の追加利下げが予想され、現地投資家は全員年内対ドル2.0〜2.1レアルと予想している。
ブラジルは2016年オリンピック開催に向けてインフラ投資は増えることと資源国としての強みを考慮すると確かに主要エマージング諸国の中でも投資先として有望だと思う。
FXを行っている人は理解しているのだろうが、対ドルで語られても分かり難い。今日8/13(月)の米ドル(USD)->ブラジル・レアル(BRL)は2.03レアル、->日本・円(JPY)は78.29円、ブラジル・レアル(BRL) ->日本・円(JPY)は38.62円となっている。円換算だと年内は38円前後のレンジ相場だが37円台もありうると理解でいいのだろうか。(汗)
もっとも年内にECBのLTROやFRBのQE3が実施されればリスクオン姿勢が強まりレアル高が進む可能性も残っていることと、先進国が通貨安競争を再開すればレンジ相場が続くドル円相場にも動きがあると考えられる。この予想の正誤はまず9月に試されるだろう。
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