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2020年08月06日

苦情の最前線で

警備員をやっていれば避けられないのが
苦情の対応。特に官公庁委託警備だと、
職員と思われることもしばしば。



もちろん、警備服を着ているので職員と
思われることが無いかもしれませんが、
二言目には「人の税金で〜」



電話では相手の顔が見えない分、職員が
対応していると思われがちです。



カテゴリ「施設警備2〜市役所迷走編」
の頃でしたが、土曜閉庁日にクレーマー
が直接守衛室窓口へ乗り込んできました。



市道建設関係で立ち退きを求められている
家が言う事を聞かず、その家が飼っている
犬に噛まれたというもの。



この手の苦情は、相手が怒り心頭なので
何に対して怒っているのが、手探りで
綱渡りよろしく対応するしかない。



土曜日の日中は、まだ開庁日と思われて
いた頃なので、多くの電話が市民から
掛かってきます。



それに対応しながら、相手の言い分を聞き
担当課を探り出す作業を行う僕ら警備員。



守衛室にはもう一人、警備員と組んで仕事
をしている守衛がいます。市職員のOBで
嘱託扱いです。



僕が水際で必死に防戦している時、守衛は
知らん顔。それを見ていた別用で出勤して
いた市職員はこう漏らしました。



「何だこの勤務態度は。給料取り上げろ」



クレームは本題から外れたところで話が大きく
なります。上記のような守衛の粗相も怒りの
導火線になりうる訳です。



幸いにして別用で出勤してきた職員氏の
機転で、いち早く担当課につなぐことができ
事なきを得ました。



こればぐずぐずして時間がかかるようだと、
相手の怒りが爆発して事が大きくなっていた
に違いありません。



クレームは初期対応が重要ですが、知識や
応対スキルよりも、真摯に業務に向かう姿勢
が大事です。



それを見せながら、警備員は市職員とは違う
立場で仕事をしていると、理解してもらう。



今思い返しても、緊迫したシーンでした。
一触即発の危機であったのです。



第一、閉庁している土曜日に守衛室まで
直接乗り込んでくるクレーマーは気合が
入っています。



守衛氏も正規職員時代から長年従事してきた
のですから、緊急性は分かっているはずなのに。



下手をすると身内に足を引っ張られる形で、
クレーム対応で守衛室が問題アリと、体制側
から糾弾され炎上の的になったかもしれません。



特に閉庁日は、守衛室が唯一の対応窓口に
なるのですから、一つ対応を間違えれば
大きな問題に発展する恐れがあります。



悪質なクレーマーは、深夜・土日など体制の
薄い所を狙って来るものです。そこを任される
警備員の責任は重い。



そんな中、大きなトラブルもなく勤務をこなす
のはすごい事なのです。自信をもっていい。



業務に真摯に向かう姿勢、もっと言えば人間性
が問われる場面であったのです。と同時に周囲
の助けがあってこそ乗り越えられた事案でした。
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亡社のイージス
かつて10年ほど警備業界で従事してきましたが 限界を感じ、同業界を去りました。 今は港湾施設保安職員として、港湾管理業務に従事しています。
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