2018年11月08日

戸沢氏の居城 新庄城のなごり 

つわものどもが夢の跡
山形県新庄市の城跡を訪ねました。出羽新庄藩主歴代の居城です。

<本丸表御門跡>
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現在は石垣のみです。

■江戸初期の築城■
城が築かれたのは1624年。出羽新庄藩の初代藩主となった戸沢政盛が築城者ということになります。ただ縄張りは義兄にあたる山形城主の鳥居忠政。1622年に最上家が家中騒動の不始末を理由に改易されると、旧領は徳川幕府の重臣・鳥居忠政とその縁戚に与えられました。鳥居忠政は最上家が去ったあとに城下町山形の基礎を築いた人物です。そしてその妹が戸沢政盛の正室。そんな関係です。最上家は57万石でしたから、鳥居忠政が如何に大物かわかりますね。

新庄藩6万石の藩主となった戸沢政盛は、当初は、最上氏の家臣・鮭延氏の居城(真室城または鮭延城)を居城としましたが、こちらは戦国時代の山城のため、統治には不向き。更に手狭ということもあり、新たに城を築くことになりました。これが新圧城の始まりです。

■縄張り■
方形の本丸の南側に二の丸を配置した上で、三の丸でそれらを取り囲む。構造としてはシンプルです。分類すると輪郭式の平城。当初は天守も築かれましたが、早い時期に火災で焼失。以降築かれることはありませんでした。

<水堀>
sn284ad.JPG

■名族戸沢氏■とざわし
戸沢氏の発祥については諸説ありますが、桓武平氏の流れを組む名門一族と考えられています。祖は平衡盛(ひらもり)。出羽国にて勢力を拡大しました。戦国期になると、戸沢氏は出羽角館城(現在の秋田県仙北市)を拠点とする小大名となっていましたが、18代当主・盛安の代で再び勢いを取り戻します。盛安は若くして没してしまいましたが、その子・政盛が関ヶ原の戦いで東軍に与していたことから、再び運気に恵まれました。やがて新庄藩初代藩主となった政盛は、新田開発などを積極的に推し進め、藩の基礎固めをしました。
その政盛の後を継いだ正誠(まさのぶ)ですが、新庄藩の第2代藩主として約60年にわたり統治に関わることになります。長期政権ならではの政策や城下町整備の推進などで藩政を安定させ、新庄藩の最盛期を迎えることとなりました。
その後も戸沢氏が代々藩主を務める新庄藩は、江戸を通して存続します。その間、他の藩に漏れず飢饉や財政難といった苦しい時代もあり、更に戊辰戦争にも巻き込まれましたが、藩そのものは廃藩置県で新庄県となるまで続きました。
新庄と戸田氏は、きっても切れない関係という感じですね。

■新庄城焼失■
戊辰戦争の時、新庄藩の藩主は第11代の戸沢正実でした。奥州列藩同盟から離脱したことで庄内藩に攻め込まれ、新庄城の大半はこの時に焼失しています。城下も甚大な被害を受けました。ただ奥州列藩同盟からの離脱は、勝者となった新政府軍から評価され、功績として称えられています。


■つわものどもが夢の跡■

<戸澤神社>
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創建は明治になってから。旧領民の有志によって本丸跡に創られました。代々藩主を務めた戸沢氏の祖・戸田衡盛、中興の祖とされる新庄藩初代藩主・戸沢政盛、そして最後の藩主となった戸沢正実を祭神とする神社です。

戸沢氏で始まり、戸沢氏で幕を引いた城跡に鎮座する神社です。

-----■新庄城■-----
別 名: 沼田城
築城者: 戸沢政盛
築城年: 1624年
城 主: 戸沢氏
廃城年: 1868年
現 況:最上公園
[山形県新庄市堀端町]



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タグ:山形への旅
posted by Isuke at 21:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[東北]
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