たのしい演劇

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シュタイナー神秘劇4「魂の目覚め(上梓:1913)(劇中年代設定:1924)」
反ユダヤ主義の背景 58

ドイツのオカルト文化と疑似科学による人種理論38

優生学01

アグネス.ブラーム
Agnes Bluhm (1862 – 1943) ドイツ.医師
ドイツ女性は優生学に則り　ドイツ民族を改善できる　と信じ活動した

トルコのイスタンブール生れ
大学で医学を学ぶ傍ら
1886　ニーチェのサークル参加
　　　　メタ.ボン.サリス (1855 –1929.スイス女性初博士号.フェミニスト.ドイツ民族と人種主義)
　　　クララ・ウィルデノウ(1856–1931.ドイツ初女医.レズビアン)
　　　　　と共に

　　　アルフレッド.プロッヅと交友.婚約は破棄されるが　その共通する優生学思想で生涯の友

1890　当時ドイツ大学は女医資格をみとめておらず
　　　彼女たちはスイス.チューリッヒで医学を学んだ　
　　　　メタ.ボン.サリス 等と　ベルリンに婦人科専門医院開設

1906　ドイツ人種衛生学協会入会

1918　耳を患い　臨床をやめ　「優生学」研究に専念.
　　　　ロックフェラー財団の支援を得　「飲酒癖と遺伝の関係」を研究.
1936　『女医の為の人種衛生学』刊行


アグネスの女性観：
　　女性の役割は　人間性を向上させるために生殖を担う
　　喫煙した女性の妊娠率が低いことを示す研究により　女性の喫煙を強く反対
　　女性は自我の解放を求めず　善き母であることを務めとすべし
　　　　故に女性は専門職に従事すべきでない

彼女が女医となったのは　女性心理を読み解き
　自らの性は　女性たちを啓蒙する　人種衛生学者　として選択されたと　云う



ヒトラーはゲーテ賞をアグネスに授与　
　受賞した女性たちは　女優や歌手ばかりで　女性科学者は彼女一人であった




次回へと続く


と　たのしい演劇の日々

シュタイナー神秘劇4「魂の目覚め(上梓:1913)(劇中年代設定:1924)」
反ユダヤ主義の背景 57

ドイツのオカルト文化と疑似科学による人種理論37

優生学00

アルフレッド.プロッツ
Alfred Ploetz (1860 –1940) ドイツ 医者.優生学.生物学.人種衛生学専門

中等教育の時期
　ゲアハルト・ハウプトマン (1862 –1946.ノーベル文学賞.戯曲（1912）) の弟と交友関係を持ち
　社会主義の影響を受ける

1879年　 秘密の人種差別主義青年共同体発足

1880年　ヴロツワフ大学（ 1702設立ポーランド）政治経済を学ぶ
　　　　　自由科学組合入会　ヘッケル【9/20詳細】.ダーウィン【9/3詳細】を研究
　　　　　組合員：アウグスト・ベーベル(1840 – 1913.ドイツ社会主義者) の後の娘婿.
　　　　　　　ハウプトマン兄弟.
　　　　　　 .チャールズ・プロテウス・スタインメッツ (1865–1923.数学.電気工学者)

1883年　スイス.チューリッヒ へ　社会主義者鎮圧法(1878–1890) の下
　　　　
　　渡米.　帰国後チューリッヒで　医学を学ぶ

1886年-　アグネス・ブルーム(1862 –1943.ゲーテ賞「女性の為の優生学」ヒトラー贈呈）
　　　　　を含み　他3人の女性と交際.
（この女性関係をハウプトマンは戯曲『日の出前』ベルリン初演（1899）
　キャラクター：ジャーナリスト .婚約者の血統を理由に婚約破棄のモデルはブロッツ）

1895年　　『人種衛生の基本刊行

1904 年　定期刊行物発刊『人種と社会生物学の記録』
　　　　　　 フリッツ.レンツFritz Lenz(1887-1976.ナチスの遺伝学者) を編集長に　　　

1905年　ドイツ人種衛生学会　発足　1907年には国際学会へ

1930年　ミュンヘン大名誉教授就任

1933年　「ヒトラーは民族/人種衛生学を国家の主要命題に据えると信じる」　との記録あり

1936年　「人口と人種政策に関する専門家諮問委員会」の教授にヒトラーより指名を受ける

1937年　ナチ党員へ

プロッヅのユダヤ人種観：
　ユダヤ人は欧州人に次ぐ高い文明を生んだ民族
　アーリア人とユダヤ人の間に人種特徴の大差はなく
　人類精神の発達可能性と文明発展におけるユダヤ人の役割において　人種混合は不可欠だ　

更に　イエス.スピノザ.マルクス等の人類への貢献を　ユダヤ人種に認め　
　また人類は認めるべきで　反ユダヤ主義は　科学と人道により直に　消滅するだろう
　と記録にあるも　

　ナチが反ユダヤを掲げたことで　持論変更




次回へと続く


と　たのしい演劇の日々

俳優の錬金術/Alchemy of Actor 01

演技　俳優とキャラクター04「本物の嘘つき」

　映画評論家アントニア.クアークは 初めて
　両親が自宅テレビで見ていた映画に現れた俳優マーロン・ブランド( 1924 – 2004) を垣間見
　エクスタシーに　喘息の発作誘発　救急車を呼ぶ騒ぎになったのは　彼女が10歳の時だった

それ以降　彼女は映画俳優に取りつかれ　映画を見漁り　映画評論家になってしまう

彼女は　聴衆を魅了する演技とは何なのか　それはどうやって創られるのか　を解明しようと
　演技の歴史的進展/変化を調査もしている


そして一つ判明したことは
　俳優の演技は時代の流れと共に変化しても　批評家.観客が求めるものは同じ　
シェークスピアは俳優に　名状しがたい演技　を求め
　1740年代デビッド・ガリックDavid Garrick(1717 –79)  の演技は　真実　だと称賛された

若い世代の俳優は　その演技に　より信憑性を求めている

スタニスラフスキー(1863 – 1938) 近代演技の教義『An Actor Prepares/ 俳優の心構え』は
　現在でも演技法基礎としてある　そして　そこから
メソッド演技法.　マイケルチエホフ演技法は生れた
　メソッド演技（現在はもうすっかり廃れてしまった）は
　労働者階級のお粗末な日常を描く　台所演劇.演技の文化　戦後英国映画.演劇界を賑わせた　　

ところで　演技の自然主義/真実性　への渇望は益々高まるばかりなのだ

　超現実主義演技/真実性を超え真実な演技は　未来の演技か？

　果たしてそれは如何に獲得され　演じられるのだろう？　 と語る





或る俳優にとって

　演技はするものでない　キャラクターは創造されるのでなく　存在する

戯曲.物語.台詞を足掛かりに　素材を収集し　キャラクターとチャネリングを果す

俳優はキャラクターに今生の身体を提供する　

キャラクターが　俳優の身体を使い　今を生きるのだ　

俳優は　キャラクターをサポートし　必要に応じてコントロールを務める



と　たのしい演劇の日々

シュタイナー神秘劇4「魂の目覚め(上梓:1913)(劇中年代設定:1924)」
反ユダヤ主義の背景 56

ドイツのオカルト文化と疑似科学による人種理論36

アパルトヘイト政策01


アパルトヘイト政策へ向け　科学的調査を行ったカーネギー財団　当時の大統領　

フレデリック・ポール・ケッペル
Frederick Paul Keppel (July 2, 1875 – February 8, 1943) 米
1922-41年　カーネギー財団.大統領


教育者　慈善団体経営者
コロンビア大学
（1754設立.アイビーリーグ連盟大学.　
ジャーナリズム大学院にピューリッツアー賞選考委員会を持つ）学部長


父母はオランダ人.アイルランド人を祖先に持つ.　美術商

コロンビア大学卒

名誉博士号を
ピッツバーグ大学. ミシガン大学 （パブリック.アイビーの一校）
ハミルトン大学 . ユニオン大学（博愛主義の母と呼ばれる）
.カナダ.トロント大. オーストラリア.メルボルン大　より 授与

アメリカ赤十字社の海外事業フランス局長
.国際商工会議所米委員
レジオンドヌール勲章 受賞


南アフリカの「貧しい白人」存在
　その　経済的　心理的　教育的　健康的　社会学的調査を指揮　

報告書「南アフリカの白人問題：カーネギー委員会報告（1932）」
　は　貧しい白人の救済と白人としてのプライドを啓発する目的であり　その為に
　黒人.有色人種を社会的に差別する仕組みを　実際面で提供している





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と　たのしい演劇の日々

シュタイナー神秘劇4「魂の目覚め(上梓:1913)(劇中年代設定:1924)」
反ユダヤ主義の背景 55

ドイツのオカルト文化と疑似科学による人種理論35

アパルトヘイト政策00

「南アフリカの白人問題：カーネギー委員会Frederick Keppel (1875 – 1943)報告」（1932）
ニューヨーク・カーネギー財団 「知識・理解の発達と普及の為に(1911年設立)」

1890年代　白人労働者階級の躍進と　人種統合が進む中
　貧しい白人/自由奴隷同様の生活状態　存在に社会的関心が向く

ニューヨーク・カーネギー財団 会長であったケッペルは　現地リポートにより

黒人原住民に十分な経済的機会が与えられれば　脆弱な白人を凌ぐのは間違いない
　貧しい白人存在はすでに　南部アメリカでも問題でもあり
　「貧弱な白人」は人種的優位性の概念と相反する故　「科学的」調査が必要
彼は白人と黒人の間に確固とした一戦を引くことを願った　


委員会の報告書は

「貧弱な白人」現象の経済的　心理的　教育的　健康的　社会学的側面を網羅する
　
貧困層の白人労働者には「雇用保護区」を設置　また
　熟練の要する仕事は　白人労働者専属とすべきと勧告　と黒人の労働機会剥奪を促進

「貧弱な白人」救済措置を速やかに施行を
さもなくば　人種後退と異種交配により　悪しき結果を懸念

白人の人種的誇りの喪失に関する恐怖　特に
　「貧弱な白人」が「アフリカ化」のプロセスに抵抗することができない危険性を指摘

また　搾取に対する人種を超えた労働者の運動へつながらないよう　人種の差を強調し
　貧しい白人の元凶を黒人に仕向け　貧困による有色人種への敵対感情誘発　を指南

アパルトヘイト政策への下地作りは始まっていたが
　この報告書により
　白人権威維持と経済的有利を図るため　政府主導の社会制度が確立された

アパルトヘイト政策（1948-94）　白人種保護.涵養　黒人/有色人種排斥
　世界中から非難を浴びつつ　欧州/富側の権益主義で押し通された

1998年　国際刑事裁判所は　「アパルトヘイトを　人道に対する罪」として規定




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と　たのしい演劇の日々

魂より魂に伝う花09　子供たちの炎/Children’s fire

折々に受け取るメッセージ


子供たちの炎/Children’s fire


シャーマンたちはアメリカインディアンの深奥な叡智に学ぶ


あらゆる動物は　種の未来の為　子供たちへの投資が最重要であることを理解している　と


生命の象徴の世界に生息し　夫々個体は霊力への糸口を負わされている
　インディアンは　頭たちによる集会を司る焚火の中央で
　小さな炎が　耀きを失わない事を要求する

この炎こそ　子供たちの炎

　この炎の存在と維持こそ　生きとし生ける物　全が担うべき　法である

インディアンの頭たちによる評議会での決定事項は
　必ずや最後に　子供たちの炎　に図られねばならず

　子供を害する一切の取り決めは無効である　　


子供たちの炎は　霊的叡智であり
　人々に信仰/イデオロギーを求めるめるものではない　
子供たちの炎に心を傾け　洞察と智慧に感謝し
　それが実践されることのために　耀き放たれている　　と語る　





感謝

と　たのしい演劇の日々

シュタイナー神秘劇4「魂の目覚め(上梓:1913)(劇中年代設定:1924)」
反ユダヤ主義の背景 54

ドイツのオカルト文化と疑似科学による人種理論34

米国における奴隷制度の正当化04


南北戦争終盤を迎えながらも　疑似科学者は
　地勢と環境による人種差別を正当化し奴隷制度擁護論を　繰り返した

ナサニエル・シェーラー Nathaniel Shaler (1841 – 1906)
古生物学 地質学者　進化論を神学と.科学の含意で解説した


ハーバード大学.ローレンス科学学校(創設1847-)
　　　で ルイ・アガシーLouis Agassiz (1807 – 1873.人種論疑似科学者) に 学ぶ
1868-1906年　ハーバード大教授.古生物学.地質学

1873-1880年　ケンタッキー大.地質学調査所所長
1884年　米内務省所轄のアメリカ地質調査所研究員
1891年-　　ローレンス科学学校校長　
1895年　アメリカの地質学会会長

南国戦争（1861-65）では　北軍（奴隷制度廃止派）将校

人種論：
ハーバード大学出版誌「Man and the Earth(1905)」
異なる大陸の地勢と環境は　人類の知能と強靭さに結び付き　子孫へと受け継がれた
自然選択の基本は　好機.偶発.便宜　を　順序.目的.進展　の具現の為に合体し
　個々の有機体の運動を通して継承される

the Atlantic (1857-　社会全般解説誌 　評論掲載(1884)
「解放された奴隷についての問題点」
　迷子の子供のように　 彼らの動物的本性は解放される　
　子供の成長に　保護監督と教育が必要なように
　米の奴隷制度は　かつてなく　黒人にとって最も寛大で適切なシステムである

「アメリカの自然と人類」では
　　アーリア人種の起源を北欧/スカンジナビアに関連付け
　その地勢は人類発展の揺りかご　最強な人類を何千年と生み出した　と云う

最も強肩で可塑性のある人種が　北アジアの限定された条件下　スカンジナビア　で発展した

北アメリカ　広大.単純な地理的特徴　農業に不向きな気候　は
　偉大な人類の揺りかご　ではないが　より良い特性を有する人種に完璧に適合した
　北アメリカはアーリア人を先祖とするアメリカ人に独自の優位性を
　新しく粗野な地勢は　奴隷制度に理想的に叶っていた

米.濠.阿の地勢は　その先住民で明らかなように　偉大な人類を育むには適さない　

奴隷制度は米国にとって非常に有益だ　奴隷も　この制度により恩恵を受ける
富の迅速な蓄積 そして　自らの運命の制御

　南部アメリカは未開地へ放り込まれるであろう
　黒人種の適切な文明化は
　優秀な白人とのコンタクトとコントロールの如何によるからだ　と揺ぎ無い




次回へと続く


と　たのしい演劇の日々

シュタイナー神秘劇4「魂の目覚め(上梓:1913)(劇中年代設定:1924)」
反ユダヤ主義の背景 53

ドイツのオカルト文化と疑似科学による人種理論33


米国における奴隷制度の正当化03


1840年の国勢調査を正当とした　内務大臣/国務長官ジョン・カルフーン
John Calhoun (1782 –1850) 奴隷制度擁護派

第7代 アメリカ合衆国副大統領 1825-32　大統領第6代ジョン.クインシー.アダムス
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　第7代アンドリュー.ジャクソン　
第16代 アメリカ合衆国国務長官 1844-45　大統領第10代ジョン.タイラー
第10代 アメリカ合衆国陸軍長官 1817-25　大統領第5代ジェームス.モンロー
アメリカ合衆国上院議員.サウスカロライナ州 1845-50.1832-43


両親はスコット-アイランド.プロテスタント移民
1802年エール大学（アイビーリーグ属す名門大学）
知的好奇心旺盛で修辞学に長けるカルフーンを
　当時の学長ティモシー・ドワイトTimothy Dwight (1752 – 1817)は 
“君は詭弁に勝る原理を愛さないようだ　不運にも錯誤に取りつかれている”
と忠告を与えている

リッチフィールド法科学校Litchfield Law School1773-1965  米初の法学高等研究機関で学び　
1807年　サウスカロライナで法曹家デビュー　弁舌家のカルフーンは腕を振るう
しかし　ある種の欠損者　としての印象を拭えない　と彼の伝記は語る

カルフーンの奴隷制度擁護
奴隷保有が文明人の証であった社会で育ったカルフーンは
　その道義に一抹の疑念も無い
そして　奴隷制度こそが　アメリカの夢/アメリカンドリーム　成功の鍵　
であると確信していた

白人エリート至上主義者　人種は優勢な白人　劣勢な有色人種の　2種を起源とすると信じる

1837年　南部.政治家も奴隷制度を「必要悪」と表現し始める中
「建設的福利」 だと言い換え　押し通した

米政治家　偉大な三人衆.の一人と呼ばれ
また　5人の偉大な上院議員の一人
（ケネディJohn.F.Kennedy (1917–63.第35代米大統領1961-63.上院議員時代1957.カルフーンを指名）
である

ある批評家はカルフーンを　こう云う
政治家はマスコミと有権者をとりこみ
　目先の人気と次の選挙とカバンを満たす現金がターゲットだ

常套な歴史家は　州の権利（合衆国に対し）と奴隷制度を擁護してきたカルフーンは
　歴史のゴミ箱に永遠に残るだろう と云う　
何故なら彼は為政者だったから　為政者は人々の将来と福利を長い目で捉え
　此れこそ真実であると喧伝するものだ
　たとえ市民は誰も耳を傾けなくとも　


次回へと続く


と　たのしい演劇の日々

シュタイナー神秘劇4「魂の目覚め(上梓:1913)(劇中年代設定:1924)」
反ユダヤ主義の背景 52

ドイツのオカルト文化と疑似科学による人種理論32

米国における奴隷制度の正当化02

1840年米国国勢調査　質問事項

1.　家長名
2.　住所
3.　自由白人男性と女性の人数
4.　5歳から20歳までの人数
5.　20歳から100歳までの人数
6.　100歳以上の人数
7.　6つの年齢分類下での　奴隷と自由有色人種の人数　
8.　人種別に聾唖者数
9.　人種別に盲人の数
10. 人種別に公的及び私的保護監督下にある精神異常者の数
11 .7つの職業階層に分別下での就労人数
12. 就学者と学術研究者の人数
13. 20歳以上の白人非識字者数
14. かつて軍事行動に従事した定年者の数




サミュエル・A・カートライト  (1793 – 1863) の
主人に具都合な行動をとる奴隷を　精神病と認定した後の　国勢調査

奴隷制度の有効性に統計結果を加え　奴隷制反対運動を抑え込んだ


奴隷制度反対派のエドワード.ジャービスEdward Jarvis (1803– 1884, 医師)
　1840年国勢調査の信憑性解明を　国の調査機関に依頼
　そして　無効性を示す調査結果を得　国に提出
　当時下院 議員だったジョン・クィンジー・アダムズ(第6代大統領.奴隷制度反対派)が受諾し 　が
　内務大臣ジョン・カルフーン John Calhoun (1782 –1850)奴隷制度擁護派は
　国勢調査は科学的知見の下に実施されたと強調
　反対派の調査結果を却下した


次回へと続く


と　たのしい演劇の日々

観劇　「地下道合戦/UNDERGROUND RAILROAD GAME」ソーホー劇場




制作：the Art Nova production/USA
作出演：ジェニーJennifer Kidwell & スコットScott R. Sheppard

初演ニューヨーク 2016　
 ニューヨーク.タイムズの優れた演劇25作品（公演1993年-2018年限定）

物語：欧米の汚点「奴隷制度」の結果として今の米欧を学ぶ

南北戦争/奴隷制度の賛否を賭けたクラス対抗戦
奴隷の人形を安全地帯に一つでも多く送る北組
　それを阻止する南組　の設定だ

(実はこのクラス対抗戦は実際米の学校で歴史学習として実施され
　 スコット/Scottはその体験を素材として用いた)

仕切りは　黒人の女先生　対　白人の男先生
観客は生徒役を振られ　南北二組に分かれる　

黒人側の傷は深すぎて今も癒えない　
白人にとってそれは大変な負い目である　しかし黒人の傷みは永遠に共感されそうもない
　この黒と白のギャップは天文学レベルなのだ

その埋まらないギャップへ物語は挑む　と黒人対白人のSMへと発展
勿論　黒人がS　白人がM　でだ

俳優のヌードと暴力的性表現　は　観客への挑戦である


ある劇評家は　こう書いている

漠然とし乍らでも何だか楽しかったり
　或いは僅かばかりの刺激と物語の痕跡に苛つきながらも
　何故劇場へ　こうも通うのかと　問うてみる

劇場は時に　思いもやらない　不愉快な真実を物語り
　しかも　一時それを我々は観客席に居て共有する
それは映画程現実的でなく　文学程個人的でなく
　詩やダンスよりストレートに誘発し挑戦する と


さて75分の物語　勝敗は
　"歴史は再確認された" と教師は明るく揃って発表
　観客巻き込み「共和国の戦いの賛歌」合唱
　　試みには心打たれるも虚しさは消えない　空っぽで重い空気に包まれながら.....



と　たのしい演劇の日々