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2024年12月15日

受け継がれるフセギ行事(岩槻区)尾ヶ崎八幡神社

当ブログでは、過去に何度か『道切り』という習慣をとりあげさせて頂きました。

道切りとは?はやり病や悪霊などが入ってこないように、村の出入り口に縄を張ったり、札を掲げたりする習慣のことです。呼び方は場所によって異なり『辻切り』『フセギ』という呼び名もよく耳にします。かつては日本各地で行われていた習慣ですが、いまとなっては伝承されている地域は少なくなっています。

<尾ヶ崎八幡神社>おがさき
Ogasaki-Hachiman-Shrine-Gate.JPG
こちらは岩槻区尾ヶ崎の八幡神社です。私は源義家ゆかりの地として訪問しました。奥羽征討途上の義家が、この付近で軍扇を桑の木に立てかけ戦勝を祈願したという話が伝わっています。現在の岩槻区笹久保では軍扇を、ここ岩槻区尾ケ崎ではその桑の木の株をそれぞれご神体として八幡神を祀ったとされています。

<八幡宮>
Ogasaki-Hatimanjinjya-Plate.JPG
武運の神として崇拝される八幡神を祀る神社です。ただよく見ると、八の文字だけちょっとユニークですね。これは鳩をイメージしているそうです。ここでは、鳩は八幡様のお使いとされています。

<参道>
Ogasaki-Hachiman-Shrine-Worshippers-Path.JPG
源氏の棟梁となった源義家ゆかりの神社。義家ゆかりの地はたくさんありますが、その多くが進軍ルートであったり、それぞれに伝わる話があるので興味深いです。

<拝殿・本殿>
Ogasaki-Hachiman-front-Shrine.JPG
Ogasaki-Hachiman-Main-Shrine.JPG
参拝をすまし満足したので、あとは一通り境内を見て帰るつもりでいました。

しかし
設置されている説明板で足が止まりました。

<説明板>
Ogasaki-Hachiman-Shrine-Explanation-Board.JPG
あれ…この注連縄と飾りは道切り?

ここ尾ヶ崎では、疫病除けのための夏祈祷が毎年行なわれているようです。説明板にはその詳細が記されています。

<写真拡大>
Ogasaki-Fusegi-Event.JPG
これはいわゆる男根?

尾ヶ崎の疫病除け行事では、村境となる10ヶ所ごとにそれぞれ注連縄が飾られます。村の南鬼門にあたるところには特に大きな注連縄が張られ、男性のシンボルを模した飾りがぶらさげられます。

かつての日本では、村の境は疫病などの災いをもたらす神が出入りするところと考えられていました注連縄を張るのはその侵入を防ぐため。更に草鞋や草履をぶらさげる話もよく耳にしますが、尾ヶ崎では男根の飾りが供えられるようです。

フセギ行事が今もしっかり受け継がれているわけですね

ただ、時代の流れから、尾ヶ崎の伝統行事が途切れた時期もあったようです。フセギ行事は迷信。そういう考えが村人の大勢を占めるようになった結果です。しかし村内に火事や交通事故などの不幸が続き、再び行われるようになりました。

確かに、古くから続く慣習には根拠が曖昧と感じることものも多いです。しかし、実は重要なメッセージが込められていたなんて思うことも結構ありますよね。

ということで
武将ゆかりの地を訪ねてみたら、フセギ(道切り)行事が今もしっかり受け継がれていたという内容でした。


2024年も残すところ僅かとなりました。2019年以降に飛び交っていたコロナ禍という言葉を、最近は聞くことがなくなっています。確かに、一時の危機的な状況は脱していることを実感します。

ただ、コロナそのものが撲滅されたわけではなく、今も感染してしまったことで、日々の生活に支障をきたす人が多数存在しています。最近の報道では、コロナの感染症法上の位置付けが5類となって以降の1年間でも、3万人以上の方が亡くなっています。これはインフルエンザの約15倍に匹敵するとのこと。高齢者の割合が多いようなので、お年寄りと接する機会の多い人は、やはり配慮が必要です。

<境内>
Ogasaki-Hatimanjinjya-Bell-Tower.JPG
尾ヶ崎のフセギの行事が、一旦は途切れながら再認識されたように、意識を持ち続けることが大切なことのように思われます。過剰にならず、途切れることもないように。

2024年(令和6年)12月15日

■訪問:尾ヶ崎八幡神社
[埼玉県さいたま市岩槻区尾ケ崎]

-------------(追 記)-------------
<勝軍寺>しょうぐんじ
Syogunji-Temple-Gate.JPG
Syogunji-Temple-Saitama.JPG
隣接する勝軍寺にもお邪魔させて頂きました。神仏分離までは、歴史ある八幡神社の祭祀に深く関わっていたそうです。

<笹久保>
Bus-Stop-Sasakubo-Iwatsuki.JPG
帰りに笹久保を通過しましたが、義家の軍扇を祀ったとされる神社(篠岡八幡大神社)には立ち寄れませんでした。またこの付近に来ることがあったら、お邪魔させて頂きたいと思います。


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■参考・引用
・現地説明板
・猫の足あとHP
さいたま市の神社>尾ヶ崎八幡神社

https://tesshow.jp/saitama/saitama/shrine_iwa_ogasaki.html

-------------(参考画像)-------------
当ブログで紹介させて頂いた道切り(フセギ)関連の画像を貼っておきます。形や呼び名は地域により異なりますが、込められた思いは同じです。

Kawa-Fusegi-Michikiri.jpg
[上尾市大字川]

Hōjidonofusegi-tsujifuda.JPG
[川越市笠幡]

Kohnodai-Michikiri-Snake-Village-Entrance.JPG
[市川市国府台]
タグ:道切り 埼玉
posted by Isuke at 20:30| Comment(0) | TrackBack(0) | その他
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