<特別展>
鷹のおでまし ―鷹狩の美術―
当ブログでも「鷹狩り」という言葉を頻繁に使っていますが、実は漠然としたイメージだけで、それについて深掘りしたことはありません。特別展にお邪魔したくらいで全て分かったとはいいませんが、ほんの少しだけ知識が深まったような気がします。
鷹狩りは鷹を使う狩猟。飼いならした鷹を野山に放ち、獲物を捕らえます。ただ、鷹を所有し続けるには手間もおカネも必要です。鷹狩りそのもので暮らしを成り立たせている人は別として、道楽でやれる人は、ほんの一握りの権力者に限られます。
<館内>
展示物の大半は撮影不可ですが、撮影可のエリアもありました
展示されている絵画の大半は、鷹が権力の象徴であることを背景として描かれています。実話を描いたものからメッセージが込められているものまで、表現はそれぞれ異なります。美術品としての評価は私にはできませんが、鷹や鷹狩を通じて垣間見える歴史は、大変興味深いものでした。
<鷹>
ひとくちに鷹といっても種類はたくさんあります。タカ科のうちイヌワシやオオタカ、そしてハヤブサ科のハヤブサなどが鷹狩りに利用されたようです。なんて知ったかぶりも恥ずかしいので正直に言うと、ハヤブサもタカ科と思っていました。というか、猛禽類は全て鷹の仲間というイメージです。
ちなみに、鷹狩りに関する日本最古の記録は『日本書紀』に記された仁徳天皇時代のものとのことです(355年)。その時の鷹を調教したのは百済の帰化人ですので、鷹狩りそのものは大陸から伝わったものです。朝廷・貴族の鷹狩りは、日本風に発展し、やがて武士にとっての権威の象徴となりました。
---------■ 参考画像 ■---------
<太田道灌像>
[日暮里駅前広場]
道灌が颯爽と馬で駆け抜ける銅像。戦ではなく鷹狩りの最中です。
<徳川家康像>
[駿府城本丸跡]
左手に鷹を載せる徳川家康像。まさに鷹は権威の象徴です
武士の世の中も環境はめまぐるしく変わるので、鷹狩りが持つ意味も、それぞれの時代で異なるのかもしれませんね。
<歴史と民俗の博物館>
とても有意義な時間を過ごさせて頂きました。
■特別展
鷹のおでまし ―鷹狩の美術―
2024年10月12日〜11月24日(終了)
■訪問:
埼玉県立歴史と民俗の博物館
[埼玉県さいたま市大宮区高鼻町]
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■参考
・埼玉県立歴史と民俗の博物館
(特別展説明文)
・Wikipedia:2024/12/12
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