アフィリエイト広告を利用しています

2019年05月01日

川越城 中ノ門堀のなごり

つわものどもが夢の跡
今回は宅地化が進む川越に残る『城のなごり』です。

<堀のなごり>
shirononagori330 (9).JPG
関東屈指の名城のなごりです。

■中ノ門堀跡■
<入口>
shirononagori330 (5).JPG
ここですね。入口はあまり目立ちません。川越市役所前の本通りを東へ(本丸御殿方向へ)進むと到着できます。川越駅からバスの場合は、「札の辻」で下車すれば、そこから5分程度です。

<川越城中ノ門堀跡>
shirononagori330 (11).JPG
開園時間は午前9時から午後5時とのこと。念のためですが無料です。

<見学広場>
shirononagori330 (7).JPG
門をくぐると視界が開けます。

<説明板>
shirononagori330 (1).jpg
詳細な説明がなされているので、予習しなくても大丈夫。実際には三本の堀を工夫した防御施設だったようです。そのうちの一つを整備し直したわけですね。説明によれば、堀の側面の勾配が手前と奥とでは異なるようですね。

<傾斜の違い>
shirononagori330 (10).JPG
なるほど。右側から左側に攻めると思って見て下さい。堀の傾斜は城壁がある側が60°、手前は30°とのこと。攻め手は切り立った堀、そして設けられた城壁により、堀を越えることは容易ではありません。城壁の四角い穴は狭間(さま)です。そこから飛び道具で狙い撃ちされるわけですね。狭間の向きが逆のような気もしますが、まぁ雰囲気的にOKです。


■川越市役所■
ところ変わって
こちらは川越市役所です。

<市役所と太田道灌像>
shirononagori330 (2).JPG
中ノ門堀の西側に位置する川越市役所。手前は太田道灌像。

<ヤマブキの枝>
shirononagori330 (12).jpg
この太田道灌像、左手に弓、右手は矢ではなくヤマブキの枝です。山吹伝説にちなんだ姿ですね。川越城は道灌と父道真による築城から始まると考えられています。

<縄張り図>
shirononagori330 (3).JPG
市役所にはこんな分かり易い縄張り図も展示されています。立派です。これは川越城の完成形ですね。太田道灌もびっくりの城ではないでしょうか。川越市役所はむかしの西大手門跡に位置しています。

<縄張り図に加筆>
shirononagori330pt.jpg
縄張り図に加筆させて頂きました。青丸が現在の市役所。つまり西大手門赤丸中ノ門堀です。西大手門を突破して攻め込んできた侵入者は、中ノ門掘に行く手を阻まれるというわけですね。曲輪で説明すると、西大手門から外曲輪へ侵入した敵兵は、中曲輪の手前で中ノ門掘に邪魔をされる。中曲輪の先は三ノ丸・二ノ丸と続きますので、本丸は遠いですね。

中ノ門堀の役割、ご理解頂けましたでしょうか。


今回訪問の中ノ門堀が造られたのは江戸時代。1639年(寛永16年)に藩主となった松平信綱による川越城大改修の時と考えられています。松平信綱は初代川越藩主、そして老中を務めて将軍家を支えた知恵者です。松平伊豆守という呼び名の方が有名ですかね?「知恵伊豆」の異名でも知られています。まだ戦国期の余韻が完全には消えていない時期です。何が起きるかわかりません。戦いを想定し、知恵を絞って考えたのかも知れませんね。
やがて明治となり、城の建物は解体され、堀のほとんどが埋められてしまいました。その後さらに都市開発が進んだ川越にあって、中ノ門堀跡はかつての『城のなごり』を感じられる貴重な場所です。多くの人が訪れる本丸跡から少し離れているせいでしょう。あまり訪問者は多くありません。当ブログがきっかけで、ちょっと足を運んでもらえると嬉しいですね。

<つわものどもが夢の跡>
sn330ad.JPG
敵の本丸への直進を阻むべく設けられました。どんなつもりだったのか。それが分かると、同じ景色も違ったものに映ります。

■訪問川越城中ノ門堀跡
[埼玉県川越市郭町]1-8-6


お城巡りランキング
タグ:埼玉
posted by Isuke at 23:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 城跡[埼玉]
この記事へのコメント
コメントを書く

お名前:

メールアドレス:


ホームページアドレス:

コメント:

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバックURL
https://fanblogs.jp/tb/8771010
※ブログオーナーが承認したトラックバックのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
検索
記事ランキング
[アクセスランキング]
  1. 1. 上杉謙信の軍旗 毘沙門天と懸かり乱れ龍
  2. 2. 真田の城 上州沼田城
  3. 3. 刑場近くの橋のなごり 泪橋と思川
  4. 4. 高遠城のなごり
  5. 5. 関東の連れ小便・政宗白装束の舞台 (石垣山城)
  6. 6. 矢之門から帯曲輪へ(白河市)小峰城
  7. 7. 小峯御鐘ノ台大堀切のなごり(小田原城)
  8. 8. 火の玉不動 大宮宿の水路と刑場のなごり
  9. 9. 金沢城のなごり
  10. 10. 大石内蔵助 終焉の地 細川家下屋敷跡
  11. 11. 暗渠と城跡34 渋取川と蓮上院土塁(小田原市)
  12. 12. 高天神城のなごり
写真ギャラリー
カテゴリーアーカイブ
プロフィール
Isukeさんの画像
Isuke
もともとは無趣味の仕事人間。土日は家でゴロゴロ。本ブログは、そんな男が急に城跡巡りに目覚め、てくてくと歩き始めた記録です。
プロフィール
X (Twitter) Twitter-Isuke.JPG Isuke@shirononagori
最新記事

お城巡りランキングに参加中 [参加させて頂いた雑誌]

アクティブライフ・シリーズ009 クルマで行く 山城さんぽ 100【電子書籍】[ 交通タイムス社 ]

[当サイトお勧め本]

小説 上杉鷹山 全一冊 (集英社文庫(日本)) [ 童門 冬二 ]


感想(39件)