2010年03月27日
毒についての抄書
「私には、春も秋もなかった。乾いた、燃えるような悲しい、辛い一切を啖い(kurai)盡す夏が あっただけだ」、「毒は簿めねばならぬ。批評文とは薄めた毒だ。」(サントブーヴ)
今世の中に出回っている媚薬や私達を助けてくれている道具や必需品の多くは、もとをただせば「毒」からできているものが多い。これを薄めることによって使用可能なものに変えている。
身近なもので見てみよう。
医薬品からみると、キンポウゲ科の多年草で、日本全国に様々な種が存在し、15にも及ぶ毒成分、世界四大毒及び日本三大薬草のひとつで、知る人ぞ知る世界トップクラスの毒草「トリカブト」を皆さんご存知でしょう。
山菜の本には必ず掲載されている。症状は腹痛、下痢、不整脈、呼吸麻痺、嘔吐、頭痛、眩暈を起こし、中毒事例も数多く報告されている毒草なのだが、切り傷や胃のしこり、寒熱による痺れ、風邪、関節痛などの漢方薬として使われている。
(ちなみに医薬品の英語名は、pharmaceuticalですが、medecineという言葉の方が、一般にはよく知られている。Medici と cin に分かれるのですが、cin は、毒とか、殺すという意味のようです。十字軍の要人を執拗に暗殺しようとした教団から暗殺という言葉が生まれたようです。菌を殺す毒、がんを殺す毒、ということで、語尾にシンがついています。シリンといって、ペニシリンなどの呼び名にも使われます。
一方Medici って、なんでしょう。
名前の通りです。あの有名な、メディチ家の名前そのものです。医薬品の俗称、medicine とは、メディチの毒、メディチが殺すという意味を語源としているようです。「リア王」の中で、政敵を消すため、耳の中に毒液を垂らすシーンがあります。あれこそ、Medicine なのですね。 ああやって、大きくなっていったのですね、メディチ家は。)
話がそれましたが、まんざら毒に関係がないわけではなくて毒は医学の進化にも、権力の統制にも関係しているのですね。
もっと身近な化粧品なんかにもありますね。香水にジャコウネコの肛門まわりの分泌物を使うというけど、それでもウ○コなんでしょ?
更に、自然界最強の猛毒といえば、ボツリヌス菌の作り出す毒素だろうと言われる。あの食中毒の原因菌が、そこまで強い毒を出すとは、俄には信じられないかも知れない。しかし、よく考えてみれば、目に見えない大きさの体から出される量の毒素で、死に至るかもしれない程重い症状を引き起こすのだから、非常に強い毒であるというのは理解できるだろう。ちなみに、25gで人類を殲滅できるらしい。
青酸カリなら、100人前後といった量なのに。ところがこのボツリヌス毒素は美容医療の為に使われているという。「シワ伸ばし」に使う。この毒素は、神経毒で弛緩作用があるので、皮膚が緩みシワが伸びるという仕組み。わからないもんですね。
我々の食卓に挙がる「豚肉」もその仲間だ。木村尚三郎先生によれば、古来イノシシとは「猪ノ獣(ヰノシシ)」のことで、シカの古名「鹿ノ獣(カノシシ)」に対応する。鳴き声の違いで区別されたようだ。古来最も美味とされた。中国語で猪と書けばブタのことであり、野猪(やちょ=イノシシ)を飼いならした家猪(かちょ)がブタである。
そういえば狼を飼いならした犬も毒を薄めた類だ。我々の精神生活に大いに貢献してくれている。
日常生活でも、太陽の光は薄めなければ使えない。直接見るだけで目をやられてしまう。そんな強烈な身を焼きつくす毒も、薄めて使えば調理にも、発電にも暖房にも使える。
では世間や仕事で見てみよう。
こんな世の中でも、対人関係において、部下や友人や家族を苦しめ果てはノイローゼにまで落としめてもなお何とも感じていない上司や友人や家族もいる。彼らが持つとんでもないその毒は、周囲をやたら構わず傷つける。多くは「触らぬ神にたたりなし」でやり過すしかない。そうなのだ彼らの毒は神なのだ。しかし、多くはその毒はとてつもない能力を持っている。スピードを持っている。頭の回転も速く、彼のやること、言うことにもっともなことも多いのだ。押しが強くて決断力も持っている。
又芸術家と呼ばれる人たちは、あちら(There)とこちら(Here)との間に怖がりもせず、ずかずかと入って行き、そこから魂の拠りどころを捕まえてきてくれる(=創作活動)こともある。役には立っているのだ。彼らが少しでも弱みを見せると、寄ってたかって皆でいじめを始める。自分に無いものを持っているから。だからそれは強さとひ弱さの紙一重の違いなのだ。
あなたも身近に、困っている毒があれば、どう薄めるかチャレンジしてみてはどうですか?
それでも余りに強烈で、こちらの身を滅ぼす危険があれば「三十六計逃げるにしかず」ですよ。くれぐれもタイミングを間違わないよう。健闘を祈る。
今世の中に出回っている媚薬や私達を助けてくれている道具や必需品の多くは、もとをただせば「毒」からできているものが多い。これを薄めることによって使用可能なものに変えている。
身近なもので見てみよう。
医薬品からみると、キンポウゲ科の多年草で、日本全国に様々な種が存在し、15にも及ぶ毒成分、世界四大毒及び日本三大薬草のひとつで、知る人ぞ知る世界トップクラスの毒草「トリカブト」を皆さんご存知でしょう。
山菜の本には必ず掲載されている。症状は腹痛、下痢、不整脈、呼吸麻痺、嘔吐、頭痛、眩暈を起こし、中毒事例も数多く報告されている毒草なのだが、切り傷や胃のしこり、寒熱による痺れ、風邪、関節痛などの漢方薬として使われている。
(ちなみに医薬品の英語名は、pharmaceuticalですが、medecineという言葉の方が、一般にはよく知られている。Medici と cin に分かれるのですが、cin は、毒とか、殺すという意味のようです。十字軍の要人を執拗に暗殺しようとした教団から暗殺という言葉が生まれたようです。菌を殺す毒、がんを殺す毒、ということで、語尾にシンがついています。シリンといって、ペニシリンなどの呼び名にも使われます。
一方Medici って、なんでしょう。
名前の通りです。あの有名な、メディチ家の名前そのものです。医薬品の俗称、medicine とは、メディチの毒、メディチが殺すという意味を語源としているようです。「リア王」の中で、政敵を消すため、耳の中に毒液を垂らすシーンがあります。あれこそ、Medicine なのですね。 ああやって、大きくなっていったのですね、メディチ家は。)
話がそれましたが、まんざら毒に関係がないわけではなくて毒は医学の進化にも、権力の統制にも関係しているのですね。
もっと身近な化粧品なんかにもありますね。香水にジャコウネコの肛門まわりの分泌物を使うというけど、それでもウ○コなんでしょ?
更に、自然界最強の猛毒といえば、ボツリヌス菌の作り出す毒素だろうと言われる。あの食中毒の原因菌が、そこまで強い毒を出すとは、俄には信じられないかも知れない。しかし、よく考えてみれば、目に見えない大きさの体から出される量の毒素で、死に至るかもしれない程重い症状を引き起こすのだから、非常に強い毒であるというのは理解できるだろう。ちなみに、25gで人類を殲滅できるらしい。
青酸カリなら、100人前後といった量なのに。ところがこのボツリヌス毒素は美容医療の為に使われているという。「シワ伸ばし」に使う。この毒素は、神経毒で弛緩作用があるので、皮膚が緩みシワが伸びるという仕組み。わからないもんですね。
我々の食卓に挙がる「豚肉」もその仲間だ。木村尚三郎先生によれば、古来イノシシとは「猪ノ獣(ヰノシシ)」のことで、シカの古名「鹿ノ獣(カノシシ)」に対応する。鳴き声の違いで区別されたようだ。古来最も美味とされた。中国語で猪と書けばブタのことであり、野猪(やちょ=イノシシ)を飼いならした家猪(かちょ)がブタである。
そういえば狼を飼いならした犬も毒を薄めた類だ。我々の精神生活に大いに貢献してくれている。
日常生活でも、太陽の光は薄めなければ使えない。直接見るだけで目をやられてしまう。そんな強烈な身を焼きつくす毒も、薄めて使えば調理にも、発電にも暖房にも使える。
では世間や仕事で見てみよう。
こんな世の中でも、対人関係において、部下や友人や家族を苦しめ果てはノイローゼにまで落としめてもなお何とも感じていない上司や友人や家族もいる。彼らが持つとんでもないその毒は、周囲をやたら構わず傷つける。多くは「触らぬ神にたたりなし」でやり過すしかない。そうなのだ彼らの毒は神なのだ。しかし、多くはその毒はとてつもない能力を持っている。スピードを持っている。頭の回転も速く、彼のやること、言うことにもっともなことも多いのだ。押しが強くて決断力も持っている。
又芸術家と呼ばれる人たちは、あちら(There)とこちら(Here)との間に怖がりもせず、ずかずかと入って行き、そこから魂の拠りどころを捕まえてきてくれる(=創作活動)こともある。役には立っているのだ。彼らが少しでも弱みを見せると、寄ってたかって皆でいじめを始める。自分に無いものを持っているから。だからそれは強さとひ弱さの紙一重の違いなのだ。
あなたも身近に、困っている毒があれば、どう薄めるかチャレンジしてみてはどうですか?
それでも余りに強烈で、こちらの身を滅ぼす危険があれば「三十六計逃げるにしかず」ですよ。くれぐれもタイミングを間違わないよう。健闘を祈る。
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