5回予定の「Audio Home Theater Exhibition 2013 」詳細レポートの第1回目は「1.18F/研修室183:ソニー 11:30〜12:25 HAP-Z1ES試聴会」だ。記憶とメモを頼りに私が見聞きした内容を書き起こしているので間違いがあったらその時は勘弁して頂きたい。(敬称略)
「ハイレゾ音源の説明をするとお客様から『ソニーはいつ再生装置を発売するんだ』と言われてきました。遅ればせながら今回多くの関連装置を発売します。」と榎本氏から前置きの挨拶があり、一連の「Hi-Res AUDIO」製品の説明が始まった。
使用機材はHDDオーディオプレーヤーHAP-Z1ES(税抜21万円)、ステレオインテグレートアンプ A-A1ES(税抜21万円)、スピーカーSS-AR1(税抜85万円)×2本等だ。1曲目のスピーカーはSS-AC3(税抜8.8万円)×2本が使用された。
試聴曲は以下の6曲。
1)DSD2.8MHz「Forever Young/綾戸智恵」より「(曲名失念)」
2)DSD2.8MHz「A Rare Conundrum/バート・ヤンシュ」より「Looking For A Home」
3)96kHz/24bit「Two Against Nature/スティーリー・ダン」より「Gaslighting Abbie (Album Version)」
4)44.1kHz/16bit「Are We There Yet?/Sara K.」より「Turned My Upside Down」
5)DSD2.8MHz「ラフマニノフ:交響曲第2番」
6)DSD5.6MHz「BLUE IN GREEN/ JOSEI ACOUSTIC PIANO TRIO」より「Intro 〜 BLUE IN GREEN」
「今回ソニーがHDDオーディオプレーヤーという形態でHAP-Z1ESを発売するのはDSDとFLAC/WAV音源を一元的に管理出来る便利さを優先した為で、DLNAネットワークプレーヤーと方式の優劣を議論する気はありません。」
自動音楽転送アプリ「HAP Music Transfer」の使い方の説明後、「別ドライブに同じ名前のフォルダーがあった場合、別物としてコピーしてしまいます。」「Z1ESのHDD内の音源はコピーですのでPCの元データは削除しないでください。」と注意点が語られた。
「専用アプリHDD Audio Remote(リモート)はアルバムジャケット写真等のデータも持ち自己完結しています。Z1ESのHDDデータを読みに行かないのでこんなにサクサク動きます。」とそのミュージックリストのスクロールの滑らかさを実演して見せた。「アルバムジャケットに合わせてアプリの背景色が自動的に変わると言う遊び心もあります。」
「HAP-Z1ESは1TBのHDDを内蔵しています。HDDとSSDのどちらが音に良いか議論はしません。Z1ESは外付けハードディスクに対応していますのでSSDと思う方は、増設してお使い下さい。」
HAP-Z1ESの「DSDリマスタリングエンジン」はスタジオアナログマスターをDSDへアーカイブしている技術者が参加して開発したとのこと。現在常にON状態だが12月中旬のファームウェアアップデートでON/OFF切り替えが可能になる予定との話だ。
榎本氏が「貝山知弘先生を泣かせた男」とA-A1ESの設計を担当した佐藤氏を紹介した。「シンプルストレートを徹底して機能を削ぎ落し、そのコストを音質に掛けました。トーンコントロールやバランスコントロールといった機能が必要な方は他社の製品をお求めください。」と佐藤氏が説明した。
「ヘッドホンアンプはインピーダンスを3段階切り替えられますし、立派なスピーカーターミナルを備えておりしっかりと結線出来ます。」「A社はパワーアンプの容量負荷に対する発振止めのデバイスに高音質の物を採用していると謳っていますが、A1ESは削除して純度を高めました。」と音質へのこだわりを語った。
最後に榎本氏から「10/17(木)からmora〜WALKMAN公式ミュージックストア〜でハイレゾ音源の配信が始まりました。大手のレーベルも参加していますので売れると分かれば楽曲数は増えるでしょう。アクセス数も見ている筈なので、まずはアクセスして下さい。」とお願いがあり終了した。
DSD音源ではしっかりと録音スタジオの空気感が伝わってきた。先行する他社に劣らないハイレゾ音源らしい情報量の多い音だ。HDD搭載のマイナス点は殆ど感じられない。「DSDリマスタリングエンジン」でCD音源がDSD相当になるとは思えなかったが、ON/OFFを切り替えて比較試聴しないとCDに対する優位性は分からないだろう。(汗)
A1ESはアナログアンプなので話題性が無いと思っていたら、実は多機能とは背を向けた尖がった企画の製品と知り、ソニーがこんなアンプを作れるようになったのかと思うと嬉しくなった。(笑)
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