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安全地帯・玉置浩二の音楽を語るブログ、管理人のトバです。安全地帯・玉置浩二の音楽こそが至高!と信じ続けて四十年くらい経ちました。よくそんなに信じられるものだと、自分でも驚きです。
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2022年10月08日

『EARLY TIMES〜KOJI TAMAKI IN KITTY RECORDS』

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玉置浩二『EARLY TIMES〜KOJI TAMAKI IN KITTY RECORDS』です。1997年4月25日発売、玉置浩二初期シングル集ですね。アルバムに収録のないままだったあの曲やこの曲が収録されていまして、当時はおお懐かしいな!って感じでした。レコード会社も変わり路線も変更され「田園」の大ヒットにたどり着いた96年の翌年、なんだかひっそりと蔵出し的に発売された感じです。ひっそりですが、CD店の「た」のコーナーは欠かさずチェックしていたわたくし、もちろんすぐに手に入れましたとも。

1987年の「All I Do」から93年の「コール」まで六枚のシングルを、ほんとにただ何の工夫もなくAB面並べただけです。シングルコレクションってそういうものですけども、まあ、なんの編集意図も感じられません。これが色々順番を変えられると、時代の流れを曲とともに思い出すということができなくなりますので、これでいいのだと思います。

1.All I Do:
 ファーストシングル、シンセロックです。
2.Only You
 「All I Do」カップリング(B面)、安全地帯を思わせる美しいバラードです。
3.キ・ツ・イ
 セカンドシングル、リズムの強烈なハジけたロックで、ドラマ『キツい奴ら』テーマ曲です。
4.“Hen”
 「キ・ツ・イ」カップリング(B面)、意欲作の小品ともいえる実際ヘンな曲です(笑)。
5.氷点
 サードシングル、美しい三拍子のバラードです。「行かないで」のように後年大評価されるかも?
6.Will…
 「氷点」カップリング(B面)、わたくしこれが「STAR」などの系譜の最初だと思っております。
7.I'm Dandy
 4thシングル、安全地帯を思わせる一見なんてことないゴージャスなロックなんですが、後から『JUNK LAND』や『ニセモノ』が出たとき、ああ、こういうことがやりたかったのか!と重大な転機だと気づかされた気分になりました。90年代後半〜00年代玉置ソロの起点になる曲だとわたくし思っております。
8.Sendenfor
 「I'm Dandy」カップリング(B面)、これも当時はわたし的にはただの変な曲でしたが(笑)、のちの玉置ソロでそのリズムや言葉遣いにハッとさせられました。時を越えた宣伝法だったのか!
9.行かないで
 5thシングル、近年大評価されている号泣バラードです。『All I Do』収録の「Time」と並んで『あこがれ』の起点となった曲だとわたくし思っております。
10.スケジュール
 「行かないで」カップリング(B面)、A面「行かないで」が壮絶すぎたのでその雰囲気の違いにわたくしひっくり返りました。そう、玉置ソロシングルB面名物の変な曲です。これは後継となる曲が見当たりませんね。しいて言えば「不思議な夜」あたりの末裔にあたる曲でしょう。
11.コール
 6thシングル、またまた号泣バラードでまさに「行かないで」の後継でしょう。斉藤由貴さんと南野陽子さんのような関係です(わかる人にしかわからない)。
12.大切な時間
 「コール」カップリング(B面)の美しい、玉置さん作詞のかわいらしい、いじらしいバラードです。

イケイケだった87年の「All I Do」、そして安全地帯『月に濡れたふたり』を経て安全地帯活動休止のあった88年、そして日本では昭和が終わり平成になって、ホントに二、三か月おきにシングルリリースのあった89年(「キ・ツ・イ」、「氷点」、「I'm Dandy」、「行かないで」はすべてこの89年に出たのです)、わたくし玉置さん頑張ってんな―と思いつつも安全地帯の活動のないことになんともいえないさみしさを感じていました。89-90年冬のどこかで安全地帯活動再開の知らせがあり、『夢の都』のあった90年、『太陽』のあった91年、アコースティックツアーのあった92年、安全地帯の崩壊したこの時期を経て、「コール」を擁する『あこがれ』が出た93年……こうした時代の流れを、まさに曲によって時系列的に思い出すことのできるシングル集になっています。89年から突然93年にジャンプした感は否めませんけども(笑)。

あの頃

あの頃、90年近辺、世の中はアナログレコードがすっかり廃れてゆき、いちおうリリースはされているけれどもって感じで、メインはもうCDだったような記憶があります。当時のナウなヤングの音楽発信ステーションたるレンタルCD屋ではもうアナログレコードははじめから取り扱いませんって感じでした。レンタルレコード屋っていうのがまだ街にはあったのですが、CDの取り扱いを増やしてゆき、アナログレコードはどんどん捨て値で処分販売していました。そりゃそうです、数少なくなったアナログ派を相手に商売が成り立つわけがありませんから。アナログ盤をすっかり処分してからCDだけに切り替えようとしていたのだと思いますが、そのうちなぜかCDも処分しはじめ(笑)、わたしのようなハイエナに狩られつつひっそりと閉店していきました。TSUTAYAをはじめとする大量のCDとビデオのみに特化したチェーン業態には到底かなわなかったのでしょう。まさに栄枯盛衰、令和の現代ではそれらチェーン店もサブスクリプションサービスなどのまえに倒れてゆきましたが、当時はそんなことになるなどと思いもよりませんでした……。そんな時代の、アナログが消えてゆきデジタルに置き換わったあの時代の、そしてそれに伴い小売業界の業態、街の風景、若者たちの部屋の調度さえをも変えていったあの時代の流れを、しんみりと思い出させるシングル集になっています。

なお、この『EARLY TIMES』はどうも廃盤のようで、現在では「田園」ほかをつけ足した『アーリー・タイムズ・プラス』という企画の趣旨がぐちゃぐちゃになった(アーリーじゃなくなるじゃん!)アルバムが出ています。

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