さてこのベストアルバム、たんなるベストアルバムではありませんで、このアルバムでしか聴くことのできないものが含まれています。第一に、「FIGHT OH!」、いやそれヒットシングル「MR. LONELY」のカップリングだろ聴いたことあるに決まってるじゃねえかよとお思いになる向きもありましょうが、いえいえこの世の中にはめったにシングルを買わない層ってのがいるんですよ(あちき)。
【追記】わたくしこの「FIGHT OH!」が「田園」のカップリングだと思い込んでおりましたが、実は「MR.LONELY」のカップリングでした。訂正してお詫びいたします。
そして第二に「カリント工場の煙突の上に(Single Version)」、これもあちきのような層には初出です。第三に「花咲く土手に(New Recorded Version)」、これはわたしの知る限りほんとに初出です。三曲聴いたことのない音源が入っていれば「買い」でしょう。でしょうって言われたって一曲ずつデジタルで買うよって層はもちろんいるんだと思いますが、それはもう根本的にわたくし世代(の一部?)と考え方が違うのです。アルバム一枚2500−3000円、視聴コーナーもYouTUBEもないからどんな曲が入っているのかまるでわからない、えいっと思い切って買ってみる、だあー全部ハズレだ!ということが昔はよくあったのです。ですから、一曲感動できれば「当たり」であり「買い」だったんですよ。ハア?テレビとかラジオとか有線とかでかかっている曲でいい曲のシングル買えばいいじゃんって?いやいやいや、テレビとかラジオとか有線ってのは数を売るためのつまらない曲しかないし、それこそその程度のものはテレビとかラジオとか有線とかでかかったときだけ聴けばいいじゃないですか。どうせたいして感動しないし。とぼしい収入の中からそんなものに金を使う気なんてサラサラありませんでした。だからどんなにバクチでも、えいっとよくわからないアルバムを買うのです。その点このベストアルバムはいいですよ、聴いたことない音源で、感動可能性が高いものが三曲も入っています!現代だったら?あーそうですねえ……これまでの玉置ソロアルバムみんな持っているならその三曲だけデジタル音源で買うってこともあるかもわかりませんねえ。わかりません、だって買ったの98年でしたから。
さて、収録曲です。
1.田園
2.CAFE JAPAN
3.ROOTS
4.正義の味方
5.MR. LONELY
6.カリント工場の煙突の上に
7.花咲く土手に
8.STAR
9.ルーキー
10.FIGHT OH!
11.星になりたい
12.元気な町
13.JUNK LAND
14.メロディー
全十四曲、『カリント工場の煙突の上に』から三曲、『LOVE SONG BLUE』から三曲、『CAFE JAPAN』から四曲、『JUNK LAND』から二曲、『GRAND LOVE』から一曲、シングル「MR. LONELY」から一曲という構成になっています。『LOVE SONG BLUE』の先行シングルであった「LOVE SONG」は収録されない、あの大名盤『JUNK LAND』からはたったの二曲だけという、もうホントにこの時点で入れたいと思った曲を選んだとしか思えないアルバムになっていますね。ヒットシングルはちゃんと収録されていますけども、ヒットシングル集では決してありません。
「カリント工場の煙突の上に(Single Version)」はアルバム収録のものに比べて音量が大きめですがリバーブがそれほど効いておらずクリアで、さらにギターとボーカルがいくぶん控えめに収録されているように思われます。「花咲く土手に(New Recorded Version)」はまったく別のアレンジが施されており、歌詞も一部異なります(じゃがいもの白い花に、が入る)。でもなぜか当時からすでによく覚えている歌詞だったようなのです。これはきっと玉置さんがそのように歌った機会があって、そのどれかをわたくし聴いていたんじゃないかな、と思っています。【追記】コメントでおしえて頂いたのですが、「青い"なす"畑」ですでに登場してました。どおりで当時から聴いていた気がしたわけです。
玉置さんのベストアルバムというのは現代でこそ複数バージョンがあって収録曲も充実していますけども、私の覚えているかぎり当時において企画盤でないものはこれだけだったように思います。90年代後半、玉置さんのソロ活動がその最初の絶頂期にあったころの空気をよく感じられるよいアルバムであると、わたくし思っています。
価格:2,795円 |
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ちょっとずつ転調していくような感じが、、歌詞もなんかグッときます。( ´艸`)
「じゃがいもの白い花に」のほうが明らかにいいというか、アルバムでは「真白き百合を抱いて」と繰り返しの歌詞でしたから、ライブを繰り返しながら思いついたんですかね。アレンジはわたくしアルバムのほうが好きですが、これも演奏しながら変わっていくのが当たり前でしょう。
90年代後半はその時代の多くの若者と同様に、わたくし暗黒でした。暗黒のなか、玉置さんの歌は希望でしたね。