2018年12月24日
演劇が目指すもの16 ナティヤ.サストラ06 第4章「ラサ論」02
演劇が目指すもの16 ナティヤ.サストラ06 第4章「ラサ論」02
ナティヤ.サストラNāṭya Śāstra(サンスクリット演劇書) 500BCE -200CE
36章から成り 6000に及ぶ詩歌は舞台芸術を語る
Natya:演じる.代理 Shastra:纏め.技法.理論
ラサ/情趣:1流の板前により調理された美食に例える
客は視覚.嗅覚.味覚よりの刺激を通し
えも言われぬ 至福の時を堪能する
ラサ/情趣「恋情」 (śṛṅgāra)
ラサ/情趣「恋情」は潜在的感情の「愛欲」から発展する
その基本となる魂は 輝かしい装い
この世にある 白 純粋 鮮明 美 なるものは「愛欲」を含む
それは 男女 若々しさ を典拠とし また 結束 と 分離 を拠点に持つ
「結束」は
季節の変化を喜び 花々を愛おしみ 詩歌.音楽.装飾を楽しみ 愛する人との迎合
官能への誘因 華やかな邸宅 手入れに行届いた庭園とそこで過ごす時間 愛する人の姿に見惚れ
愛する人から囁かれる言葉に聞入り 戯れ合う 歓喜に満ちている
その為に 視線の描き 巧妙な眼の動き 微妙な眉毛の動き 柔らかく繊細な四肢
甘い言葉などを用い 満足感と喜びが表現されるべきだ
一方 対の概念である「分離」には
無関心 倦怠 恐れ 嫉妬 疲労困憊 思慕 眠気 眠り 夢 覚醒 病気 狂気
てんかん 無活動 失神 死 と云った負の心理要因が 含まれる
ラサ/情趣「恋情」はその起源を「愛欲」とするのに 哀れ が表される訳は
対い概念「分離」による
『Ars amatoria/愛の技法/The Art of Love(2CE ローマ帝政初期の詩人オイディウス作)』では
10種に及ぶ心理状態を解説するが それはラサ/情趣「悲愴」なのである
ラサ/情趣「悲愴」とは
呪いの下での苦悩 愛する者との別れ 富の喪失 死 捕虜による絶望の状態
一方 ラサ/情趣「恋情」 対概念「分離」により表されるのは
思慕と憂慮から生じる 楽観の維持である
なので 「分離」は
ラサ/情趣「恋情」での場合と ラサ/情趣「悲愴」の場合とで区別されるべきだ
更に云えば ラサ/情趣「恋情」には全てのラサ/情趣 を含みえる
次回へ続く
と たのしい演劇の日々
ナティヤ.サストラNāṭya Śāstra(サンスクリット演劇書) 500BCE -200CE
36章から成り 6000に及ぶ詩歌は舞台芸術を語る
Natya:演じる.代理 Shastra:纏め.技法.理論
ラサ/情趣:1流の板前により調理された美食に例える
客は視覚.嗅覚.味覚よりの刺激を通し
えも言われぬ 至福の時を堪能する
ラサ/情趣「恋情」 (śṛṅgāra)
ラサ/情趣「恋情」は潜在的感情の「愛欲」から発展する
その基本となる魂は 輝かしい装い
この世にある 白 純粋 鮮明 美 なるものは「愛欲」を含む
それは 男女 若々しさ を典拠とし また 結束 と 分離 を拠点に持つ
「結束」は
季節の変化を喜び 花々を愛おしみ 詩歌.音楽.装飾を楽しみ 愛する人との迎合
官能への誘因 華やかな邸宅 手入れに行届いた庭園とそこで過ごす時間 愛する人の姿に見惚れ
愛する人から囁かれる言葉に聞入り 戯れ合う 歓喜に満ちている
その為に 視線の描き 巧妙な眼の動き 微妙な眉毛の動き 柔らかく繊細な四肢
甘い言葉などを用い 満足感と喜びが表現されるべきだ
一方 対の概念である「分離」には
無関心 倦怠 恐れ 嫉妬 疲労困憊 思慕 眠気 眠り 夢 覚醒 病気 狂気
てんかん 無活動 失神 死 と云った負の心理要因が 含まれる
ラサ/情趣「恋情」はその起源を「愛欲」とするのに 哀れ が表される訳は
対い概念「分離」による
『Ars amatoria/愛の技法/The Art of Love(2CE ローマ帝政初期の詩人オイディウス作)』では
10種に及ぶ心理状態を解説するが それはラサ/情趣「悲愴」なのである
ラサ/情趣「悲愴」とは
呪いの下での苦悩 愛する者との別れ 富の喪失 死 捕虜による絶望の状態
一方 ラサ/情趣「恋情」 対概念「分離」により表されるのは
思慕と憂慮から生じる 楽観の維持である
なので 「分離」は
ラサ/情趣「恋情」での場合と ラサ/情趣「悲愴」の場合とで区別されるべきだ
更に云えば ラサ/情趣「恋情」には全てのラサ/情趣 を含みえる
次回へ続く
と たのしい演劇の日々
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