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2023年05月22日

君津地方で考案された井戸掘りの技術(上総掘りの井戸掘り櫓)

千葉県の久留里城を訪問した際に、こんな光景と出会いました。

<上総掘りの井戸掘り櫓>かずさぼり
Twitter-Isuke230514-Kazusabori.jpg
まるで水車のような巨大な輪。これは井戸を掘削するために設備です。

現地説明板によれば、明治の中頃、ここ君津地方で考案された掘り抜き井戸の掘削技術は、上総掘りと呼ばれ、かんがい用水はもとより、石油や温泉の発掘にも使用されたとのこと。また、水不足に悩む発展途上国でも活かされているとのことです。

凄い事ですね。
それは理解しましたが、ではあの大掛かりな設備で、どうやって井戸を掘るのでしょうか?

ここでまたWIKIさんを参考にさせて頂きますと、上総掘りとは『細長い鉄管とそれを地中の孔に吊す竹製のヒゴを基本的な用具とし、用具の自重を利用しながら専ら人力を頼りに地下を掘り進み、帯水層にある地下水を掘り当てる技術である』とのこと(『』内はWikipediaの原文そのままです)。もっと具体的な説明がなされていましたが、それより、あの大掛かりな櫓の役割が気になってしょうかせありません。

その答えは資料館の模型で理解できました

<資料館の模型>
kazusabori-model.JPG
久留里城址資料館で撮影しました

kazusaborimodel.JPG
まず掘る人です。細長い鉄管を竹ひごにつないでおき、用具の自重を利用しながら人力で押し込み、竹の反動も利用して戻す、つまり上下に動かす作業を繰り返します。

kazusa-bori-model.JPG
地中深く入った竹ひごを引き抜く時に、車に繋いで、人が車輪を回転させて巻き取るという仕組みのようです。

この技法は、用具の軽量化や人力の削減を実現し、約100mの掘削を可能にする画期的なものだったようです。それは、君津地方に限らず日本中に、いや海を越えて広まった実績が証明していますね。


ということで
城巡りの途上で知った「上総掘り」のご紹介でした。土木の素人が、かなり大まかに仕組みを理解したという程度ですので、その点はご容赦下さい。

kazusabori-Idohori-yagura.JPG
上総掘りの用具は重要有形民俗文化財、その技術は重要無形民俗文化財に指定されています。

■訪問:上総掘りの井戸掘り櫓
 (久留里城二の丸跡)
[千葉県君津市久留里]字内山

■参考及び出典
・現地説明板
・久留里城址資料館
・Wikipedia:2023/5/22



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