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2015年09月21日

旭川 買物公園通りなどで自転車放置禁止区域を条例化

北海道第2人口規模を誇る都市、旭川には全国でもさきがけとなった恒久的歩行者天国「平和通買物公園」がある。

だが、この歩行者天国の買物公園では通りの通路部分に自転車が止められ最悪はこれが放置自転車化するケースもあった。放置自転車は景観を損ねるだけでなく、万が一の緊急車両走行の妨げとなったり買物公園通りでイベントをする際に撤去するのに一手間と多くの問題を抱えていた。


今までの買物公園(歩行者天国)の様子。


ただ、買物公園では駅が新しくなる前より「駐輪場不足」という問題があり、駐輪場が足りないのなら致し方無いという部分もあった。それがJR旭川駅舎が新しくなり、周辺の再開発で大型の駐輪場&駐車場が元の駅前駐車場に誕生した。



これを機に市では買物公園通りの放置自転車対策を本格的にスタートさせた。以前は放置自転車対策の人を雇って大型駐輪場に誘導していたがこのたび条例化し、より厳しい対応が可能となった。

条例の中身を簡単に説明すると、買物公園通りとその周辺において自転車放置禁止区域を設定し、これに違反すると市が自転車を撤去したり駐輪施設に強制的に移動できるようになった。

zitensya1.jpg


強制区域には3種類あり、駅前周辺が最も厳しい「禁止区域」。これは放置自転車を即日撤去できる。ここからちょっと奥の西武〜マルカツ付近までは規制区域。さらにオクノから8条通付近までが指導区域となっていてここでは一定期間後に撤去可能となっている。もし撤去されると1000円の返還手数料が2015年の10月から必要となる。

ただ、なんでもかんでも規制というわけでもなくちょっと店を利用したい人のために(買物公園のメインストリートを外れるが)あちこちに自転車ラックが設置されており駅前から歩く手間が少なくなるよう考慮されている。ただしこの自転車ラックは管理人の印象ではずっと置きっぱなしの自転車が多く、そこまで機能していない印象だ。

というわけで旭川市でも買物公園通りでの放置自転車対策が条例化した。自転車を利用する側からみればちょっと不便に感じるかもしれないが自転車を降りれば歩行者。歩行者から見ると放置自転車は邪魔で風で倒れれば通行人が怪我をするかもしれないし、せっかくの歩行者天国の意味もなくなってしまう。きちんとした駐輪場が用意されているのだから歩行者の立場に立って邪魔な駐輪は避けるようにしてほしい。

2015年09月18日

札幌市大通公園 自転車事故で市が訴えられる

近年の自転車事故では自転車側の重大な過失を認め、高額賠償請求になるケースが多くなっているがこれらはどれも加害者に対するものだった。ところが北海道の大都市、札幌ではなんと行政が訴えられたのである。


参照元:北海道新聞
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大通公園で自転車衝突 「札幌市に責任」 民事調停申し立て

09/18 06:30

 札幌市中央区の大通公園で散歩中、自転車にはねられて後遺障害を負ったのは、札幌市の管理体制が不十分だったからだとして、市内の50代女性が市を相手取り、治療代や慰謝料に相当する額の損害賠償と事故防止の具体策を求め、札幌簡裁に民事調停を申し立てた。

 女性の代理人弁護士によると、公園内の自転車事故をめぐり、司法手続きで行政の管理責任を問うのは異例。申立書によると、女性は2013年5月31日午後7時ごろ、大通公園西6丁目で犬と散歩していたところ、前方から走ってきた自転車にはねられて転倒。腰や肩などを強く打ち、重いものが持てなくなるなど日常動作に支障が出る後遺障害を負ったとしている。

 市都市公園条例は指定場所以外の自転車乗り入れを禁じており、大通公園でも車止めに「自転車は押して通行して下さい」と書かれたシールを張るなどしている。しかし、女性側は「車止めがあっても自転車の進入は可能。乗り入れの常態化を認識していたにもかかわらず、対策は不十分だった」と主張している。

 申し立て後、女性の代理人を務める坂口唯彦弁護士が会見し「加害者とは示談交渉中だが、市に対策を求めるために調停を申し立てた」と説明。女性は「大通公園は市民の憩いの場。二度と同じような事故が起きないようにしてほしい」と話しているという。

 市は「申し立ての内容や事故状況について事実確認ができていないのでコメントできない」としている。
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記事によれば「公園内の自転車乗り入れに関して札幌市の管理責任を問題」にしているようだ。

一般的に公園内の自転車乗り入れに関しては諸説(軽車両だからダメとか、公園内は道交法が適用されないなど)あり、こうだとは言い切れないのだが、人口の多い街の大きな公園では当然ながら人も多くそこを自転車で走ると接触する危険性も高い。なので自転車禁止の看板がなく、かつほとんど人が居ないのなら自転車で入ってもいいと思うが、札幌の大通公園という巨大な公園であれば人も多いだろうから押して歩いたほうが無難だろう。
もちろん悪いのは歩行者と接触した自転車の方だが事故が起きてしまった以上、今以上の厳格な対応をそこを管理している市に迫るといのは大げさすぎるわでもないかもしれない。公園内の乗り入れに関する厳罰化が必要になってくるが、それと同時に自転車利用者の「自転車は軽車両」という意識の低さも指摘しておきたい。「自転車が車と同じ仲間で、事故ったら怪我をさせるのは歩行者の方」という考え方がしっかりしていれば公園内での危険な乗り方は自ずと減るはずである。

2015年09月12日

北海道 秋の交通安全運動 2015 9月21日から

今年も秋の交通安全運動の季節が近づいてきた。ここ最近の交通安全運動では自転車と高齢者が重点対策になることが多いが、今回の2015秋バージョンも自転車と高齢歩行者が重点で、特に夕暮れと夜間時の事故防止がその対象となっている。

H27akiyoukou_01.jpg


9月に入り夕暮れの時間がはやくなって秋を感じるようになってきたが、夕暮れがはやくなったということは自分からも相手からも見えづらくなっているということであり、自動車にかぎらず自転車も早めのライト点灯、あるいは点滅ライト(前は白、後ろは赤)による自己アピールが事故防止につながる。

特に日が暮れて見えづらくなってくると帰宅を急ぐ自動車ドライバーが交差点での安全確認を怠り、発見の遅れた自転車(特に無灯火だったり、同進行方向では右手の自転車)と接触する危険性が高くなる。点滅ライトによるアピール以外にも危ないと思ったら無理に交差点(横断歩道)を進まないといった自己防衛も大切だ。


H27akiyoukou_02.jpg


また歩行者に関しても従来からある反射材の他、LEDライトを持ち歩いて反射材で能動的に光るのではなく、こちらからひかりを放って自己アピールするようにすると自動車や自転車から発見が早くなって事故防止につながる。近年では100円ショップで安いLEDライトを購入できるので、ぜひとも検討して欲しい。安い分暗い部分もあるのだが、自分の存在をアピールする程度であれば十分なので性能的には問題無いだろう。

期間は9月21日から30日までで、ちょうど9月の大型連休「シルバーウィーク」と重なる。自動車での移動が増える期間は特に注意して欲しい。

2015年09月10日

免税店(家電量販店)「ラオックス」旭川に進出

ラオックスと聞くと北海道の人には馴染み無い、あるいはまったく知らない人も多いだろうが元は秋葉原を本拠地とする家電量販店。2009年に業績悪化から中国系家電量販店チェーンの傘下となり、以来日本では主に中国人をはじめとした観光客向けの免税店として営業している。

そんなラオックスが旭川に進出するというニュースを知った。しかも8月末ぐらいに情報が出てオープン日はすぐの9月19日だそうだ。場所は買物公園通りにあるフィール旭川向かいの「エクス(!EXC)」ビル。数年前までテナントが入っていたが郊外店舗との競争や耐震補強工事の問題もあって空き店舗となってた。ただし1階部分だけは補強なしでも大丈夫なようで既に免税に対応したドラッグストア「ツルハドラッグ」が入店し営業中だ。


KIMG0719.JPG


この1階にラオックスが入店する。なぜここでラオックスなのかだが、どうやら国内では外国人観光客が増えており、首都圏に加え大阪、九州、沖縄と同じように北海道も人気なのだという。そして旭川市にある旭川空港では上海や北京間の国際便が増便し、中国を中心としたアジア圏からの訪日外国人が増加傾向にあるのが背景ということだ(ラオックスのアナウンス(PDF)より)

ここ数年で外国人、特に中国系の観光客をちらほらと見るようになったが、増えているのは確実なようで今後はこの中国人を中心とした外国人向けの免税店などの出店が盛んになるのだろうか。

2015年09月08日

ツールド北海道2015 9月11日〜13日まで

今年もツールド北海道の季節が近づいてきた。今年は旭川市スタートとなっており、選手以外に一般市民向けに行われるタイムトライアルが旭川市の石狩川河川敷で行われれる関係でこんな看板がおいてあった。

KIMG0715.JPG


1つ気になったのが協賛。一番下にスポーツ振興くじ助成事業とあり「toto」と書かれている。記憶が正しければこの手の自転車イベントは競輪(ケイリン)の助成で行われることが多かったので最近変わったのだろうか。

さて、本レースは第1ステージが旭川市の春光台公園スタートの上川(剣淵町、名寄市、愛別町)を巡って、東川キトウシ森林公園ゴール、第2ステージが美瑛〜上富良野町、中富良野町、富良野市を巡って再びスタート地点の美瑛、第3ステージが旭川市となりの鷹栖町役場スタートで空知管内(幌加内町、秩父別町、新十津川町)を巡ってゴールは札幌市(200km)となっている(詳しい概要は公式PDFにあるのでこちらを参照)

実際のコース図もあったのでキャプチャーしてみた。

tu-rudo2015.png


やはり3日目の第3ステージが200kmとうだけあってかなりロングなコースだ。ここを競い合いながら進むのだから選手たちの体力は只者ではないだろう。なお、当日は交通規制が行われるため自家用車で付近を通る人は選手たちが通過する数十分程度、通行止めとなる点に注意だ。

レースの観戦自体は無料なのでコース図から場所を特定して選手立ちが来るのを待つというスタイルになるだろう。場所がわかりづらい場合はスタート地点かゴール地点、もしくはHS(ホットスポット)がオススメだろうか。舗装路を時速40km〜50kmで駆け抜ける様子は、間近で見れることも重なって体感的にF1に近いものがあり一度は見て欲しいものである。

2015年09月05日

北海道の自転車専用レーンを考える A対策法と実例

前回の記事では北海道における自転車レーンの意義について考えてみた。要約すると人口が多く平坦な地形が多い街では自転車利用者も多く、事故の危険性も高いことから(半年間しか乗れないとしても)自転車レーンを整備すべきということだった。

さて、実際にどうすべきだが北海道という地域は概ね冬期間の雪を考慮して道路幅が広く作られる傾向がある。これはすぐに排雪できない雪を端っこに一時的に溜めておくためなのだが、郊外の道路にかぎらず特に街中でも広い路肩を持つ道路が存在する。

実際の道路を見てみよう。

kannjyou_sen.png


これは市内の環状線と呼ばれる道路で、名前の通り環状につながって周回できる道路なのだがこの道路は比較的路肩が広い部分が多い。前述のとおり雪を考慮した道路設計なのだがこれをこのまま青色ペイントなどでブルーレーン化し自転車レーンとするのはどうかと考えている。自転車レーンには物理的隔離し車道との隔たりを設けるタイプがあるが冬期間に雪などで邪魔になることを考えるとあまり現実的ではなく、ここはペイントタイプが一番いいと考える。雪のない時期は自転車レーン。降雪期は雪の一時体積場所といった感じだ。

実はこの手の広い排雪用路肩を活用したレーンは既に札幌で施行されている。管理人も北海道では大規模な車道上の自転車レーンということで実際に走りに行ってきている。その時の動画をと思ったが、当時はハンドルのアタッチメントが無くスマフォをビニールテープで無理やり固定して撮影したためかなり歪みがひどい動画だ。



そこで他の人が撮影した自転車レーンの動画を見てみよう。



ぱっと見は路肩(自転車レーン)が広くて走りやすそうに見えるのだが、中心部ということで自動車がかなり多く、路駐の車やバスの停車、さらには左側にある地下駐車場の出口があるなど危険が一杯でとても快適に勧めるようなレーンではないようだ。この部分は管理人も痛感した部分で、ただ単にレーンをペイントして塗ったくっただけではダメなのである。さらにはこの自転車レーンで自転車の死亡事故も発生しており、自転車の安全走行を目的として設置した自転車レーンがかえって危険性をもたらす結果となっている。

このペイントタイプでは物理的に隔離しないため設置費用が安いというメリットがあるがその分車道を走る自動車との接触の危険性が高く、ここを利用するドライバーへの周知や幅寄せ、スピードの出しすぎに対する取り締まりなど自転車が安全に走れるような対策が必須となる。ただ、何もやらないよりはペイントにより自転車が車道を走るというアピール効果があるので無意味では無い気がする。

北海道では排雪用の広い路肩を持つ道路が多いため、この手の自転車レーンがスタンダードになりそうだが、お役所仕事的にただ塗っただけではダメで、それ相応の安全対策をきちんとしなければ自転車に対して危険をもたらすことになる。自転車に対する交通安全教育は一番大事だが、車道を走る自転車に対するドライバーへの教育もこれからは必要になってくるだろう。

2015年08月31日

旭川 自転車の女児がワゴン車にはねられ重体

旭川市内で小学3年の女の子の自転車とハイエースが接触する事故が起きた。

参照元:HBCニュース
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31日午後、旭川で、自転車に乗っていた小学生とみられる女の子がワゴン車にはねられ意識不明の重体となっています。31日午後3時前、旭川市7条西5丁目の市道の交差点で、ワゴン車と自転車が出会い頭に衝突しました。

この事故で、自転車に乗っていた女の子が病院に運ばれ手当てを受けていますが、頭を強く打っていて意識不明の重体です。警察によりますと、女の子は現場近くに住む小学3年生とみられます。

現場は信号機のない交差点で、自転車の側に一時停止の標識があったということです。警察は、ワゴン車を運転していた旭川の67歳の男をその場で逮捕しました。男は取り調べに対し、「自転車が飛び出してブレーキが間に合わなかった」と話しているということです。
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文面だけだとよくわからないので一緒についていたHBCニュースの動画キャプチャーを見てみよう。

asahikawa_jiko.png


まずは自転車を跳ねた乗用車。普通車の中でもビッククラスで重量級のハイエースだ。

asahikawa_jiko2.png


女児の自転車。"キッズATB"などと言われる子供用マウンテンバイク風自転車だろうか。

で、問題の事故現場。かわってNHKニュースでは事故現場交差点をレポートしていたので、同じ場所をGoogleマップで探してみた。おおよそここだと思う。



ここをキャプチャーすると…

asahikawa_jiko3.png

このように女児側の交差点では、一時停止の標識がある。NHKニュースをみるかぎりワゴン車の左バンパーに接触のあったが、HTBの報道によれば自転車から見て左から来たワゴン車に跳ねられたとあった。となると写真左手に見える2階建ての家が大きな死角となって、ここから一時停止をせずに飛び出したためにワゴン車のブレーキが間に合わなかった可能性が高い。もしくは対面側の可能性もあるが対角線上の家も塀があり女児の背の高さなら隠れてしまう。やはり一時停止は必須の場所である。

asahikawa_jiko5.png


今度はハイエース側から。さきほどの塀の家は右手にきている。こちらから見ると敷地いっぱいに張り出した2階建ての家が死角となって交差点の向こう側がよくわからない。一時停止側はきちんと止まらないと非常に危険な交差点である。車を運転する人ならここを飛び出すことはしないだろうが、歩行者感覚で自転車に乗る人はこの危険性がわからないと思う。車のスピードが住宅街なのに出すぎていた可能性もあるが、飛び出したのならどんなに徐行していても止まれないこともある。

migigawa_kiken.jpg

※画像はこちらからお借りしました


今回は車道の逆走は無さそうだが、これがもし右側通行からの一時停止飛び出しならなお危険性が増していただろう。特に住宅街の死角の多い交差点ではきちんと左側通行&一時停止を行わないと大事故につながりかねない。

と、ニュースから女児が一方的に悪いと書いてしまったが、小学3年生ぐらいだとまだきちんとルールを知らない可能性も高く、保護者や学校などが「きちんと教えていなかった大人の責任」という部分もある。自転車は手軽なのだが公道を走る以上はきちんとルールを守らないと事故にあい、痛い思いをするのは自転車側という側面がある。それは子供でも大人でも関係ない話で、まずはきちんとしたルールの厳守が肝になってくる(その次は事故に合わないように予測運転や予防運転もひつようになる)。もちろん自動車(あるいは自転車)側はだろう運転するしかないのだが、自転車に関してはそう感じさせるニュースだった。

※事故の状況が追加されたため、9/1に記事内容を加筆修正しました

2015年08月29日

北海道の自転車専用レーンを考える @序章

自転車の安全な走行に欠かせない自転車専用レーン。本州などでは自転車専用レーンの設置、実験などのニュースを耳にすることがあるが北海道では極端に少ない。それは地域の特性によることろが大きい。

北海道ではご存知の通り雪が降り、積もる地域である。これが1年間のうち半年を占める。概ね11月から4月にかけては積雪の影響で自転車が利用できなくなる。1年に数回程度の積雪で乗れなくなる本州(積雪地帯を除く)とは大きな違いだ。

さらに北海道では札幌市など大都市を除いて交通の主体が"自家用車"である部分も大きい。地下鉄は札幌市しか無いし、鉄道も首都圏に比べると不便で本数も少ない。バスだって大きな街では数十分に1本の間隔であっても郊外や田舎に行くと1時間に1本。あるいは半日に一方などざらである。このような北海道では一番便利な自家用車が交通の主体となっていて、お店もこれに対応した駐車場完備。これに準じて長年自動車を再優先した道路整備がなされてきた。

では自動車が再優先なら自転車は少ないのかというとそうではない。もちろん人口の少ない市町村では町中を見ると自動車ばっかりで自転車が本当に少ないのだが、ある程度の人口規模で平坦な土地を持つ都市では自転車の利用が多い。管理人の知るところでは一番は(人口も多い)札幌市。次いで(平坦で河川敷がよく整備された)旭川市。次に函館市か苫小牧市などいう感じだ。逆に坂が多い小樽市では人口の割に自転車を利用している人を見かけない。出張で訪れた際に街中を歩いて肌で感じた。

(ちょっと話が脱線したが、)まとめると北海道で自転車レーンが整備されてこなかった理由は

@地域性による自動車優先の道路整備だった
A半年しか使えない自転車に対する安全対策は(歩道を除いて)重要視されてこなかった

と考える。歩道を除いてと書いたのは、歩道上の自転車走行レーンはちらほら見かけるためである。旧来の安全対策に基づく整備で、よくある歩道の中央を白線で割って、そこを自転車と歩行者で分けるタイプの自転車レーンだ。ただ、この歩道上のレーンは信号のない交差点で歩道の切れ目での出合い頭事故を誘発し、非常に危険な整備方法であることがわかったので近年ではあまり整備されない方向にある。

自転車が少ない町であれば自転車に対する対策はほとんど必要ないが、自転車が多い都市では首都圏と同じように対自動車、対歩行者に対して事故が発生する。前述のとおり北海道の道路は自動車を優先した整備のため、車道上の独立した自転車専用レーンはほぼ無いに等しくこれが通勤・通学の自転車利用が多い時間帯では、歩道上を高速で走る高校生の自転車と、これをよく確認しない自動車とでの事故(特に交差点)が起きやすい。

よって半年しか自転車が使えないといってもその利用者の多さなどを考えると特に札幌や旭川では自転車専用レーンを整備して、事故の軽減と自転車の安全な走行環境の整備に務めるのが必要だと考える。また、近年の自転車人気から北海道をサイクリングしたいという本州からの旅行者も増えており、その拠点都市として自転車レーンを整備し、自転車にやさしい街をアピールすることは新たらな観光資源にもなりうる。また、増える高齢者の手軽な移動手段としての自転車も見直されており、自転車レーンの整備(もしくは自転車ネットワークの構築)は今後の新たなライフラインとして大きく期待できるものである。

今回は序章ということでこのへんで。次回の記事では具体的にどう整備すべきかを考えていこうと思う。

2015年08月22日

自動車を規制するという考え 自転車の安全対策

自転車が安全、安心に走れるようになるには(あるいは自転車のルールがきちんと守られたり、マナーが向上するには)

@自転車の走行環境を整える
A自転車に関する交通教育を徹底する


の2点が必要であるとをこのブログでは述べているが、補足的にもうひとつ必要なことがある。それは自動車(ドライバー)に対する対策である。

上記2点は現状の道路や自転車利用者を見れば優先度が高いことは理解できると思うが、仮にこれら2点が改善されたとしてもそこが道路であるかぎり、自転車より強い立場にある"自動車"という危険分子が潜んでいる。

最近では道交法改正にからんだ自転車の事故や取り締まりのニュースが目立つが、事故の規模そのものは自転車と自動車とで比較すると、車両の質量や発揮できるスピード、そこから接触した時の衝撃などどれをとっても自動車事故が上で、歩行者、自転車、他の自動車、民家や店舗などを巻き込んで大事故に至る危険性を持っている。

ドライバーの誰しもが事故を起こしたくて運転しているわけでなはいが、中には事故と隣り合わせの危険な運転を行うドライバーがいる。自己中心的で万が一のことを考えない危険なドライバーだ。こういうひとに限って大事故を起こしやすく、また事故の経験も多くてさらには反省も少なくまた次の事故を起こす傾向にある。

自転車が車道上の自転車レーンを安全に走れるようになるには、すぐ隣を走るドライバーへの教育が必須になってくるがこのような危険なドライバーに対してはその教育の効果が認められないかもしれない。すなわちどうしようもないクズ的なドライバーに対しては最初から免許を交付しないという事前策もこれから必要になってくるのではと考える。ちょっと言い過ぎのように聞こえるかもしれないが、事故が起こってからでは遅いケースもあり、最初から事故を起こす危険性が高いとわかっている者に対して対応策を講ずると考えると、これは大げさな考え方ではないと思う。




(とまぁいきなりいつもの違う記事を書いたわけだが、実は今日、青信号になった交差点で同進行方向の右折車に惹かれそうになりこのことを強く感じたのである。自分は向かって右側の歩道上で信号待ちし、横断歩道(自転車横断帯)を青に切り替わってすぐに進んでいたのだが、右折のルールを無視し強引に急いで曲がろうとした右折車両に左から引っ掛けられそうになった。時間帯は夜で、自転車が見えづらかったかもしれないがこちらもフロントにライトを2つ。リアに強力な赤色点滅LEDを点けていたので、普通のママチャリとは違ったはずだ。それでも見落としたのは、相手が急いで右折しようとしたせいだと思う。急いでいる時というのは人間は注意が散漫になりがちで、右側横断歩道を進行する自転車のことが頭になかったのだと思う(対面の直進車を無視して急いで進むため)。こういう状況下では事故がかなり起こりやすい。そしてたとえ事故を起こしてもこの手の自己中心的なドライバーはまた繰り返す傾向があり、歩行者、自転車、他の自動車の脅威となる。こうした悪質ドライバーに対しては永久的に免許を剥奪し、危険な運転ができないようにしなければならないと思うところである。)

2015年08月19日

北海道 自転車旅行の大学生の列に軽自動車が追突 

北海道ではオートバイのツーリングと同じく自転車旅行が人気の地域である。特に8〜9月は長い夏季休暇期間を利用した本州からの大学サイクリングサークルなどが目立つ。とりわけ北海道の夏は日本の中でも(比較的)涼しく、道路も広く(走りやすくて)大自然を味わえることが人気の理由だと思うが、実は北海道ゆえの危険性も含んでいる。今回、そんな危険性が露呈した事故が起きてしまった。

参照元:北海道新聞
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自転車の列に車突っ込む 法大生9人重軽傷 北海道・共和の国道

【共和】19日午前10時20分ごろ、後志管内共和町国富(くにとみ)の国道で、軽乗用車が路肩を走行中の自転車の列に突っ込み、自転車に乗っていた19〜24歳の男女9人を次々とはねた。女性1人が頭に重傷、8人は顔や腕などにけがを負い、病院に搬送された。軽乗用車を運転していた札幌市の50代男性は「脇見をしていて、気付いたらぶつかっていた」と説明しているといい、岩内署は自動車運転処罰法違反(過失致傷)容疑で、この男性から事情を聴いている。

 同署によると、現場はJR函館線小沢駅から約3・5キロの片側1車線の緩やかなカーブ。軽乗用車は同町中心部から札幌方向に走行中に、左側の路肩を一列になって走っていた自転車に後ろから突っ込んだ。自転車の9人は法政大学のサイクリングサークルのメンバーで、同日朝に同管内岩内町を出発し、同管内京極町に向かう途中だった。軽乗用車の男性は墓参りから帰る途中だったという。
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列をなして左路肩を走っていたところに追突されたようで、9人全員が跳ねられうち女性が重症という痛ましい事故である。

cycling_jiko2.png

事故を起こされた自転車の画像TBSニュースから


現場の道路路肩はかなり狭く、ドライバーがきちんと注意をしていないと簡単に跳ねそうな道路だ。ドライバーの供述によれば「脇見をしてしまった」とあるが、自転車1台ならまだしも重装備の自転車9台を見落とすこと自体かなり不思議に思える。ただ、現場はゆるやかな左カーブで、相当スピードを出してかつ前方に集中していなかったとするなら左側の自転車に気づくのが遅くなって事故に至った可能性もある(あるいは狭い道で無理やり追い越そうとしたのだろうか)。

cycling_jiko1.png

事故を起こした軽自動車(スバル:初代ステラ)


脇見からの事故でびっくりしたのか、1台でブレーキをかけれず9台全て跳ねたということでかなり凹んでいる。この凹み具合から推測すると一人はボンネットで跳ね上げられフロントガラスに衝突。重症に至ったのかも。

北海道の自動車事故の特徴の一つに"速度超過"というものがある。これは言葉通りスピートの出し過ぎなのだが、自転車にとって広い道ということは自動車にとっても広い道であり、スピートを出しやすい状況にある。とりわけ北海道の郊外に至っては制限速度で走る車は少なく、例えば60km制限であれば70kmはあたりまえで、3分の1程度は80kmで巡航する場合もあり、中には一般道でも100kmの速さで走る車さえいる。さらに交通量の多い国道となればその速さに加えてトラックなど大型車を含めた自動車の数が増えるため、そこを走るサイクリストの1団にとっては非常に危険な場合もある。よって北海道を安全にサイクリングするなら交通量の多い国道(幹線)よりも交通量の少ない町道(支線)などを選ぶことも安全策の第一歩である。この他に目立つ服装やリアの赤色点滅ライトなど遠くからでも後方の自動車にアピールすることが重要と考える。特に昼間でもよく見えるよう100円ショップの安い点滅ライトではなく、2000円前後の強力な点滅ライトを後ろに装備するとかなり効果的だ。さらにできれば前方の白色点滅ライトもあると前方の車にアピールできて、市街地・交差点での対向車の右折事故を減らせる。


まとめると北海道のツーリングにおいては


@危険な道はなるべく避ける
A自動車に対して自転車がいることをアピールする


の2点に注意して北海道旅行を楽しんでほしいと思う。悪いのは自動車でも痛い思いをするのは弱い自転車側なので、自己防衛という観点でも十分に留意してほしい。最後に事故にあわれた大学生の回復を一刻も早く願いたい。

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2015年11月10日追記。

どうやら事故を起こしたドライバーはてんかん持ちで、事故当時発作が起きて気を失い、自転車を立て続けに9台もはねてしまったようだ。ドライバーは「医者から運転を控えるように言われていたにもかかわらず運転をした」としてその後危険運転傷害罪で起訴された。さすがに常識的に考えて9台も立て続けに跳ねるのは普通じゃないと思ったが、真相は"てんかん"にあったようだ。



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