2015年08月16日
車優先 自転車は蚊帳の外的な道路整備
日本の道路はモータリゼーションを背景に自動車を優先し、歩行者や自転車は二の次という政策をとってきた。いわゆる"車優先社会"である。車優先社会は自動車利用者には多大な利便性をもたらしたが、自動車を使わない人(歩行者や自転車)にとってはその利便性を享受できないどころか危険性までも生み出してしまった。
そんな車優先社会は各地で進む自転車専用レーンの整備で少しづつ変わろうとしてきているが、未だに車優先に整備するところが多い。今回見つけたニュースはそんな旧来の車優先社会を彷彿とさせるものである。
参照元:中日新聞
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3月開通 入善黒部バイパス 自転車で走るの「怖い」
新幹線「前」開通へ
安全“後回し”
三月に開通した国道8号入善黒部バイパス(富山県魚津市−黒部市、約七キロ)が、自転車の安全走行に深刻な問題を抱えている。車道は路肩が狭く危険で、歩道は複雑に迂回(うかい)して分かりづらい。警察の要請を受け、富山河川国道事務所(富山市)は今月、自転車を歩道に誘導する看板を設置したが、対策は不十分なままだ。北陸新幹線開業に合わせて、“見切り発車”で開通させた感が否めない。(伊東浩一)
四月十六日、魚津市平伝寺の同バイパスを黒部から魚津方面に自転車で走っていた男性=当時(64)=が、後方から来た大型トレーラーにはねられ、頭を強く打って一時重体となった。
現場付近は高架橋になっており、車道と側壁の間の路肩の幅は一メートル。反対車線側の路肩は七十五センチと、さらに狭い。実際、自転車で走ってみると、左は壁が迫り、右後方から大型車がビュンビュン追い抜いていく。風にあおられバランスを崩せば、車にはねられる。恐怖感を覚えた。
高架橋下に設置された国道8号入善黒部バイパスの歩道。自転車や歩行者は手前から車道を横切る必要があるが横断歩道はない
写真
こうした側壁が車道に迫る区間は、同バイパス上に二カ所、計六百十メートルにわたってある。交通ルール上、自転車は原則、車道を走ることになっているが、魚津署は事故を受け、近くの魚津工業、新川みどり野の両高校に、なるべく自転車で車道を走らないよう求め、富山河川国道事務所にも自転車を歩道に誘導する対策を要請した。
同事務所は「路肩の幅は基準(七十五センチ)を満たしているが、自転車が車道を走る危険性は認識していた。そのため、分離型歩道を設置した」と説明する。しかし、自転車を歩道へと誘導する対策を講じたのは、警察から申し入れがあってから。沿道三十カ所以上に看板を設置したのは、今月初めになってのことだった。
その歩道にも問題がある。同バイパス高架下の住民の利用を考慮して住宅地を迂回させたため、Uターンやアップダウンが続く。看板設置で、ルートの分かりにくさはある程度解消されたが、車道を何カ所も横切っているのに横断歩道が設置されていない。
写真
同バイパスは将来、上下四車線となる計画だが、現在は二車線しか完成しておらず、対面通行を行っている。このため、歩道も魚津から黒部方面に向かう車線側にしかない。逆方向に向かう自転車は、反対車線の歩道に回り込まなければならない。
同バイパスは、北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅へのアクセス道の役割もあり、新幹線開業に合わせて三月一日に開通した。しかし、歩道の使いづらさに加え、歩行者用地下通路も未完成。ある県警関係者は「新幹線開業に間に合うよう車道を優先し、弱者対策が後回しになっている印象を受ける」と話している。
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記事によれば新幹線のために車道を優先して開通させたようで、自転車のことはほとんど考慮されてなかった印象を受けた。特に
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同事務所は「路肩の幅は基準(七十五センチ)を満たしているが、自転車が車道を走る危険性は認識していた。そのため、分離型歩道を設置した」と説明する。しかし、自転車を歩道へと誘導する対策を講じたのは、警察から申し入れがあってから。沿道三十カ所以上に看板を設置したのは、今月初めになってのことだった。
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という部分からも明らかで、完全に自動車のことしか頭になったようだ。このような道路は旧来の"車優先"という考え方から来るものだと思う。この道路を設計した人や作った人は昔からやってることのなので何の不思議もなく作ったのだろうが、"自転車"という観点からみると完全にその対応が抜け落ちており
、こういう人たちが道路を作り続ける限り車優先社会は無くならないのかもしれない。
そんな車優先社会は各地で進む自転車専用レーンの整備で少しづつ変わろうとしてきているが、未だに車優先に整備するところが多い。今回見つけたニュースはそんな旧来の車優先社会を彷彿とさせるものである。
参照元:中日新聞
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3月開通 入善黒部バイパス 自転車で走るの「怖い」
新幹線「前」開通へ
安全“後回し”
三月に開通した国道8号入善黒部バイパス(富山県魚津市−黒部市、約七キロ)が、自転車の安全走行に深刻な問題を抱えている。車道は路肩が狭く危険で、歩道は複雑に迂回(うかい)して分かりづらい。警察の要請を受け、富山河川国道事務所(富山市)は今月、自転車を歩道に誘導する看板を設置したが、対策は不十分なままだ。北陸新幹線開業に合わせて、“見切り発車”で開通させた感が否めない。(伊東浩一)
四月十六日、魚津市平伝寺の同バイパスを黒部から魚津方面に自転車で走っていた男性=当時(64)=が、後方から来た大型トレーラーにはねられ、頭を強く打って一時重体となった。
現場付近は高架橋になっており、車道と側壁の間の路肩の幅は一メートル。反対車線側の路肩は七十五センチと、さらに狭い。実際、自転車で走ってみると、左は壁が迫り、右後方から大型車がビュンビュン追い抜いていく。風にあおられバランスを崩せば、車にはねられる。恐怖感を覚えた。
高架橋下に設置された国道8号入善黒部バイパスの歩道。自転車や歩行者は手前から車道を横切る必要があるが横断歩道はない
写真
こうした側壁が車道に迫る区間は、同バイパス上に二カ所、計六百十メートルにわたってある。交通ルール上、自転車は原則、車道を走ることになっているが、魚津署は事故を受け、近くの魚津工業、新川みどり野の両高校に、なるべく自転車で車道を走らないよう求め、富山河川国道事務所にも自転車を歩道に誘導する対策を要請した。
同事務所は「路肩の幅は基準(七十五センチ)を満たしているが、自転車が車道を走る危険性は認識していた。そのため、分離型歩道を設置した」と説明する。しかし、自転車を歩道へと誘導する対策を講じたのは、警察から申し入れがあってから。沿道三十カ所以上に看板を設置したのは、今月初めになってのことだった。
その歩道にも問題がある。同バイパス高架下の住民の利用を考慮して住宅地を迂回させたため、Uターンやアップダウンが続く。看板設置で、ルートの分かりにくさはある程度解消されたが、車道を何カ所も横切っているのに横断歩道が設置されていない。
写真
同バイパスは将来、上下四車線となる計画だが、現在は二車線しか完成しておらず、対面通行を行っている。このため、歩道も魚津から黒部方面に向かう車線側にしかない。逆方向に向かう自転車は、反対車線の歩道に回り込まなければならない。
同バイパスは、北陸新幹線黒部宇奈月温泉駅へのアクセス道の役割もあり、新幹線開業に合わせて三月一日に開通した。しかし、歩道の使いづらさに加え、歩行者用地下通路も未完成。ある県警関係者は「新幹線開業に間に合うよう車道を優先し、弱者対策が後回しになっている印象を受ける」と話している。
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記事によれば新幹線のために車道を優先して開通させたようで、自転車のことはほとんど考慮されてなかった印象を受けた。特に
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同事務所は「路肩の幅は基準(七十五センチ)を満たしているが、自転車が車道を走る危険性は認識していた。そのため、分離型歩道を設置した」と説明する。しかし、自転車を歩道へと誘導する対策を講じたのは、警察から申し入れがあってから。沿道三十カ所以上に看板を設置したのは、今月初めになってのことだった。
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という部分からも明らかで、完全に自動車のことしか頭になったようだ。このような道路は旧来の"車優先"という考え方から来るものだと思う。この道路を設計した人や作った人は昔からやってることのなので何の不思議もなく作ったのだろうが、"自転車"という観点からみると完全にその対応が抜け落ちており
、こういう人たちが道路を作り続ける限り車優先社会は無くならないのかもしれない。
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