2012年12月31日
旅
2012年も静かに暮れようとしている。
そしてそう遠くない将来に私の人生も幕を閉じようとしている。
今年は昨年より、昨年は今年より、年々時間は長く、ゆっくりとしてくるようだ。特にリタイア後の5年間は、徐々にではあるが、その感を強くしている。
競争という性(さが)から遠ざかるにつれ,社会からの必要性も薄れ、水平方向への興味が、自然と垂直方向へとベクトルが切られる様になってくるためだろう。
それはとりもなおさず、あたかも過去から未来に向かって、終わることなく続くと思いたかった時代からの決別に他ならない。
垂直方向だからといって、宗教に走ろうというわけでもない、しかし宗教的とは言えるのではないだろうか。
思えば唯ひたすら走り続けてきた旅の様な人生だった。
その旅によって何を糧とし、何を失い、どのように変わったのだろうか。
嘗て人生を「ドラマ」といい、「物語」と言ってきたその登場人物は過去から現在に至る旅人だ。
このような気持で旅を考えたことは嘗て無かった。
旅と言えば、娯楽の一種で、最初から安全に帰ってくるという決められたスケジュールの下に、行き先から宿から交通手段まで、果ては旅先の見どころから、感動の仕方まで決まっているという念のいれようだ。
それで何か得をしたとか義務を果たしたと思っているが、写真まで撮って無理やり想い出をつくったと納得させているだけで、今一つなんでこんなことをしているのか腑に落ちない。
旅の良さは、その気楽さにある。日常の責任感たっぷりの日々から解放されて、誤解だらけの見聞を広め独りよがりの物見遊山ができることにある。
旅の空で何を思おうと、それは誤解の連続でしかない。現実などふらっと来たよそ者に判る筈もない。でもそれが自分の物語の一部なのだ。
しかしこの解放感も束の間に、事故なのか、なにかのきっかけで異郷の地に一人取り残される羽目になった時、突如として誤解に満ちた楽しい風景は一変しヒトは初めて言い知れぬ不安を覚え、自身の常識や感覚を問い直し、自分を客観視する。今迄見えなかったものが姿を現し、過去の自分を、不安だった「もとの姿」に変えてしまう。
しかし、そこからが本当の旅の醍醐味だというのに、さっそく携帯電話に頼って、もとの誤解に満ちたがんじがらめの世界(慣れ親しんだ町)に逃げ帰ってしまう。
・・・・・・・「旅は本来定住生活の中で澱んできた身辺を洗い流し、目に見えない絆で結ばれてきた人と人との関係を再確認する為の修行なのであって、日本だけでなく何処の国でも、命を賭けた行為なのであった」(阿部謹也・中世の星の下で)・・・・・・・・
本当の旅が始まろうとしたその時、その不安に耐えられなくなった現代人は、せっかくの旅を、唯の普段より風景が異なり、時間と距離が長いだけの、ゲームに変えてしまう。
中世の市民たちは、周囲の脅威から身を守るためにせっかく築いた都市といとおしい家族と身分をいともたやすくほったらかしにして、チャンスがあれば当時の環境では、死を賭した危険な旅(当時の旅に、旅行などというものは無く、あるのは巡礼だった)出たいと憧れていたようだ。
巡礼に出て、ぼろぼろになってでも戻れればいい方で、ほとんどの人たちは事故や追剥に逢うかして命を落としたそうだ。その過程で、初めて出逢っただけの他人同士が命を賭けて助け合い、喜びあいながら本来の「人と人との絆」を見つめ直すのだ。
こうも危険を冒してまで旅(巡礼)に出ようとするのは何の為だったろうか。もっといえば修行しようとするのは何のためだったろうか?
それは「この世が目的」と化した、我々現代人には、判ろうとしても判りえない信仰心だったのかも知れない。今の我々とは、全く反対の発想。つまり「都市や社会」は自らの来世の為に、自分の最も大切な命を神に「贈与」する為の、「仮の宿」だったに過ぎなかったのかもしれない。(2011.11.12 贈与慣行と貰いものと参照)
中世ではなくとも、又信仰心からだけではなくとも、この世への執着が少なく、旅に人生を賭けた御仁が日本にはいましたネ。
月日は百代(はくたい)の過客(かきゃく)にして、行かふ年も又旅人也。(元禄2年・奥の細道)
(月日というのは、永遠に旅を続ける旅人のようなものであり、来ては去り、去っては来る年もまた同じように旅人なのだ。)
主客が逆転して、まるで人生の相対性理論の様ですね。
さて現代人の都市は、何を賭けて何に至ろうとする宿りなのだろうか?
それとも、悠久の宇宙の旅に出る為の「仮の宿り」なのだろうか。
皆さん来年もよい旅を!
そしてそう遠くない将来に私の人生も幕を閉じようとしている。
今年は昨年より、昨年は今年より、年々時間は長く、ゆっくりとしてくるようだ。特にリタイア後の5年間は、徐々にではあるが、その感を強くしている。
競争という性(さが)から遠ざかるにつれ,社会からの必要性も薄れ、水平方向への興味が、自然と垂直方向へとベクトルが切られる様になってくるためだろう。
それはとりもなおさず、あたかも過去から未来に向かって、終わることなく続くと思いたかった時代からの決別に他ならない。
垂直方向だからといって、宗教に走ろうというわけでもない、しかし宗教的とは言えるのではないだろうか。
思えば唯ひたすら走り続けてきた旅の様な人生だった。
その旅によって何を糧とし、何を失い、どのように変わったのだろうか。
嘗て人生を「ドラマ」といい、「物語」と言ってきたその登場人物は過去から現在に至る旅人だ。
このような気持で旅を考えたことは嘗て無かった。
旅と言えば、娯楽の一種で、最初から安全に帰ってくるという決められたスケジュールの下に、行き先から宿から交通手段まで、果ては旅先の見どころから、感動の仕方まで決まっているという念のいれようだ。
それで何か得をしたとか義務を果たしたと思っているが、写真まで撮って無理やり想い出をつくったと納得させているだけで、今一つなんでこんなことをしているのか腑に落ちない。
旅の良さは、その気楽さにある。日常の責任感たっぷりの日々から解放されて、誤解だらけの見聞を広め独りよがりの物見遊山ができることにある。
旅の空で何を思おうと、それは誤解の連続でしかない。現実などふらっと来たよそ者に判る筈もない。でもそれが自分の物語の一部なのだ。
しかしこの解放感も束の間に、事故なのか、なにかのきっかけで異郷の地に一人取り残される羽目になった時、突如として誤解に満ちた楽しい風景は一変しヒトは初めて言い知れぬ不安を覚え、自身の常識や感覚を問い直し、自分を客観視する。今迄見えなかったものが姿を現し、過去の自分を、不安だった「もとの姿」に変えてしまう。
しかし、そこからが本当の旅の醍醐味だというのに、さっそく携帯電話に頼って、もとの誤解に満ちたがんじがらめの世界(慣れ親しんだ町)に逃げ帰ってしまう。
・・・・・・・「旅は本来定住生活の中で澱んできた身辺を洗い流し、目に見えない絆で結ばれてきた人と人との関係を再確認する為の修行なのであって、日本だけでなく何処の国でも、命を賭けた行為なのであった」(阿部謹也・中世の星の下で)・・・・・・・・
本当の旅が始まろうとしたその時、その不安に耐えられなくなった現代人は、せっかくの旅を、唯の普段より風景が異なり、時間と距離が長いだけの、ゲームに変えてしまう。
中世の市民たちは、周囲の脅威から身を守るためにせっかく築いた都市といとおしい家族と身分をいともたやすくほったらかしにして、チャンスがあれば当時の環境では、死を賭した危険な旅(当時の旅に、旅行などというものは無く、あるのは巡礼だった)出たいと憧れていたようだ。
巡礼に出て、ぼろぼろになってでも戻れればいい方で、ほとんどの人たちは事故や追剥に逢うかして命を落としたそうだ。その過程で、初めて出逢っただけの他人同士が命を賭けて助け合い、喜びあいながら本来の「人と人との絆」を見つめ直すのだ。
こうも危険を冒してまで旅(巡礼)に出ようとするのは何の為だったろうか。もっといえば修行しようとするのは何のためだったろうか?
それは「この世が目的」と化した、我々現代人には、判ろうとしても判りえない信仰心だったのかも知れない。今の我々とは、全く反対の発想。つまり「都市や社会」は自らの来世の為に、自分の最も大切な命を神に「贈与」する為の、「仮の宿」だったに過ぎなかったのかもしれない。(2011.11.12 贈与慣行と貰いものと参照)
中世ではなくとも、又信仰心からだけではなくとも、この世への執着が少なく、旅に人生を賭けた御仁が日本にはいましたネ。
月日は百代(はくたい)の過客(かきゃく)にして、行かふ年も又旅人也。(元禄2年・奥の細道)
(月日というのは、永遠に旅を続ける旅人のようなものであり、来ては去り、去っては来る年もまた同じように旅人なのだ。)
主客が逆転して、まるで人生の相対性理論の様ですね。
さて現代人の都市は、何を賭けて何に至ろうとする宿りなのだろうか?
それとも、悠久の宇宙の旅に出る為の「仮の宿り」なのだろうか。
皆さん来年もよい旅を!
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