2012年11月18日
本日は ダグ・サーム・デイ
今日は、本ブログを始めてから3度目のあの日です。
というわけで(?)、Doug Sahm関連の音源を聴きたいと思います。
今回とりあげるのは、Kevin Kosubさん(Augie Meyersのいとこらしいです)制作のコンピです。
この人は、Augieの親戚かつDoug Sahmの友人ということ(だけ)をうたい文句に、DougとAugieのレア音源に自身の録音を抱き合わせ、似たような内容の自主制作盤を何枚か作っている人です。
1. Will You Love Me Manana : Doug Sahm & Randy Garibay
2. Whiter Shade Of Pale : Doug Sahm
3. Little Fox : Augie Meyers
4. The Joint Is Jumping : Augie Meyers
5. Loco Vacquero : Flaco Jimenez
6. Mexico : Toby Torres
7. Mess With Taxas : Kevin Kosub
8. Tacoland Shuffle : Kevin Kosub
9. Deep In The Heart Of Texas 〜 Green Acres : Kevin Kosub
10. Hideaway : Charlie Beall
11. All Along The Watchtower : Charlie Beall
12. Black Cat : Charlie Beall
13. Mas Cerveza Y Dob Tacos : Steve Mallett
14. Stuck In The Middle Of Nowhere : Steve Mallett
15. Crazy : Steve Mallett
16. Give Me Power : The Rat Race Kid
17. Yonder Walls : Doug Sahm
18. Toghether Again 〜 I Love You A Thousand Ways : Doug Sahm
比較的知られているものでは、80年代のテキサスのローカル・ミュージシャンの音源をコンパイルした、"Deep In The Heart Of Texas"というコンピレーションがあります。
そのディスクの「売り」がDoug Sahm(2曲)とAugie Meyers(1曲)のレア音源で、実は今回のディスクとは、それら3曲を含む7曲が重複しています。
今回のディスクの売りは、Doug Sahmの2曲(トラック17と18)とAugie Meyersの1曲(トラック3)で、私の知る限りでは、レア音源ではないかと思います。
(ただし、Kevinさんは、これら3曲を使いまわして同時期に別のコンピも作っているようで、本盤が初出かどうかは不明です。)
なにか小金稼ぎの仕事にまんまと嵌っているみたいでいい感じはしませんが、バカなファン(私のような)は、ラヴ・イズ・ブラインドでのせられてしまいます。
さてまず、Augie Meyersの"Little Fox"ですが、他の音源と同時期のものなら、80年代の録音となりますが、なかなか興味深いです。
なぜなら、この曲は、その後、テックス・メックス・ビートルズと称される、The Krayolasに提供し、それだけでなくAugieが彼らのアルバムに参加して共演しているからです。
Augie参加のKrayolas盤"Little Fox"は、彼らの08年リリースの"La Conquistadora"に収録されていて、確かシングル化もされていたように思います。
ポップなTex-Mexで、いい曲です。
"Deep In The Heart Of Texas"で既出の"The Joint Is Jumping"は、がらっと雰囲気の違うジャンプで、かのコンピのハイライト的な曲でした。
久々に聴きましたが、やはりよいです。
そして、Doug Sahmです。
"Will You Love Me Manana"と"Whiter Shade Of Pale"の2曲は、やはり"Deep In The Heart Of Texas"に収録されていた曲です。
"Whiter Shade Of Pale"は、ライヴ音源のようで、ほかのイリーガル(?)ライヴ盤にも入っていたバージョンかもしれません。
"Deep In The Heart Of Texas"のクレジットによれば、バッハ風のオルガンを弾いているのは、Sauce (Arturo "Sauce" Gonzalesのこと …例のストックホルム・ライヴに参加していた人)となっています。
今回、Doug Sahm & Randy Garibayとクレジットされた、"Will You Love Me Manana"は、先の"Deep In The Heart Of Texas"では、Sir Doug Saldana名義で収録されていました。
曲はもちろん、ゴフィン&キング作のシレルズのカバー、"Will You Still Love Me Tomorrow"で、アコーディオンのイントロから、途中、スペイン語歌詞が入るバイリンガル・バージョンです。
"Deep In The Heart Of Texas"のクレジットでは、アコ奏者がSantiago Jimenezとなっていますが、どうでしょうか?
ボーカル、ギター担当のRandy Garibayは、Dougの古い友人で、晩年にソロ・アルバムを数枚出している、チカーノ・ブルースマンの異名を持つ素晴らしいシンガーです。
(Doug Sahmの88年の名作ソロ、"Juke Box Music"で、"What's Your Name"をDougとデュエットしている人です。)
さて、今回の目玉2曲です。
"Yonder Walls"(原文のママ)は、古いブルースのカバーですね。
私が最も親しんでいたのは、Elmore James盤ですが、DougはやはりJunior Parker盤がお手本でしょうか。
他にも様々な人がやっている有名曲で、ハーピストが好んでやッていたというイメージがある曲です。
ボーカルのバックでせわしないブルース・ギターが鳴っていますが、Doug自身のプレイでしょうか。
ライヴのような歓声が曲の終わりに入っていて、次のメドレーに続きます。
"Toghether Again 〜 I Love You A Thousand Ways"は、打って変ってカントリーの有名曲のメドレーです。
バック・オーウェンス 〜 レフティ・フリーゼルのナンバーで、ベイカーズフィールド・カントリーとプリ・ペイカーズのコースト・ホンキートンクのリレーです。
"I Love You A Thousand Ways"は、Augie Meyersが82年のソロ・アルバム、"Still Growin"(未CD化)でジャンプ・ブルース・アレンジでやっていて、大好きな曲です。
ここでのDougのバージョンは、あまりひねらず、王道のホンキートンクですが、ロッキー・モラレスぽいサックス・ソロが入っていて、観客の口笛「ヒューヒュー」もかすかに記録されています。
ろうろうと歌うDougの鋼のノドに萌えます。
いずれも絶対必聴とまでは言えませんが、埋もれさせるには惜しい演奏で、Doug、Augieのファンなら聴くほかないレア音源です。
完成度だけで言うなら、Augieの"Little Fox"が一番の出来かも知れません。
(Augieの自作でもありますので…。)
でも、Dougのライヴ音源、とりわけカントリー・メドレーは、繰り返し聞くとじわじわと効いてきます。
今夜は、引き続きDoug Sahm三昧で眠りにつきたい、そんな夜です。
関連記事はこちら
Doug Sahm Day
テキサス遥か (2011年11月18日)
白夜の国から (2010年11月18日)
The Krayolas
テックス・メックス・ビートルズ
マージーでフォーキー、そしてテキサス
Randy Garibay
チカーノ・ブルースマン
というわけで(?)、Doug Sahm関連の音源を聴きたいと思います。
今回とりあげるのは、Kevin Kosubさん(Augie Meyersのいとこらしいです)制作のコンピです。
この人は、Augieの親戚かつDoug Sahmの友人ということ(だけ)をうたい文句に、DougとAugieのレア音源に自身の録音を抱き合わせ、似たような内容の自主制作盤を何枚か作っている人です。
The Best Of San Antonio Texas
Doug Sahm & Friends
Doug Sahm & Friends
1. Will You Love Me Manana : Doug Sahm & Randy Garibay
2. Whiter Shade Of Pale : Doug Sahm
3. Little Fox : Augie Meyers
4. The Joint Is Jumping : Augie Meyers
5. Loco Vacquero : Flaco Jimenez
6. Mexico : Toby Torres
7. Mess With Taxas : Kevin Kosub
8. Tacoland Shuffle : Kevin Kosub
9. Deep In The Heart Of Texas 〜 Green Acres : Kevin Kosub
10. Hideaway : Charlie Beall
11. All Along The Watchtower : Charlie Beall
12. Black Cat : Charlie Beall
13. Mas Cerveza Y Dob Tacos : Steve Mallett
14. Stuck In The Middle Of Nowhere : Steve Mallett
15. Crazy : Steve Mallett
16. Give Me Power : The Rat Race Kid
17. Yonder Walls : Doug Sahm
18. Toghether Again 〜 I Love You A Thousand Ways : Doug Sahm
比較的知られているものでは、80年代のテキサスのローカル・ミュージシャンの音源をコンパイルした、"Deep In The Heart Of Texas"というコンピレーションがあります。
そのディスクの「売り」がDoug Sahm(2曲)とAugie Meyers(1曲)のレア音源で、実は今回のディスクとは、それら3曲を含む7曲が重複しています。
今回のディスクの売りは、Doug Sahmの2曲(トラック17と18)とAugie Meyersの1曲(トラック3)で、私の知る限りでは、レア音源ではないかと思います。
(ただし、Kevinさんは、これら3曲を使いまわして同時期に別のコンピも作っているようで、本盤が初出かどうかは不明です。)
なにか小金稼ぎの仕事にまんまと嵌っているみたいでいい感じはしませんが、バカなファン(私のような)は、ラヴ・イズ・ブラインドでのせられてしまいます。
さてまず、Augie Meyersの"Little Fox"ですが、他の音源と同時期のものなら、80年代の録音となりますが、なかなか興味深いです。
なぜなら、この曲は、その後、テックス・メックス・ビートルズと称される、The Krayolasに提供し、それだけでなくAugieが彼らのアルバムに参加して共演しているからです。
Augie参加のKrayolas盤"Little Fox"は、彼らの08年リリースの"La Conquistadora"に収録されていて、確かシングル化もされていたように思います。
ポップなTex-Mexで、いい曲です。
"Deep In The Heart Of Texas"で既出の"The Joint Is Jumping"は、がらっと雰囲気の違うジャンプで、かのコンピのハイライト的な曲でした。
久々に聴きましたが、やはりよいです。
そして、Doug Sahmです。
"Will You Love Me Manana"と"Whiter Shade Of Pale"の2曲は、やはり"Deep In The Heart Of Texas"に収録されていた曲です。
"Whiter Shade Of Pale"は、ライヴ音源のようで、ほかのイリーガル(?)ライヴ盤にも入っていたバージョンかもしれません。
"Deep In The Heart Of Texas"のクレジットによれば、バッハ風のオルガンを弾いているのは、Sauce (Arturo "Sauce" Gonzalesのこと …例のストックホルム・ライヴに参加していた人)となっています。
今回、Doug Sahm & Randy Garibayとクレジットされた、"Will You Love Me Manana"は、先の"Deep In The Heart Of Texas"では、Sir Doug Saldana名義で収録されていました。
曲はもちろん、ゴフィン&キング作のシレルズのカバー、"Will You Still Love Me Tomorrow"で、アコーディオンのイントロから、途中、スペイン語歌詞が入るバイリンガル・バージョンです。
"Deep In The Heart Of Texas"のクレジットでは、アコ奏者がSantiago Jimenezとなっていますが、どうでしょうか?
ボーカル、ギター担当のRandy Garibayは、Dougの古い友人で、晩年にソロ・アルバムを数枚出している、チカーノ・ブルースマンの異名を持つ素晴らしいシンガーです。
(Doug Sahmの88年の名作ソロ、"Juke Box Music"で、"What's Your Name"をDougとデュエットしている人です。)
さて、今回の目玉2曲です。
"Yonder Walls"(原文のママ)は、古いブルースのカバーですね。
私が最も親しんでいたのは、Elmore James盤ですが、DougはやはりJunior Parker盤がお手本でしょうか。
他にも様々な人がやっている有名曲で、ハーピストが好んでやッていたというイメージがある曲です。
ボーカルのバックでせわしないブルース・ギターが鳴っていますが、Doug自身のプレイでしょうか。
ライヴのような歓声が曲の終わりに入っていて、次のメドレーに続きます。
"Toghether Again 〜 I Love You A Thousand Ways"は、打って変ってカントリーの有名曲のメドレーです。
バック・オーウェンス 〜 レフティ・フリーゼルのナンバーで、ベイカーズフィールド・カントリーとプリ・ペイカーズのコースト・ホンキートンクのリレーです。
"I Love You A Thousand Ways"は、Augie Meyersが82年のソロ・アルバム、"Still Growin"(未CD化)でジャンプ・ブルース・アレンジでやっていて、大好きな曲です。
ここでのDougのバージョンは、あまりひねらず、王道のホンキートンクですが、ロッキー・モラレスぽいサックス・ソロが入っていて、観客の口笛「ヒューヒュー」もかすかに記録されています。
ろうろうと歌うDougの鋼のノドに萌えます。
いずれも絶対必聴とまでは言えませんが、埋もれさせるには惜しい演奏で、Doug、Augieのファンなら聴くほかないレア音源です。
完成度だけで言うなら、Augieの"Little Fox"が一番の出来かも知れません。
(Augieの自作でもありますので…。)
でも、Dougのライヴ音源、とりわけカントリー・メドレーは、繰り返し聞くとじわじわと効いてきます。
今夜は、引き続きDoug Sahm三昧で眠りにつきたい、そんな夜です。
Will You Still Love Me Tomorrow - (¿Me amaras mañana?)
by The Shirelles
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