2012年06月03日
ヌエボ・ワボ
ジャケのポップさがツボにはまって、買うしかなかったCDです。
しかも、内容が最高ときているので言うことなしです。
Joe King Carrascoの初期の音源をまとめたゴキゲンな編集盤です。
本盤は、発売年の記載がないのですが、おそらくは11年のリリースではないかと推測します。
なぜなら、本盤をプレスしたAnaconda Recordsは、同じ年、Joe King Carrascoの過去の音源を多数復刻しているからです。
タイトルの"Nuevo Wavo"は、"New Wave"という意味だと思います。
1. Houston El Mover
2. One More Time (Roy Head)
3. Let's Get Pretty
4. Caca De Vaca
5. Bad, Bad Girls
6. Don't Bug Me Baby
7. Buena
8. Nervoused Out
9. Betty's World
10. I Get My Kicks On You
11. Party Doll (Buddy Knox)
12. Gimme Sody, Judy
13. Susan Friendly
14. Federales
15. Wild 14
16. Bad Rap
17. Gin Baby Gin
18. That's The Love
19. Ta U La Ou Va
とにかく、ジャケットのイラストに眼が惹きつけられました。
全19曲入り、Joe King Carrascoのキャリアのうち、Crowns時代の最初期の音源を集めています。
ロックのすう勢が、ニューウェイプへと向かっていた時代です。
78年にDoug Sahm人脈が多数参加したオルケスタ、El Morino BandでデビューしたCarrascoは、翌79年にRior Recordsから、Joe King Carrasco and the Crowns名義の最初のアルバム、"Tales From The Crypt"をリリースします。
これは、ニューヨーク録音でした。
(この時期、Doug Sahm人脈のうち、John Perez、Speedy Sparksが引き続きCarrascoと関わっていました。)
私は、Carrascoはきっとサンアントニオ録音が大半だろうと思っていたのですが、この時期はニューヨーク録音がメインだったようです。
彼のオフィシャル・サイトには、初期のアルバムについて簡単に紹介したページがあります。
それを読んでいると、手元にあるLPと矛盾があったりして、本人のサイトでも、記憶違いなどがあるのではと思ったりしています。
彼のサイトによれば、Crowns初期のアルバム・リリースの流れは以下のとおりです。
79年 Tales From The Crypt (米Rior盤) 12曲入り
81年 Party Safari (米Hannibal盤) 4曲入りEP
上記79年盤と1曲重複、以下の2枚とは重複なし
81年 Joe King Carrasco and the Crowns (米Hannibal盤)12曲入り
79年盤と7曲重複
81年 Joe King Carrasco and the Crowns (欧Stiff盤)12曲入り
米盤と同名だが4曲が差し替えられている。
しかし、私の手元にあるStiff盤LP(英盤ではなく独盤ですが)は、80年発売と記載されています。
独盤のプリント・ミスという可能性もないとはいえませんが、どうも混乱します。
米Hannibal盤を持っていないということもあり、何ともモヤモヤがつのります。
ちなみに、79年の"Tales From The Crypt"は、84年に再発された際、ボートラとして"Party Weekend"が追加収録され、13曲入りとなりました。
前年の83年に"Party Weekend"というLPが出ていますので、ここからタイトル曲を拝借して追加したのでしよう。
現在流通している"Tales From The Crypt"のCDは、84年再発盤LPを元に00年にリリースされたもので13曲入りです。
試みとして、本盤の内容を把握するため、並べ替えをしてみました。
以下のとおりです。
79年 Tales From The Crypt (米Rior盤) から
2. One More Time
3. Let's Get Pretty
4. Caca De Vaca
7. Buena
9. Betty's World
14. Federales
15. Wild 14
18. That's The Love
81年 Party Safari (米Hannibal盤) 4曲入りEPから
16. Bad Rap
17. Gin Baby Gin
19. Ta U La Ou Va
81(?)年 Joe King Carrasco and the Crowns (米Hannibal盤、欧Stiff盤 共通)から
6. Don't Bug Me Baby
8. Nervoused Out
10. I Get My Kicks On You
11. Party Doll
13. Susan Friendly
81(?)年 Joe King Carrasco and the Crowns (米Hannibal盤)から
1. Houston El Mover
12. Gimme Sody, Judy
不明
5. Bad, Bad Girls
"Bad, Bad Girls"の出典が分かりませんでした。(最高に楽しいSDQライクなサウンドの曲です。)
そして、何気に4曲入りEP、"Party Safari"は貴重盤だったんですね。
何度か中古盤を目撃していましたが、購入せずスルーしていました。
本盤に収録された3曲のうち、"Gin Baby Gin"と"Ta U La Ou Va"を収めたCDは、私の知る範囲では他にありません。
ちなみに、本CDのクレジットでは、各曲個別のデータの記載はなく、全体として80年及び81年録音となっており、なおかつ録音場所はNew York、Austin、L.A.となっていて、何が正しいのか更に謎は深まるばかりです。
同じ曲をオースティンやロスで再録音した可能性もないとは言えませんが、この間、メンバー交代もないので必要性に疑問があります。
ありうる可能性としては、米Rior Records盤と米Hannibal Records盤では音源が違うということです。
だとすれば、本CDの録音時期が80年81年になっていることとも符号します。
とはいえ、米国欧州(ここでは英国)ともにオリジナル盤を持っていないので、確たる比較は出来ないのでした。
などと、くだくだと綴ってきましたが、最初に書いた通り、内容は素晴らしいの一言です。
非常に習慣性、中毒性の高い音楽で、クリス・カミングスのオルガンが鳴り始めると、脳みそがパブロフの犬状態になってしまいます。
Sir Douglas Quintetのサウンドとの共通性も高く、Doug Sahmファンならニヤリとなるフレーズもそこかしこに散見しています。
ロイ・ヘッドやバディ・ノックスのカバーも、独特の解釈が楽しいです。
その長いキャリアの全てが駄作なしといいたい人ですが、とりわけこの初期Crowns時代は輝いていると思います。
最近作で、Crownsをオリメンで再結成したCarrascoさん、まだまだ楽しませてくれると思います。
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しかも、内容が最高ときているので言うことなしです。
Joe King Carrascoの初期の音源をまとめたゴキゲンな編集盤です。
本盤は、発売年の記載がないのですが、おそらくは11年のリリースではないかと推測します。
なぜなら、本盤をプレスしたAnaconda Recordsは、同じ年、Joe King Carrascoの過去の音源を多数復刻しているからです。
タイトルの"Nuevo Wavo"は、"New Wave"という意味だと思います。
Nuevo Wavo
Joe King Carrasco & The Crowns
Joe King Carrasco & The Crowns
1. Houston El Mover
2. One More Time (Roy Head)
3. Let's Get Pretty
4. Caca De Vaca
5. Bad, Bad Girls
6. Don't Bug Me Baby
7. Buena
8. Nervoused Out
9. Betty's World
10. I Get My Kicks On You
11. Party Doll (Buddy Knox)
12. Gimme Sody, Judy
13. Susan Friendly
14. Federales
15. Wild 14
16. Bad Rap
17. Gin Baby Gin
18. That's The Love
19. Ta U La Ou Va
とにかく、ジャケットのイラストに眼が惹きつけられました。
全19曲入り、Joe King Carrascoのキャリアのうち、Crowns時代の最初期の音源を集めています。
ロックのすう勢が、ニューウェイプへと向かっていた時代です。
78年にDoug Sahm人脈が多数参加したオルケスタ、El Morino BandでデビューしたCarrascoは、翌79年にRior Recordsから、Joe King Carrasco and the Crowns名義の最初のアルバム、"Tales From The Crypt"をリリースします。
これは、ニューヨーク録音でした。
(この時期、Doug Sahm人脈のうち、John Perez、Speedy Sparksが引き続きCarrascoと関わっていました。)
私は、Carrascoはきっとサンアントニオ録音が大半だろうと思っていたのですが、この時期はニューヨーク録音がメインだったようです。
彼のオフィシャル・サイトには、初期のアルバムについて簡単に紹介したページがあります。
それを読んでいると、手元にあるLPと矛盾があったりして、本人のサイトでも、記憶違いなどがあるのではと思ったりしています。
彼のサイトによれば、Crowns初期のアルバム・リリースの流れは以下のとおりです。
79年 Tales From The Crypt (米Rior盤) 12曲入り
81年 Party Safari (米Hannibal盤) 4曲入りEP
上記79年盤と1曲重複、以下の2枚とは重複なし
81年 Joe King Carrasco and the Crowns (米Hannibal盤)12曲入り
79年盤と7曲重複
81年 Joe King Carrasco and the Crowns (欧Stiff盤)12曲入り
米盤と同名だが4曲が差し替えられている。
しかし、私の手元にあるStiff盤LP(英盤ではなく独盤ですが)は、80年発売と記載されています。
独盤のプリント・ミスという可能性もないとはいえませんが、どうも混乱します。
米Hannibal盤を持っていないということもあり、何ともモヤモヤがつのります。
ちなみに、79年の"Tales From The Crypt"は、84年に再発された際、ボートラとして"Party Weekend"が追加収録され、13曲入りとなりました。
前年の83年に"Party Weekend"というLPが出ていますので、ここからタイトル曲を拝借して追加したのでしよう。
現在流通している"Tales From The Crypt"のCDは、84年再発盤LPを元に00年にリリースされたもので13曲入りです。
試みとして、本盤の内容を把握するため、並べ替えをしてみました。
以下のとおりです。
79年 Tales From The Crypt (米Rior盤) から
2. One More Time
3. Let's Get Pretty
4. Caca De Vaca
7. Buena
9. Betty's World
14. Federales
15. Wild 14
18. That's The Love
81年 Party Safari (米Hannibal盤) 4曲入りEPから
16. Bad Rap
17. Gin Baby Gin
19. Ta U La Ou Va
81(?)年 Joe King Carrasco and the Crowns (米Hannibal盤、欧Stiff盤 共通)から
6. Don't Bug Me Baby
8. Nervoused Out
10. I Get My Kicks On You
11. Party Doll
13. Susan Friendly
81(?)年 Joe King Carrasco and the Crowns (米Hannibal盤)から
1. Houston El Mover
12. Gimme Sody, Judy
不明
5. Bad, Bad Girls
"Bad, Bad Girls"の出典が分かりませんでした。(最高に楽しいSDQライクなサウンドの曲です。)
そして、何気に4曲入りEP、"Party Safari"は貴重盤だったんですね。
何度か中古盤を目撃していましたが、購入せずスルーしていました。
本盤に収録された3曲のうち、"Gin Baby Gin"と"Ta U La Ou Va"を収めたCDは、私の知る範囲では他にありません。
ちなみに、本CDのクレジットでは、各曲個別のデータの記載はなく、全体として80年及び81年録音となっており、なおかつ録音場所はNew York、Austin、L.A.となっていて、何が正しいのか更に謎は深まるばかりです。
同じ曲をオースティンやロスで再録音した可能性もないとは言えませんが、この間、メンバー交代もないので必要性に疑問があります。
ありうる可能性としては、米Rior Records盤と米Hannibal Records盤では音源が違うということです。
だとすれば、本CDの録音時期が80年81年になっていることとも符号します。
とはいえ、米国欧州(ここでは英国)ともにオリジナル盤を持っていないので、確たる比較は出来ないのでした。
などと、くだくだと綴ってきましたが、最初に書いた通り、内容は素晴らしいの一言です。
非常に習慣性、中毒性の高い音楽で、クリス・カミングスのオルガンが鳴り始めると、脳みそがパブロフの犬状態になってしまいます。
Sir Douglas Quintetのサウンドとの共通性も高く、Doug Sahmファンならニヤリとなるフレーズもそこかしこに散見しています。
ロイ・ヘッドやバディ・ノックスのカバーも、独特の解釈が楽しいです。
その長いキャリアの全てが駄作なしといいたい人ですが、とりわけこの初期Crowns時代は輝いていると思います。
最近作で、Crownsをオリメンで再結成したCarrascoさん、まだまだ楽しませてくれると思います。
Houston El Mover by Joe King Carrasco and the Crowns
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