ウッドデッキDIYには必須ともいえるアイテムの電動丸ノコに関するものだけに非常に気になるニュースだ。
その内容は以下のとおり(出典:消費者庁ニュースリリース)。
ビビッてばかりいては何もできない。
でも、どんな危険があるか知らないで作業することだけはあってはいけない。
60歳以上の高齢者の事故が多くなっているという統計だけれど、高齢で力がどうこう、というよりも慣れによる油断が影響しているのでは?という気もする。
面倒でも是非、全体を一読して、気を引き締めてからウッドデッキDIYに取り組みましょう。
剪定や木材等の切断に使われる電動のこぎりは、ホームセンターやインターネット通販などを通じて、個人でも簡単に購入できる電動工具です。
しかし、電動のこぎりは、使用方法を正しく理解して作業しないと、突然思わぬ方向に動くことがあり、誤って自分の手や指を切断するという重大な事故につながることがあります。中には、大腿部だいたいぶの受傷に伴う出血多量による死亡事故が起きています。
電動のこぎりを使用するときは、次の点に注意して安全に使用しましょう。
(1)使用する前には取扱説明書を必ず読み、書かれている注意事項を必ず守りま
しょう
(2)意図しない方向に刃が跳ねる可能性を認識して慎重に作業しましょう
(3)作業は明るく整理整頓された場所で行いましょう
(4)作業は適切な服装で行い、防護めがね、防じんマスク、耳栓などの安全防護具を利用しましょう
(5)家族などへ声を掛けてから作業を開始しましょう
1. 電動のこぎりによる事故の発生状況
「電動工具(丸のこ)を使用していたところ、何らかの理由により、右大腿部を負傷し、死亡。」として、電動のこぎりによる重大事故等が、消費者安全法第 12 条第1項の規定に基づき、令和元年6月 26 日に通知されました。また、医療機関ネットワーク事業1に参画する医療機関から、電動のこぎりに関する事故情報が平成 22 年 12月から令和元年6月末までに 87 件寄せられています。被害者の年代別の傾向をみると、年代が上がるほど事故情報の件数が多くなり、全体の 61%は 60 代以上の高齢の方の事故になっています(図1)。
被害者の危害部位別では、「手指」の受傷が一番多く、次いで「大たい・下たい」が多くなっています(図2)。
2.事故の事例
(1) 消費者安全法第 12 条第1項の規定に基づく重大事故等
(2) 医療機関ネットワーク参画機関から寄せられた、電動のこぎりによる事故事例
【事例1】電動のこぎりの操作を誤り、右大腿部を切った。
(2019 年4月 70 歳代 男性)
【事例2】発泡スチロールを電気のこぎりで切断中、誤って右手指を切断した。
(2019 年4月 50 歳代 男性)
【事例3】板を電動のこぎりで切断中に、電動のこぎりが跳ねて、誤って左手の親指を切断した。
(2018 年6月 70 歳代 男性)
【事例4】庭の木を電動のこぎりで伐採中に、誤って左手の薬指を切断した。
(2016 年 10 月 70 歳代 男性)
【事例5】自宅で木材を電動のこぎりで切断中、木材の固定が甘く、切断中に木材が跳ねてしまい、木材の角が左手小指に当たり骨折した。
(2016 年3月 50 歳代 男性)
3.電動のこぎりの特徴
(1) 電動のこぎりの種類
・電動のこぎり
通常ののこぎりのように刃が前後に往復して材料を切断するタイプの電動のこぎりです。
庭木の剪定や、木材、プラスチック、金属等を大まかに切断するのに向いています。
・電動丸のこ
円盤状の刃が回転して、材料を切断するタイプの電動のこぎりです。
板をまっすぐ直線状に切断するのに向いています。ただし、材料を確実に固定できない、庭木などを切断するのには向いていません。
2(1)の重大事故等は、このタイプで発生しています。
(2) キックバック現象
電動のこぎりは、使用中に「キックバック」と呼ばれる特徴的な動きをすることが知られています。2(2)の事故の事例でも「電動のこぎりが跳ねて」、「切断中に木材が跳ねて」などが見られるように、この現象は、材料の反りやたわみによって刃が詰まって動かなくなったとき、その反動で電動のこぎり本体や材料が作業者側に跳ね飛ばされるものです。
特に、この際、作業者が意図しない方向へ、電動のこぎり本体が突然飛ばされるので、大きな事故の原因となります。
※ キックバックとは、電動工具の刃などの作動部分が材料に負けて、作動部分が動かなくなってしまい、その
結果、作動部分が動く代わりに、電動工具本体や材料の方が暴れてしまうこと。つまり、材料が切れずに、刃
が付いた電動工具が飛んできたり、材料が跳ね飛ばされたりすることである。また、電動工具が暴れることに
よって、刃に無理な力がかかって、刃が折れて飛ぶこともある。
<キックバック現象による事故を防ぐために>
・切断中に材料が反ったりたわんだりしないよう、固定できる場合には材料をクランプや万力などで固定し、電動のこぎり本体は確実に保持して作業することが重要です。
・刃が詰まって動かなくなったときは、無理に刃を材料に押し付けたりせずに、スイッチを切り、のこ刃の動きが止まってから、材料から刃を抜きましょう。のこ刃が動いたまま持ち上げると強い反発力が生じ、けがの原因になります。
4.電動のこぎりを安全に使用するために
(1)製品を使用する前には取扱説明書を必ず読みましょう
電動のこぎりは、誤った取扱いをすると、死亡や重傷など重大な事故につながる可能性の高い製品です。使用する前には必ず取扱説明書を読み、その製品の特性や正しい操作方法を十分に理解してから使用しましょう。
また「警告」、「危険」等の安全に関する注意項目も必ず読み、起きやすい事故や危険を想定した上で、慎重に使用するようにしましょう。
(2)意図しない方向に刃が跳ねる可能性を認識して慎重に作業しましょう
電動のこぎりは、使用中に「キックバック」と呼ばれる特徴的な動きをすることが知られています。材料の反りやたわみによって刃が詰まって動かなくなったときに発生するため、固定できる場合には材料をクランプや万力などで固定し、電動のこぎり本体を両手で確実に保持して作業しましょう。刃が詰まって動かなくなった
ときは、スイッチを切ってから、材料から刃を抜きましょう。
(3)作業は明るく整理整頓された場所で行いましょう
手元がよく見えない暗い場所、安定した姿勢が保てないような散らかった場所では、事故を起こす可能性が高くなります。
(4)作業は適切な服装で行い、防護めがね、防じんマスク、耳栓などの安全防護具を利用しましょう
袖口が大きく開いた服、裾が広がっている服などは、電動のこぎりに巻き込まれる危険性があります。また、長い髪はまとめる、ネックレス等は外す、首にタオルをかけないこと等にも注意しましょう。
作業時の粉じんや音で注意力が散漫にならないよう、防護めがね、防じんマスク、耳栓などの安全防護具を利用しましょう。
電動丸のこなどの回転部のある製品では、巻き込まれ防止のために「手袋・軍手ははめないで操作して下さい」と指示されている場合があるので、取扱説明書の指示に従いましょう。
(5)家族などへ声を掛けてから作業を開始しましょう
一人で作業をしていると、万が一の事故が起きたときに、発見や救護が遅れる可能性があります。特に高齢の方が作業をするときは、家族などへ声を掛けてから作業を開始するようにしましょう。
<参考>
・国民生活センター
家庭用電動工具の使い方に注意!(平成 23 年 12 月8日)
−指の切断や内臓損傷の事故も−
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