寮ですが、2人部屋の旧態依然としたもので
地元の社員はほとんど入っていませんでした。
そこへ僕たち出張組が占領した形に。他の出張
組も含め2棟ある寮はほぼ埋まっていました。
ちなみに、地元の寮費は無料ですが転勤ではなく
出張扱いなので、東京の住居の家賃も払う事に。
オリエンテーションが終わり、名札が配布、
しっかり「応援」と書いてある。上流工程では
危険な薬品も使う、黄色照明の部屋もありました。
僕は下流工程の完成品に近いものを扱う部署に。
とはいえ、初めての交代勤務。4日昼勤→
2日休み→4日夜勤→2日休みのサイクル。
基本的には2交代で、昔は3交代だったが
休みがないのでこうしたらしい。
加えて立ち仕事も初めて。作業服の上に
宇宙服のようなスーツを着てクリーンルームへ。
全てが初めてで、慣れない作業。それも設計から
全く畑違いの半導体。なんじゃこりゃ。
同部屋になった同僚も、これには参って二言目
には「辞める」のオンパレード。そう、上司に
行きたくないと訴え却下された彼でした。
そんなに嫌なら辞めなさい。それが使う側の論理。
余剰人員扱いの現実を見せられ浮足立つ彼。
この荒れ様は僕らだけでなく、他の応援組も同じ
だったようで、寮の相方が合わないので部屋を
変わろうといった話もあったようです。
寮は寂しい田園地帯にあり、近くにパチンコ屋
が1店と殿様商売のスーパーが1店。食堂も1店
ありましたが、味の評価は分かれていました。
交代勤務で稼いだ金を、上記のパチンコ屋に
50万吸い上げられたとぼやいている応援者も。
娯楽もなく、ストレス発散の場もないのが
強制労働(?)も相まって、人心ささくれ立つ
原因ではなかったか。
仕方がないので、ファミコンなど家庭用ゲーム
を寮に持ち込んでちまちま遊ぶしかない。
いかに半年間気を紛らわせ、やり過ごすかが
僕らの重要なミッションでした。
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