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2019年09月05日

番外編最終章:自己満足

半導体工場へ出張扱いで飛ばされた10人の
中に、開発部門時代の先輩Bも含まれていました。



何故彼が余剰人員扱いで応援に行かされたのか?
先輩Bは開発部門時代から品質管理部門に異動を
希望していました。



品質管理部門は開発より下流工程になります。
製品を出荷できるか試験する工程で、労働時間
は開発より長くなりますが、精神的重圧は軽く
なります。



品質管理部門に異動した先輩Bは、ほぼ定時で
帰っていたらしい。本人曰く「要領よく仕事を
捌いていた。残業多い奴は能力が低い」



しかし、使う側から見て「他の社員は残業して
いるのにこいつだけほとんど残業していない」
と、余剰人員扱いに。



俺は能力が高く、品質管理部門の仕事は大した
事はないから定時で上がれる。先輩Bの言い分は
こうでしょう。しかしその当時、使う側の評価は
そんなに単純ではありませんでした。



こんな片田舎の工場に応援、それも全く畑違いの
作業員を志願するものか。誰だって行きたくない。



それが行かされてしまったという結果は、組織の
評価する構造を理解していなかった、自己満足の
成果主義になっていたに他なりません。



先輩Bは開発時代、僕をdisることに血道を上げ
「史上最低のサラリーマン」とさえ言いました。
これは当時少年ジャンプ連載の、ペナントレース
やまだたいちの奇蹟からもじったもの。



パワハラで訴えられそうな文言ですが、今思えば
開発者としての自信なき故の、僕をマウントする
為の方便ではなかったか。



先輩Bは半導体工場でも、俺は要領よくやっている
と主張していましたが、水ぼうそうにかかり一週間
ほど仕事に穴を開けました。



先輩Bのお見舞いに行くと、顔にまで発疹した姿を
見るに思ったのです。環境の変化が引き金となり、
これまでの生き様が文字通り吹き出て来た。



散々disられていた僕ですが、先輩Bも口で言うほど
大した事はないんだな。応援者という同じ穴の
ナントカになってみて、改めて気づいたのでした。

【i-Say】





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かつて10年ほど警備業界で従事してきましたが 限界を感じ、同業界を去りました。 今は港湾施設保安職員として、港湾管理業務に従事しています。
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