2007年05月31日
実験演習の思い出
今日の覚書は若干のメッセージをからめて昔話を少々。
工学部の学生ならば当然、必須科目の実験を避けて通れるわけもなく、時としてチンプンカンプンな実験もやったりしていました。まぁ、実験自体は面白いんですが、当時はエクセルやワードを使ったレポートの提出などはなく全て手書き。自由曲線定規を方眼紙に押し当てグラフを書き、電卓を片手に表を埋めていったものです。
そんな学生時代に苦戦したのが「測定」です。温度や重量、電流に電圧などを測るのですが、計測誤差を考えて同じ測定を最低10回行い、その平均値を取って出したものを結果として提出しますが、通常実験は班ごとにシフトしていきながら別々に行うため先週同じ実験をした班にこっそり結果を聞きにいくと・・・結構測定結果が違っている。同じものを計測しているはずなのに(笑)。
順序が前後しましたが、「100グラム」と「100.00グラム」とでは意味が違うってご存知だったでしょうか?更に言うと、「10キロ」=「10,000グラム」ってのは算数の世界の話で、実計測の世界では前述の等号は意味を成しません。(例えばあなたの体重が72キロだとしても、72,000グラムだと断言できないと言えば分かりやすいでしょう)
つまりはどの様な測定器でどの程度の量のものを測定するかで意味合いは全然違ってきます。また、その測定器の適正と言うか長所、短所があり、その事が測定結果に影響することもあります。重量を測る繊細なデジタル計測器に測定対象を置きっぱなしにしていたため、長時間にわたり計測部に負荷がかかった結果、測定対象を取り除いたのにデジタル表示は「0.029g」の表示から戻らなかったりして教官に注意を受けている班もありました。
一番笑ったのは全実験の中でも1,2を争う難しい実験で、こっそり別の班の計測結果を流してもらって実験した班の話。いくら実験を繰り返しても、以前にOKをもらった班の結果とかけ離れていて頭を抱えていました。が、実はその計測結果、春先に行われた実験の結果でこっそりカンニングしながら実験した班は真夏に実験をしたため、温度差が計器に影響したと言うのがオチでした。(本来なら温度、湿度が一定の状況で行わなければならない実験だったのですが・・・まぁ、その代わりに実験時の温度、湿度もレポートに書かなければならないルールになってましたし)
まさにこれらの特徴や性質を理解せずに闇雲に使っても「無用の長物」と言うわけです。
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