24/07/02(火)Google Discoverが「ブルームバーグ・ビリオネア指数」の記事を勧めてきた。
参考:マイクロソフトのバルマー前CEO、富豪番付で初めてゲイツ氏超え
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-07-01/SFYR3OT0AFB400
記事は"バルマー氏の純資産1572億ドル(約25兆3800億円)のうち、90%余りがマイクロソフト株"という内容だが、彼がCEOを務めた2000年から2014年までのMicrosoftはどうだったのか?
「エンタープライズ製品に注力しWindows Server、SQL Server、Azureなどの企業向けソフトウェアとサービスを強化し売上と利益の増加」に成功した一方「Windows Phone、Zune(音楽プレーヤー)、Surface RTの撤退によりAppleやGoogleといった競合他社が急速に成長した」という失敗も犯している。
まあこの失敗により市場シェアを失ったお陰でAppleやGoogleほど米国連邦取引委員会(FTC)と司法省(DOJ)や欧州連合(EU)の欧州委員会に目を付けられずに済んでいるのだからホント企業経営も「禍福は糾える縄の如し」だ。
2000年1月スティーブ・バルマー氏就任時の株価は約50ドルだったがドットコムバブルの崩壊で約20ドルまで値下がりしその後回復したものの2008年のリーマン・ショックで約25ドルまで値下がりし2014年1月の退任時は約40ドルだった。この14年間は色々な経済ショックもあり株価は水平飛行のままだった。
そう、株の資産額は売却して初めて利益は確定するし売却益に税金は掛かるから保有資産額は「描餅」みたいなものと感じる。実際バルマー氏は何株持っているのだろうか?
純資産1572億ドルの9割がMSFT株だと仮定すると1414.8億ドル相当になる。6/28(金)の株価終値は446.95ドルなので316,545,475株も持っていることになる。多く見積もって3.2億株だろうか。
四半期毎に1株あたり0.75USDの配当金が支払われるので年間9.6億USDの配当金が出て源泉徴収税30%の2.88億USDが減額された6.72億USDを手にしていることになる。
毎年これだけ資産が増えて行くのかと思うとトマ・ピケティが『21世紀の資本論』で説いた「資本収益率 (r) > 経済成長率 (g)」式は説得力がある。
さて、昨今のAIブームが"福"だとしたら"禍"はシンギュラリティになるのだろうか?