僕が警備員を辞めた理由

上記は、天網恢恢疎にして漏らさず
（てんもうかいかいそにしてもらさず）
出典は中国古典「老子」から。



天の張る網は、広くて一見目が粗いようで
あるが、悪人を網の目から漏らすことはない。



悪事を行えば必ず捕らえられ、
天罰をこうむるということ。
という意味ですが



今回は、警備に限りませんが
ザルのような仕組上の欠陥を、
徳で補っている現場もあることと



その徳に報いないと、組織が衰退すると
いう話をします。



皆さんの従事する現場で、ハード面の
不備を、人で補っているケースも
あると思います。



ハード面とは、物理的な遮蔽物や監視
カメラなど。ドアセンサーで開閉状況が
わかるものもありますね。



それらが故障し、機能不全になって
しまった。もともとそれらがない現場も
あります。



当然、監視や巡回などでカバーする必要が
あるのですが、その人さえ足りなくなる。
人が足らないから、うまくやってくれ。



酷いケースになると、欠員を補充せず
ポストは空のままで業務遂行している
現場（施設）を聞きます。



こんな状態でセキュリティーを維持する
には、もはや人の徳しかない。



徳と言いましたが、不定期巡回に出た時に
異常を発見した。監視カメラやセンサーが
あれば、すぐ発見できるもの。



それを神がかり的に（警備センスもあり）
リアルタイムに近い状態で発見して、
対処した、なんて経験はありませんか？



たまたま隊員がその場にいたことで、
難を逃れた。これぞ徳のなせる業。



責任者にとって胃の痛い綱渡りですが、
ハード面の機能不全をカバーしている。



ザルのような警備体制でも、回っていく
のは、徳があるから。天網恢恢疎にして
漏らさず、を実現している。



一方、使う側はこれでいいと看過し
速やかに対処しないと、組織としての
徳を失うことになります。



現場隊員の奮闘（徳）に報いず、
さらなる負荷をかけるような愚行を
行う組織もあるでしょう。



会社として早急に対処しないといけない
のは、ハード面の復旧・改善であり
現場隊員の無理を是正することです。



そして、無理をさせた分報酬で報いる
べきなのです。これをどれだけの会社が
行っているか。



現場隊員の「徳」に報いないと、
組織としての「徳」を失います。



徳に報いるには、手当支給が手っ取り早いの
ですが、当人の希望する現場へ異動させたり
変な隊員を異動させ、人間関係を整備する。



人間関係への配慮が、一番現実的では
ないかと観ます。



こうやって報いないと、有為な（徳のある）
隊員が去って行く。酷くなると、組織としての
不祥事が起こりクライアントの信用を失う。



警備物件を失うなんて事にも
なりかねない。そうなれば大量離脱は
避けられません。



これ、地場警備会社が地元の警備物件を
多く抑えてしまう、いわゆる寡占状態に
できない理由ではないかと。



一つの警備会社で、寡占状態となると
いう、他の警備会社にとって面白くない
状況もありますが



人が足らなくなり、無理な運用で
組織の徳を失う背景も無視できない
のではないか。



中国古典「書経」より
人を弄（あそ）べば徳を失う。
物を弄べば志を失う。



戦国武将、立花道雪が主君である
大友宗麟を諫めたセリフで有名ですね。



基本的には、警備仕様書通り業務を
遂行する。それが機能不全になった
場合、速やかに協議しないといけない。



それを怠り、現場に丸投げすると
徳を失う。そんな現場も散見して
きました。



最後に、徳で現場を支えている
隊員さんは、もっと自信を持っていい。



実務的なパフォーマンスのみ
ならず、見えない部分でも貢献して
いるのだから。



それに報いない会社であれば、
見限るのも一考です。



逆に、行きたい会社や組織があれば
徳があるに越したことはない。



その徳はどのように顕現するのか。
それは過去記事「転職者が狙うべき
職場とは」が参考になると思います。

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