僕が警備員を辞めた理由

今回は、SNSに投稿によって物議を醸した
「残業」について深堀ってみたいと思います。



まず、ある警備会社さんの投稿。



「正社員希望なのに、残業したくない、
夜勤出たくない、休日出勤したくないと
いう応募者がいます。



もちろん気持ちは分かります。でも、
ソレで正社員採用されると思いますか？
他の正社員はどう感じるでしょうか？



どの仕事も正社員を目指すなら責任・自覚
必要です。上記が嫌ならアルバイト応募を
どうぞ！」というもの。



これに対していろんな反応がありました。
賛同するもの、異議を唱えるもの。



僕が個人的に印象に残ったのは、以下の
返信。



「喧嘩売る訳じゃないけど、この文章を
見る限り、正社員になりたいなら奴隷に
なれ、といっているような。



業界的に夜勤出るならまだしも（これも変え
られると思うけど）、休出は企業が変えなく
てはいけないのではないかな？



優秀な隊員が正社員になりたがらないのは
そういうとこ」



すると上記コメントに対する以下返信。



「その通りですね。経営者や主要な役職の方
ならまだしも、正社員たるや残業しろ休出しろ
・・・



これじゃ警備業界全体が今の流れに反している
と思います」



ここでフォーカスしたいのは「残業とは何か？」



僕は警備員になる前は、某電機メーカーの
IT系子会社で正社員雇用されていました。



もちろん残業はありましたが、ノルマや納期を
守るため、やむを得ない事情でするもの。



製品が無事納品できるまで、トラブルが解決
するまで、エンドレスになる感覚もありました。



これから言えば、残業は命削る感覚でやる
人生の切り売り、そういった印象です。



冒頭の警備会社さんの言う「残業」の概念が
見えてきません。そこで、僕なりに定義させて
頂きます。



週４０時間勤務の施設警備の隊員が、他の
現場（雑踏警備など）に応援に行く。



そうすれば、応援に行った勤務分は「残業」
としてカウントするべきです。土日祝に行く
なら休出扱いで。



要は、週４０時間をオーバーする勤務は
時間外手当すなわち残業の対象。



分かりやすくするために、あえて別現場
への応援としました。



即ち、応援に行かない隊員は正社員として
相応しくない。



その警備会社さんは、そういった労務管理を
しているのでしょうか？週４０時間の勤務で
賞与含め年収３００万以上でしょうか？



と言うのも、別の返信で以下のコメントあり。
「どのくらいの給料で、正社員を募集している
のかな？という興味があります。



私が見聞きした範囲では、給料と社員レベルの
相関はかなり高いので」というもの。



上記警備会社さんは、警備だけでなく他業界
でも同様の”正社員としての”コメントとして
いました。



もはや正社員は肩書きに過ぎないのでは。
ブラック企業が正社員の価値を暴落させ
ました。



僕の地元では、大手以外は日給月給制です。
なのに、正社員で募集をしています。
社会保険未加入の会社もあります。



正社員を看板に人を集められる時代でもない
のでは。大事なのは労務管理の実態。



地場警備会社で正規雇用というのは、営業や
管制といった、事務所スタッフというのが
個人的な認識です。



彼らは、入札で負けて現場を取られても
あぶれることはありません。会社経営が
傾いてリストラされる事はあるでしょう。



このように、雇用の継続性を担保できる
ものが無ければ、正社員とはいえない。



労働者契約法が改正され、勤続５年以上
の希望者は、希望すれば無期雇用に転換
することが可能になりました。



これを警備に適用しようとしても、
入札で負け、働く現場が消滅して
「仕事ありません」と干されれば終わり。



仕事にあぶれれば、移籍していくのが
警備業界の恒例です。制服だけ変わり
現場に居続ける隊員もいます。



次の記事では、警備における残業の実態
について踏まえた上で、正社員雇用という
看板の価値について観ていきます。

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