僕が警備員を辞めた理由

今回は、ある人から聞いた民間委託の
実態を鑑みながら、労働者として
どうすればいいのか、提案します。



ある人の話とは、道路監視員の民間委託
について。



道路監視員は従来、自治体の職員が行って
来ました。



道路をパトロール車で巡回し、通行に
支障がないか監視業務を行う。



道路上の落下物や動物の死骸の回収、
道路上の小さな穴や欠けくらいなら、
仮補修を行います。



監視業務以外の作業もあるのです。



自治体も財政健全化の名の下に、正規職員
→非正規職員へと置き換えてきました。



そして、民間委託業者への置き換えが進んで
います。



この民間委託、道路監視のパトロール車に
乗る従業員は、誰が乗っているのか。



現場のエースたる正規社員が、乗る訳があり
ません。



孫の小遣い目当ての、高齢者を最低賃金で
募集する。



指導や教育も片手間になるでしょう。
角材が道路に落ちていてもスルー。



道路の穴埋めも、仮補修に使う
レミファルト合材を固めずに乗せただけ。
すぐ崩れます。



インフラの崩壊に繋がりかねない重大事案
なので、住民の苦情をマスコミが拾い上げ
報道しなければならないが、実態は・・・



自治体のコストダウンは、正規職員→
非正規職員→民間委託の順になります。



そして委託業者レベルになれば、最低賃金
で使いたがるでしょう。



道路監視の仕事は、車で一日中走り回る
（概ね１００キロ以上）上に、落下物を
発見する動体視力・俊敏さが要ります。



加えて、仮補修のレミファルト合材の袋
（２０〜２５キロ）を担いで現場まで歩く
体力も要る。



ネコ車（一輪車）を使える場所ならいいの
ですが、古いトンネル内などはそうもいき
ません。



そして何よりも、非正規であれ自治体の職員
ならば、責任を持って従事しようとします。
自治体の看板を背負うプレッシャーもあり。



プレッシャーというより、誇りの要素が
大きいようです。社会のインフラを守る
誇り。



それが視力・体力が劣化した、委託業者が
雇う高齢者に置き換わったら？上記の様な
体たらくになってしまうのです。



委託に切り替わった直後は問題になっても、
長期的にはそれで回ると、ほくそ笑む人が
います。民間委託を推進する側です。



問題なのは、道路監視業務に必要な体力や
スキルに見合った賃金ではなく、如何に
安く使おうと考えるところ。



それが社会のインフラ崩壊になっても、
仕掛けた側はとうの昔に引退しています。



このように「公務員を減らせ」圧力が
深刻な問題になりつつあるのです。



僕も警備員時代、委託業者として働いていま
した。カテゴリ「施設警備〜市役所葛藤編」
「施設警備２〜市役所迷走編」の頃。



以前市役所は、守衛職として正規職員が
警備を行っていました。それが非正規の
嘱託に置き換わっていった。



それが僕ら委託業者になっていった。
正規職員の1/2、非正規職員の2/3の賃金で。



それでも要求されるのは、市役所の職員
としての責任です。この点においては
クライアント側の目光っています。



待遇が悪くなったからといって、働きが
悪くなるのは許されない。市役所職員や
市民の監視下にある訳です。



こんな環境下で、施設警備素人集団の
僕らは業務を軌道に乗せていったのです。



ただこれは特殊なケースで、道路監視業務
などの委託は、自治体職員の目が行き届く
訳ではありません。



労務管理も含め、委託業者に丸投げ。



結論として、民間委託の未来は暗い。
現場で働く人を幸せにできないから。



警備、特に官公庁施設警備はかつて
クライアント側の職員がやっていた事を
委託したもの。



前にも書きましたが、警備の搾取構造から
距離を置くには、自主警備が近道です。



すなわち委託ではなく、その施設に職員と
して雇用される。やっている事は警備に
類するものでも、警備業法の範疇外。



委託、言い換えれば派遣労働のような
働き方が嫌なら、自主警備を目指すのも
一考です。

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