僕が警備員を辞めた理由

タイトルだけでは「はっ？」となりますが、
今回は、道路に立つ警備員は暇そうにして
いても実は、そうではないという話です。



今回の記事では、警備員は２号業務（交通
誘導など）に従事中、これが前提です。



道路に立っている警備員。片側交互通行を
しています。



車両が途切れ、誘導のアクションが止まった。
ここで貴方は道を聞きたい。これNGです。



理由は２つあり、一つ目は交通誘導警備員は
土地感のない所で従事するケースが多く、
地元以外で働くことが多い。



もう一つこれが重要なのですが、警備員は
暇そうにしていても周囲の変化に常に気を
配っています。



状況に変化があれば、すぐに対応しなくては
いけない場面も多々あります。事故を起こす
と命に関わりますから。



もしあなたが、交通誘導警備（片側交互通行）
に従事中、道を聞かれても



「地元じゃないので分かりません」が最適解。
知っていても業務外なので対応しなくてよい。



僕がこう言う背景には、深刻な受傷事故の件を
聞いたからなのです。



僕が最初に勤めた警備会社A社。
入社した当初は交通誘導メインの会社でした。
そこで起こった事案。



片側交互通行に従事中の隊員が、通行人から
道を聞かれた。



親切な彼は、業務外にもかかわらず道を教え
ている対応中に、車に轢かれてしまったのです。



命はとりとめたものの、数か月入院する重傷
でした。その後業務に復帰していたかは分かり
ません。



彼は４００ｃｃのバイクで現場に通っていた
そうです。そんな彼でも、気を許すと重大な
ことになってしまう。



加えて、工事は止まり発注元のクライアント
にも被害が及びます。



親切心でやったことが、クライアント側に
まで被害を与えてしまう・・・



道を聞かれて知っていても、心を鬼にして
「わかりません」と答えるのが吉。



一方、同じ２号業務でも通行止めなら事情が
変わってきます。通行止めはドライバーや
通行人に説明するのも仕事です。



自分が道を知っていて、かつ業務に支障が
ない範囲であれば、人間味のある対応を
するのも悪くないでしょう。



また、片側交互通行で道を聞かれやすい
状況を作らないのも、予防的に有効です。



例えば、誘導しながら喫煙する。規制用の
クッションドラム（丸い樽のようなもの）
に煙草を置いて誘導する隊員も居ます。



これは、休憩時間がないからそうせざるを
得ない労務管理の事情もあります。昼食以外
に、休憩時間はあってないようなもの。



工事作業員のように、決まった時間に
休憩する訳でもない。くわえ煙草で
旗を振る警備員・・・



喫煙する人には気の毒なのですが、可能な
限り、目立つ所（街中など）で喫煙しない
のがベターです。



あと、緩慢な誘導。行けといっているのか
止まれといっているのか分からない誘導。
この辺は現場監督から苦情が来ます。



客観的に「暇そうだな」と思われるところに
外乱が入る。それならばできるだけ忙しい
パフォーマンスを行うのも一つの手です。



以上の背景で、片側交互誘導に従事している
警備員に道を聞くのは遠慮しましょう。



ところで同じ２号業務でも、イベント警備
などの、雑踏警備業務もあります。



雑踏警備でも良く道を聞かれます。この場合
も、できるだけ主催者側のスタッフに振った
方がいい、そう思います。



警備員は、安全の確保の為に配置されている
のであって、案内については優先順位が下がる
もの。



そうでなくても、苦情の矢面に立つのが警備員
です。過去記事：衰退する花火大会（前・後編）
を参考に。



案内に気を取られ、もっと大事な安全確保が
疎かになってしまっては意味がありません。



イベント警備に従事する時は、厳密には業務外
（会場案内など）についてどうするか、上司や
主催者側に確認する必要があります。



もしグレーゾーンであっても、人間味のある
対応をしたいというのが、日本人のいい所です。



後でトラブルにならないためにも、
グレーゾーンの扱いについては、上司との
信頼関係を構築しておきましょう。

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