2015年08月27日
曇り空でも天気予報では「晴れ」になる理由
たまに、天気予報と実際の空模様が違う時ってありますよね。曇り空なのに、「今日って晴れじゃなかったっけ……?」みたいな違和感を今までに抱いたことある人は多いはず。
みなさん、そもそも曇りと晴れはどうやって区別しているかご存知ですか? 実はこれには、ある比率のせいだったのです! 今回は、意外と知らない天気の定義をご紹介します。
■晴れは「雲が8割」でも定義づける
まず、曇りや晴れは、空にかかっている雲の面積で決まっています。
空にかかっている雲の量を、“0割(全く雲がない)〜10割(空全部が雲)”の11段階に分けているのです! 雲の量が0割〜8割までが晴れ。雲の量が9割〜10割ではじめて曇りです。
この基準は気象庁が決めたもの。つまり、空全体の8割が雲でも晴れなんです!
う〜ん、ちょっと無理があるような……。だから、空を見て首をかしげてしまうこともあるのですね。
ここで、ちょっと想像してみてください。空を見上げて8割が雲なら、ほとんどの人が曇りと思いますよね? でも、日本では晴れなんです。そして9割、10割でようやく曇りです。
先に書いたように雨の場合、ほんのちょっとでも降れば雨となるのに対し、雲に対しては寛容というかかなり甘い基準になっています。
そもそも10割の雲は空全部ですから、なんだか恐ろしいですよね。これは、「人間の実感と定義がちょっと違う」と感じてしまう一例だと思います。
■天気予報は人命を守るためのもの!
ちなみに天気予報ですが、日本においては1990年代初頭まで国(気象庁)以外は、勝手に一般向けに予想してはいけないことになっていました。
つまり、「一般人は天気予想するな&発表するな」ということですね。これは、ある意味で仕方がない処置でした。
防災の観点から見ると、適当な天気予報が多数出回ってしまうと、海に漁に出かけて嵐に巻き込まれたり、山で遭難したりする可能性があるからです。国民を守る意味で国家が独占していたんですね。
しかし、1990年代の規制緩和を受けて、天気予報の自由化が行われました。
国家以外でも天気予報・発表をしてもよくなったのですが、基本は国民を守るですから、国がお墨付きをした国家資格気象予報士を取った人だけができます。
人々の命を守るが第一ですから、合格基準も厳しく合格率5パーセント前後の非常に難しい試験です。
予想する人々は、私たちの生活や命を守ろうと一生懸命。たまに予想が外れることもありますが、そんな時も温かく見守りたいですね