2015年08月05日
足のむくみの慢性化は危険信号
みなさんは“下肢静脈瘤”という病気を知っていますか?
下肢静脈瘤は足の血管の病気。足の血管が浮き出て見えたり、むくみが慢性化するなどの症状があります。
現在はかなり治療の負担が軽減されているそうですが、発症してから何年も放置する患者が多い実態が判明しました。
北青山Dクリニックが2014年に下肢静脈瘤の治療を受けた824人にアンケートを実施して得られた379人の声をお届けします。
■放っておくとQOL(生活の質)が下がる“下肢静脈瘤”
“下肢静脈瘤”は下肢(ふくらはぎやすねなど)の血管がボコボコ膨れ上がったり、血管が浮き出て見えるのが特徴。血液の逆流を防ぐ弁がうまくはたらかず、血液が逆流してしまう病気です。
足のだるさや重さ、不快感、かゆみ、色素沈着、慢性的なむくみなどの症状が現れやすく、このような症状が続く場合は下肢静脈瘤のおそれがあります。
足のむくみや不快感はQOLを大きく下げる要因。また、血液が正常に流れないと栄養素の運搬や老廃物の排出も滞り、さまざまな不調を引き起こす原因にもなりかねません。
■発症してから10年以上も放置している人が多い!?
治療を受けた人に発症時期を訪ねた結果、50%もの人(194人)が「10年以上前から」と回答。「5年前から」が約19%、「3年前から」が約5%、「1年前から」が約9%でした。
過半数もの人が10年以上も治療を受けずに放置していた実態が判明。治療を遅らせてきた原因を尋ねると「入院が必要だったから」「手術が怖かった」などの声が寄せられました。
また、治療に踏み切った理由としては、79%の人が「症状の悪化」を挙げています。
まだまだ治療を先延ばしにしている人も多いかもしれません……!
■現代の医療技術なら日帰りで治療が可能!
実は、以前は1週間の入院が必要だった下肢静脈瘤の治療も、現在は日帰りで可能になっているそうです。手術にかかる所要時間も10分程度と、かなり負担が軽減されています。レーザーや高周波など低侵襲な血管内治療も普及してきたそうですよ。
こういった現状を知らずに、治療を見送っている人がいたらもったいないですね。まだ足に違和感を覚えたことがないという場合も、症状が出てから焦ることのないように治療可能だと知っておくことが重要です。
■座りっぱなし&立ちっぱなしの時間が多い人は要注意!?
足のめぐりが悪くなる要因は加齢による血管の老化だけではありません。立ちっぱなしや座りっぱなしの姿勢を長時間続けていると、体液のめぐりが滞ってしまいます。めぐりをスムーズにするためには、小まめに身体を動かす習慣をつくったり、入浴時にリンパマッサージなどを取り入れたりするのがおすすめ。めぐりを良くすることは、栄養を行き渡らせて血管の老化を抑制することにもつながります。
足の不調を放っておけばQOLを下げるばかり。ちょっとでも「おかしいな」と思ったら、医師に相談してみることをおすすめします。