2019年03月15日
戯曲「正義の代価/what price for Justice?」 00 ルス.バーネットRuth Barnett
戯曲「正義の代価/what price for Justice?」 00 ルス.バネットRuth Barnett
ルス.バーネット(1935-) ベルリン生れ
父.ユダヤ人はベルリン裁判官 ナチスの対ユダヤ法(1933) 公職より追放
6年の潜伏の後 上海へ逃亡
母.ドイツ人 映画向けコマーシャル制作
ユダヤ人の夫 その子供を儲けアーリア人の血を穢したと咎められる
夫と共に上海逃亡を試みるが 戦争がそれを阻止
ドイツに居て 密に同様の妻たちと反ナチス.プロパガンダ運動を続ける
キンダートランスポート 1939年2月父親が手配し 母親と共に渡英
だが英政府は親の受け入れを拒否していた為 母親は僅か1週間の滞在の内
幼いマーティン(6)とルス(4)を 育ての親に託す
”母親が 言葉も交わさず 或る日突然 二人の元から消え去った事を思い出す”
とルスは語る
兄弟はクエーカー教徒の支援の下に置かれたが 最初の里親は ルスに辛くあたり 時に暴力も振るった
幸いなことに 兄弟二人は引き離されなかった為 4回里親が替わったが
精神的に支え合えた とルスは語る
そして 最後の里親となる 農家 と馬の世話に ルスは渡英後始めて平安を覚える
”馬は私に何も要求しない 私がどんな気分の時でも いつも其の侭の私を受け入れてくれる
彼等は私の真の家族 決して互いに争うことはない” とルスは語る
終戦から4年後 そんな日々を送るルス(14)の元へ ドイツ赤十字を通じ 子供の居場所を知った母は
家族の合流を夢見 再会を果たすのだが
キンダートランスポートの子供たちは 敵国英国で ドイツ.ユダヤ人といじめられる日常にあって
両親が迎えに来ることを固く信じ堪え忍ぶ しかし 10年待ってもその日は来ず
更に悲惨なドイツの様子をニュース等で知り 観念するのだ
そして自身の英国人化に務めるのであった
そんな時 突然 母親だと名乗る女性が現れ しかし
”それは墓場から表れた幽霊も同様で 母の事を何も思い出せない 言葉も通じない
心が全く母と繋がらなかった” とルスは悲しい思い出を語る
にも拘わらず 未成年者のルスは 父親の手配により ドイツの両親の元へと送り戻される
しかし 思春期のルスにとり 英国の農家/馬/家族 は彼女の存在を支える全てであった
母の努力虚しく 僅か1年で ”学校休暇の際は必ずドイツの両親と共に過ごす”事を約束し
英国へと戻る
兄は既に ケンブリッジ大学/物理の入学が決まっていたため 英国で学び
後ドイツ人女性と結婚ドイツで生涯を送る
ロス50歳 安定した結婚生活 教師.心理セラピストとして充実した日々
思春期の3人の娘とのやり取りを送る中 自身の過去に向きあうだけの心の準備は整ったと感じ
始めてキンダートランスポート.ホロコーストについて詳細を調べ始める
“ホロコースト帰還者の多くは 過去を振り返るに至れない
そして彼等のトラウマは 其の侭 彼等の子供に苦悩として転送されてしまう
ルスの母親も決して ナチス政権時代の体験を話してくれなかった
母親が過去を自らの内に閉じ込め壁を築いてしまうと 子供たちとは上辺の付き合いになってしまう
それにより 子供は愛の欠乏に苛まれ それは思春期を一層難しくする” とルスは云う
『正義の代価?』は 戦争により離散を強いられた家族を覆うトラウマを
真摯に考えて欲しく 書かなくてはいけないと感じた と云う
”何故なら 現在も愚かな政治家たちは 社会的に弱い立場の家族を
子供を親から強制的に引き離し 子供の生存の権利を全く無視した蛮行を平気で行っているから”
次回へ続く
と たのしい演劇の日々
ルス.バーネット(1935-) ベルリン生れ
父.ユダヤ人はベルリン裁判官 ナチスの対ユダヤ法(1933) 公職より追放
6年の潜伏の後 上海へ逃亡
母.ドイツ人 映画向けコマーシャル制作
ユダヤ人の夫 その子供を儲けアーリア人の血を穢したと咎められる
夫と共に上海逃亡を試みるが 戦争がそれを阻止
ドイツに居て 密に同様の妻たちと反ナチス.プロパガンダ運動を続ける
キンダートランスポート 1939年2月父親が手配し 母親と共に渡英
だが英政府は親の受け入れを拒否していた為 母親は僅か1週間の滞在の内
幼いマーティン(6)とルス(4)を 育ての親に託す
”母親が 言葉も交わさず 或る日突然 二人の元から消え去った事を思い出す”
とルスは語る
兄弟はクエーカー教徒の支援の下に置かれたが 最初の里親は ルスに辛くあたり 時に暴力も振るった
幸いなことに 兄弟二人は引き離されなかった為 4回里親が替わったが
精神的に支え合えた とルスは語る
そして 最後の里親となる 農家 と馬の世話に ルスは渡英後始めて平安を覚える
”馬は私に何も要求しない 私がどんな気分の時でも いつも其の侭の私を受け入れてくれる
彼等は私の真の家族 決して互いに争うことはない” とルスは語る
終戦から4年後 そんな日々を送るルス(14)の元へ ドイツ赤十字を通じ 子供の居場所を知った母は
家族の合流を夢見 再会を果たすのだが
キンダートランスポートの子供たちは 敵国英国で ドイツ.ユダヤ人といじめられる日常にあって
両親が迎えに来ることを固く信じ堪え忍ぶ しかし 10年待ってもその日は来ず
更に悲惨なドイツの様子をニュース等で知り 観念するのだ
そして自身の英国人化に務めるのであった
そんな時 突然 母親だと名乗る女性が現れ しかし
”それは墓場から表れた幽霊も同様で 母の事を何も思い出せない 言葉も通じない
心が全く母と繋がらなかった” とルスは悲しい思い出を語る
にも拘わらず 未成年者のルスは 父親の手配により ドイツの両親の元へと送り戻される
しかし 思春期のルスにとり 英国の農家/馬/家族 は彼女の存在を支える全てであった
母の努力虚しく 僅か1年で ”学校休暇の際は必ずドイツの両親と共に過ごす”事を約束し
英国へと戻る
兄は既に ケンブリッジ大学/物理の入学が決まっていたため 英国で学び
後ドイツ人女性と結婚ドイツで生涯を送る
ロス50歳 安定した結婚生活 教師.心理セラピストとして充実した日々
思春期の3人の娘とのやり取りを送る中 自身の過去に向きあうだけの心の準備は整ったと感じ
始めてキンダートランスポート.ホロコーストについて詳細を調べ始める
“ホロコースト帰還者の多くは 過去を振り返るに至れない
そして彼等のトラウマは 其の侭 彼等の子供に苦悩として転送されてしまう
ルスの母親も決して ナチス政権時代の体験を話してくれなかった
母親が過去を自らの内に閉じ込め壁を築いてしまうと 子供たちとは上辺の付き合いになってしまう
それにより 子供は愛の欠乏に苛まれ それは思春期を一層難しくする” とルスは云う
『正義の代価?』は 戦争により離散を強いられた家族を覆うトラウマを
真摯に考えて欲しく 書かなくてはいけないと感じた と云う
”何故なら 現在も愚かな政治家たちは 社会的に弱い立場の家族を
子供を親から強制的に引き離し 子供の生存の権利を全く無視した蛮行を平気で行っているから”
次回へ続く
と たのしい演劇の日々
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