2017年07月15日
観劇 テレンス.ラティガンTerence Rattigan 「蠱惑草 Love is Idleness」 アポロ劇場ウエストエンドApollo Theatre 00
観劇 テレンス.ラティガンTerence Rattigan 「蠱惑草 Love is Idleness」
アポロ劇場ウエストエンドApollo Theatre 00
演出Trevor Nunn
テレンス.ラティガンTerence Rattigan(1911–77) 英
大英帝国三等勲爵士CBE
1920年代の英国典型的英中上流階級を描き 芝居好きの英人に好まれる戯作脚本家
祖父は英領インド法廷判事
ハロー校英全寮制男子私立校Harrow School から
オックスフォード大学Trinity College, Oxford 卒業
公にはしていなかったとありますが同性愛者 故 自身社会からの疎外感が常にあり
作品にも性的欲求不満 人間関係の失敗や不倫が描かれます
戦争三部作と呼ばれる
「炎の道 Flare Path (1942)」
「お日様のあるうちに While the Sun Shines (1943)」
の内の一作
「蠱惑草 Love is Idleness (1944)」 初演1944年
ロンドンツアーの後 Lyric Theatre(1888-)でした
戦前戦後の価値の拮抗 戦前の価値が未だ根強く世間を支配している英国を描きます
物語はシェークスピアのハムレットが意識下に流れ
17歳の一人息子マイケル 13歳の時戦争を逃れカナダへ疎開した が
社会主義を信奉する青年に育ち4年振りに帰国してみるや
未亡人の母 オリビアは
億万長者のビジネスマンにしてチャーチル内閣 戦争推進主要メンバー 頑固な保守党
の内縁の妻となっているのです
理想に燃える若者 子 と実践的政治家 義理の父 との確執
二人の間で揺れる母であり女性オリビア の物語です
最初ラティガンは原作である「Less Than Kind」 を
未亡人の母役にとガートルード・ローレンス Gertrude Lawrence (1898 – 1952)
英俳優 歌手ダンサーコメディアン の為に書いたのですが
多忙のローレンスにすげなく却下されます
それでおしどり夫婦俳優 Lynn Fontanne (1887–1983) と Alfred Lunt( 1892–1977) に配役し
ルントは1920年より戦争中盤まで ロンドン在のブロードウェイのスターでした
ルントは彼が演じる 義理の父Sir John Fletcher の人物像を
もっと人間的に大らかで共感を得るタイプへの書き換えを希望します また
政治色の強い劇より人間愛をも表現するバランスが望まれ
この作品「蠱惑草 Love is Idleness」を書き上げた
次回へと続きます
と たのしい演劇の日々
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image