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2017年05月08日

黄金の夜明け団と演劇 12

黄金の夜明け団と演劇12

黄金の夜明け団と演劇の関係についての論考の意訳/
研究テーマに絞り を試みております

今回は第3章の最終回です 次回は第4章へと入ります


Chapter 3-5
英国中上流階級のオカルトブームを巻き起こしたのは 
アルフレッド.パーシー.シネットAlfred Percy  Sinnett
(英1840– 1921 作家 神秘家 インド駐在中1880〜 
ブラヴァツキー婦人  Helena Blavatsky(1831 – 8 May 1891)  
ヘンリー.スティール.オルコット Henry Steel Olcott(1832 – 1907)
と親交を深め『The Occult World』『Esoteric Buddhism』出版 
後神智学協会ロンドン支部長)
そして 1888年黄金の夜明け団は英国に発足する 

会員の多くは神智学協会に属し 
更に英国演劇界関係者が会員に名を連ねたことである
この事実は 黄金の夜明け団の実践と儀式魔術の探求は 
英国演劇界の人々を魅了したと言えるのではないか
これらの会員たちは 
高度な演劇理論と様式を黄金の夜明け団秘儀祭典にもたらした 
また象徴主義運動へのこだわりは 結社へのパスポートであり 
野心溢れる芸術家たちは結社に集結した

黄金の夜明け団の秘儀祭典は 象徴主義運動の影響下にある 
或いは付属するとも云える 事に モーリス.メーテルリンク
Maurice Maeterlinck (1862-1949 劇作家 神秘家 
エリファス.レヴィ Eliphas Levi(仏1810 – 1875儀式魔術師) 
薔薇十字団 の研究家)
の存在なしに語れない

人間の意識に深くこだわるのは 
思索家  歴史家 作家 作詞家たちの特権であり義務だ 
しかし 当時の演劇人のものではなかった
いかなる誘惑があるにせよ 
演劇人はあえて不活発なる意識にはのめり込まない 
単なる哲学者あるいは傍観者でいる 
或る者はそれに驚異を覚えるかもしれないが 
当時 演劇は人間の行動を表現するものであったから
観衆が劇場に求めたものは 
次に何が起こるのか 起承転結する物語 それに尽きた 

メーテルリンクの作劇を 
メイザースSamuel Liddell MacGregor Mathers (1854 – 1918)
が祭典に求めたものと比較するなら そこには 
観客が自ずと知覚変化を体験する テーマが見えてくる  

イエーツが黄金の夜明け団は入会したとき 
彼自身が体験したかったことであり 
そしてそれを彼は戯曲で試みたのだ

1890年まで 彼はフランス象徴主義を学び 詩作に励んでいた
アーサー.ウィリアム.シモンズ
Arthur William Symons (英1865 – 1945詩人 文芸批評家 雑誌編集者)は
イエーツにフランス詩人を紹介する
オカルティストとジョリス-カール・ユイスマンス
Joris-Karl Huysmans(仏1848- 1907代表的なデカダン派作家)を除き
イエーツの関心は専らメーテルリンクMaeterlinckへと注がれた
オカルト考察はイエーツを難解な
Auguste Villiers de l'Isle-Adam (1838 – 1889) 『Axël 』へ導きもする

Frantisek Deakの『Symbolist Theatre(1993)』によると 
象徴主義者は形而上学と神秘主義に興味があった と云う

ところが 象徴主義演劇人はより深く劇場の意味を模索し 
そして観客を超越する演劇を創造したのだ

オカルトは 象徴主義者の創造性と容易に結びつく 
何故なら演劇同様 その多様性による

魔法 霊媒 タロットカード 星占い 超常現象一般は隠秘の見かけの姿 
人間に備わる未知の力の発見 その重要性を問いかけている

西欧が物質主義へと移行する時期に 
その反動としてオカルトは人々を魅了し
古代エジプト アーサー王伝説への回帰は 
隠秘結社を未来へ導く鍵であると信じられたのだ




次回へと続きます

と たのしい演劇の日々
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