2017年01月29日
観劇「美しい/Beautiful キャロル キング/The Carole king」Aldwych theatre West End
写真はWEBより拝借いたしました
観劇「美しい/Beautiful キャロル キング/The Carole king」Aldwych theatre West End
Nederlander Theatres 興行によりますキャロル キング自伝を基に作られたミュージカルです
Nederlander Theatresはブロードウェイで100以上ものヒット作を世に出し
現在も送り続けるミュージカルの大興行主 英国West Endに3つの劇場を持ち
英人俳優を配役しブロードウェイ作品を紹介しております
ウエストエンドも ブロードウェイに次 興行で賑わう演劇街ですが 今回火曜
マチネー興行は この作品だけでした なので 久々のミュージカル鑑賞です
キャロルキングは1960年代 多くのヒット曲を世に出した シンガーソングライター
ビルボードヒットチャートをラジオで聞いて育った世代には 青春時代の思い出と共に
懐かしい歌が数々と流れまして もうそれだけで心弾みます
観客も同世代の方々ばかり 英国中からマイクロバス貸切で御出ででした
英国のミュージカル俳優たちは
子供を興行界へ送り出したいと切望する親御さんたちの支えによります
日本のお受験をさながらです
子供がまだ親についてまわる年齢より 子供たちはダンス歌演技の稽古が始まります
習い事で一週間のスケジュール一杯 親は子供を学校下校時に車で迎えお稽古場へと送ります
13歳になるまで送迎は親の義務です 更に 高いお月謝を何年と払い続けるだけの経済力が無ければ
子供を芸能界へ導く夢は叶いません
そして そうやって幼少より親に導かれ 芸を身に付けた子供たちが
英国内で有数の演劇学校お受験に挑戦するわけです
この著名な演劇学校へ入学を果たせなければ 芸能界への一歩は まず諦めた方がよいでしょう
日本に大学が山ほどある様に 英国には演劇学校は沢山あります
芸能人を諦めきれない子供たちの為に しかし 誰でも入れる演劇学校を出ても仕方ないのです
プロ俳優への道はあまりに狭く 大方演劇技法を使ったワークショップをやったり
アマチュア劇団に関わったりといった程度でしか 身に付けた技能を活かせません
演劇大国ですから 演劇教育は盛んなのです 沢山の若者が俳優を目指します しかし
同時にプロの演劇人で生活する難しさを早い時期に教えて上げなけれはなりません
多くの若者が道を絶たれるのですから
と云うわけですから こうしてプロとして生き残った俳優陣は
皆さん基礎がしっかり出来ており才能もあり達者です 安心して観れます
歌踊りは当然ですが 演技も上手です
Carole king を演じた Cassidy Janson は 英国TV番組 WestEndで知られた俳優で
主演は今回が始めてのようですが その歌唱力で観客を満足させておりました
只 キャロル キングと声の質が違うために いくつかの曲は
キャロル キングの唄のイメージに添わず残念に思いました
プロヂューサーはキャロル キングに似た俳優を配役したのでしょうが
聞かせどころは何といっても 60年代のあの名曲の数々
キャロルキング以上に唄える俳優が望まれました
台本はDouglas Mcgrath Woody Allen の「Bullets Over Broadway」を書き
こん作品では はTony Awardにノミネートされているそうですが
こちらの劇評によると台本がシンプル過ぎるとあり 並みの評価となっております
演出Marc Bruni はブロードウェイ共に手掛けて 2014年にこの作品でTony Awardを得ております
久々のミュージカルでしたが 此れこそ一般大衆の為の演劇興行なのだと感服いたしました
劇中キャロル キングは云います
「自分は天才なんかじゃない 普通の女の子
私は普通の女の子が感じている事を普通の人たちの為に歌いたいの」
と たのしい演劇の日々
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