2016年08月21日
観劇 ジョージ オーウェル/George Orwell の「1984」
観劇 ジョージ オーウェル/George Orwell(1903-1950) の「1984」
演出脚本 Robert Icke と Duncan Macmillan
プレイハウス劇場/Playhouse Theatre, West End
プロデゥースSonia Friedman prodaction
スターリン独裁によるソ連の恐怖政治 の歴史的事実をベースにした空想科学作品(1949刊行)
近未来の設定ではありますが 恐ろしいことに 過去にもそして今現在も世界のどこかで
実際進行中のストーリーです
ジョージ オーウェルの有名な小説を 新人賞も受けた 英国演劇界を担う若い演劇人により
書き下ろされ 演出されております 更に ウエストエンド ブロードウェーで作品を売り続ける
やはり若手のSonia Friedmanのプロディースによるものです
大変期待して出かけました
しかし この濃厚なストーリーを僅か 110分の舞台に仕上げてあり しかも 最後の20分は
101号室で行われる ウィンストンへの拷問の数々なのでした
観劇後 不快感以外何も残らないではないですか
もっと他の演出は考えられなかったのだろうか 疑問でしかたありません
観客は舞台上で演じる俳優を介し 物語を体験するのです
ストロボを多用したそのシーン ウィンストンの痛み苦悩恐怖を
同時進行で我が身に体験しております
国家権力により羽交い締めされているウィンストンには 肉体及び精神の死
以外にその苦痛より開放される術はありません
観客は 劇場という全体性の中で個人の無能を共有するのみです
勿論 観客は劇場を後に出来ますが 自ら選んで支払ったチケット代は戻らないでしょう
SNSに劇評を乗せることも出来ますが それは更に観客を動員する助けにしかならないでしょう
更に思うのは 演劇は嘘であり 演技も嘘であり
しかし世界の何処かで恐怖は繰り返されている そして それは止まらない
若い英国演劇人は この無限ループな拷問のシーン に何を伝えたかったのか
ただ嘘を演じてみせるだけの 芸術性の無能さに ただもうガッカリしてしましました
肉体に縛られた生命/魂 は有限という美 脆弱にのみ秘めた美 を人間にもたらしている訳です
それを翻訳し演劇芸術で謳い上げて欲しかった
これから沢山の舞台作品を創り続ける期待の若手演劇人ですから 彼らの今後を見て参りましょう
と たのしい演劇の日々
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