2016年02月15日
観劇 Peter Brook「Battlefield」Young Vic劇場
観劇 Peter Brook「Battlefield」Young Vic劇場
この作品は 上演時間9時間に及ぶ前作「マハーバーラタ」を練り上げ
一時間弱に仕上げたものなのだそうです
日本のパルコ劇場提携で もうすでにご覧になった方もおられることでしょう
「The Mahabharata」 penguin classics版を読んでおりますが 延々と戦争を繰り返す物語の中に
ヒンズー教の世界観が描かれており ギリシャの古典同様
人間と神存在との綾なす怪しげで混沌とした叙情詩は しかし
その壮大な宇宙観により 存在の源 魂の琴線に触れる 体験を覚えます
写真はWEBより拝借いたしました
さて 舞台はと言いますと インド人の俳優陣を期待しておりましたので
もちろん人類の起源は アフリカ説なのですが
この物語はやはり ガンジス河と己の魂を共有した俳優陣に演じてほしかった
黒人俳優が ラップの調べでガンジス河を語りましても あの偉大な河の存在を信じることができません
いやむしろ アフリカのザイール河 或いはアメリカのミシシッピ河の匂いが流れてくるように思えました
しかし 皆優れた俳優たちです
まず肩の力がよく抜け 叙事詩ですから 台詞は歯切れよく そして
呼吸のリズムを観客のそれと歩調を合わせるように語られます
その俳優たちの舞台上での在り様は 独特な劇的雰囲気を作り上げており
それは大層素晴らしいことで 観客を物語へといざないます
演技もいたってシンプル なのですが 多少日常レベルが気になりました
言葉と身体所作にギャップを覚え もう少し シンプルだけでなく 舞やマイムに近い 振り を意識すれば
より この作品 「マハーバーラタ」の宇宙を描けるのではないでしょうか
それでも 魔訶不思議な雰囲気に覆われ しばし夢心地に満足いたしました
と たのしい演劇の日々
【このカテゴリーの最新記事】
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image
-
no image