2016年01月27日
観劇「Forget me not」BUSH Theatre
観劇「Forget me not」BUSH Theatre 於いてTom Holloway作
大英帝国の時代 占領国の英国化の為 自国の望まれない子供たちを 労働力として送り出したのでした
教会や慈善団体も手伝って 恵まれない子供に 暖かい家族愛と教育を提供するプログラムであると謳い
豪の劇作家 Tom Holloway は英国歴史の恥を暴きます
BUSH Theatre 新作専門 客席数200弱の小さな劇場 今作では 四角い舞台の三方を客席に設え
以前訪ねた時とは違った舞台設置に 劇場の在り様の可能性を感じます
余りに哀しい物語で 涙無くしては台本を読めませんでした
チケットも完売で 当日窓口で戻り券を待ち 大いに期待したのでしたが 役者が如何せん
観客の夢を壊してしまいました
主演は 豪へ移送された子供 現在60代の父親 Russell Floyd が演じます
英国お茶の間で人気の俳優ですが 上演中 ずーっと肩に力が入っておりまして
幼児期のトラウマに苦められ 酒におぼれ 家族へ暴力をふるう 狂気 苦悩 壊れかけた人間性の
複雑さが見えてきません
そして母 Eleanor Bron が演じます 慈善団体と教会に丸め込まれ 或る日突然 子供を失う
回想シーンに 絶望的喪失感 孤独 貧困 社会から虐げられた人間の業の深さ が伝わってこないのです
歴史的に意味深い戯曲を演じ切れておれません とても残念です
物語を生かすのは 観客とコミュニケーションを取る 俳優の仕事です
実話であり 筋を追いやすい戯曲ですから 観客は自身の中で物語を膨らませることができます
実力のある俳優は 観客をどんどんその物語の世界へと引き込むのです ところが
観客が描く物語を 俳優の現実の姿が つまり役になりきれていない役者の生の姿が介入してきま来
夢見る観客を現実へと引き戻してしまうのです
どのように配役はなされるのでありましょうか? 機会があれば是非 その経過を尋ねてみましょう
と たのしい演劇の日々
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