2015年08月19日
人智学演劇本Dawn Langman 「The Art of Speech」03
写真はWEBより拝借いたしました
人智学演劇本Dawn Langman 「The Art of Speech」03
子音と四大要素より 今回は 大気/空気の音声について 意訳を試みます
しかし シュタイナーの言語造形では /r/ のみ大気の子音だとなっており そうなると
日本語に大気の子音は存在しない と云うことになってしまうのでした 果たしてそうでしょうか?
わたくしの体験から致しますと 日本人の英語 /w/ は火 というより 大気要素の印象を多く受けております
さて本文は ホプキンスの詩で始まります 大気の音声 /r/ 有声歯或は歯茎震え音(IPA)
日本語に存在しない /r/ を頭韻法で表現した詩ですので 訳は諦めました
Wild air, world mothering air,
Nestling me everywhere,
That each eyelash or hair
Girdles; goes home betwixt
The fleeciest, frailest – flixed snowflake.....
Who, this one work has to do -
Let all gods glory through.....
I say that we are wound
With mercy round and round
As if with air.....
The Blessed Virgin Mary Compared to the Air We Breath, Poems. 1918,
Gerard Manley Hopkins (1844–89). .
イエズス会の僧ホプキンスは 主の存在 祈りを 我々の生命に欠かせない しかし
眼には見えない空気の在り様に重ね 詩に書きあげた
巻き舌 /r/有声歯或は歯茎震え音 はむしろ騒がしい ハリケーンの如く粗い それでいて
自身を純化し もろくて そよ風のようだ
息の流れは ほんのわずか遮られる
解放される息は 熱の刺激を呼び起こしはしない
息の流れは 舌先或いは舌の端が硬口蓋中央を弾くとき 遮られる
英国英語では /r/ は巻かない 唇を緩く閉じ 不活発に息を覆う
単語の中央当たりに位置する場合 ほとんど無音でもある
しかし 発声した場合の巻き舌/r/ はもっとも 大気を表現する
それは/r/を発声する 声帯の引き起こしている振動のため 空気と物質による 覇権戦いなのだ
最も息の密度が濃く プロペラの回転音のようだ
しかし プロペラが回るのを見ることができないような迅速と繊細さで 運動する
この速さでは物質はあたかも消失したかのようである まるで大気のように 眼で捉えることはできない
声の流れは飛行機の離陸の瞬間のようだ
光のリボン 子蜘蛛の編み上げた遊糸 大気の自然の為した技
巻き舌/r/の練習では 大気 気流の流動する刺激を受ける
その透明性により 我々の声の浸透性を促す
発声練習によるこの大気性の質を維持し 英国英語の舌を巻かない/r/を使い
上記のHopkins と Wordsworth よりソネットを朗誦してみる
それらは透明性 しかし 飛翔 高回転のプロペラが眼ではみえないような
安定性を含む所作をも伴うだろう
It is a beauteous evening calm and free
The holy time is quiet as a nun
Breathless with adoration......
穏やかでおおらかな美しい宵の入り
それは修道女の祈りのよう
主への敬慕に息をのむ
と たのしい演劇の日々
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