2015年08月15日
人智学演劇本Dawn Langman『The Art of Speech』02
写真はWEBより拝借いたしました
人智学演劇本Dawn Langman『The Art of Speech』02
より 要点の意訳を数十回に分け試みてみたいと思っております 今回は
子音と4つの要素 より 火の要素 についてです
火は物質へと未だ凝縮されていないエネルギーで
我々が物事の起源と想像するものに最も近い
ヘラクレイトス(Bc500年ソクラテス以前に存在したギリシャの哲学者)は、火が全ての起源であり
すべてのものが永久の流動にあって すべての物は火に還ると考た
ある子音は その火のようにふるまう
それは 熱またはエネルギー発生の強い感覚を引き起こす
または 火の活動を連想する 擬音に似ている
すべては 息の流れが口腔(こうこう) で個々の音を作るポイントに向かい ポイント点で 抵抗を受け
その強烈さにより 音を成す
火打ち石を鋼で叩いて火花を散らすに似ており
息は真直ぐ音のポイントまで流れ そこで抵抗により作られた狭い空洞を通り 逃れ出る その時
聞き取れる摩擦が生じ 音となる
このセンセーションは 物質に凝縮される以前のエナジーを知覚する
火の音は膨大なエネルギーと運動を発生させる
いくつかの摩擦音 は 喉頭部を作動させない故 発音されない
この無音の摩擦音は 純粋なエナジーの姿にもっとも近く 地球の濃度から最も遠い
人間の声と物質の関係は 声の密度が増す 少年の変声期に観察可能である
その時期 声帯は厚みを増す
無音の摩擦音を維持するため母音と融合する それにより その子音は 大地の音を含む
有声摩擦音は母音の質を有しており
それは どの様に火が密度を高め 物質を温めてゆくのかを知覚させる
火の要素を有する音
/f/ 有声唇歯摩擦音
上の歯を下唇に当て息を出す 歯の端は火打石のように下唇が打つ
声帯は振動せず 純粋なエナジーの発生を知覚する
/v/ 無声唇歯摩擦音
/f/と同様の構成 声帯は振動する それはエナジーが地球へと突き進み始めるのを知覚させる
/s / 無声歯茎摩擦音
舌の両側が上の歯を突つき 舌先或いは側面の端は 歯の端に止まる それにより鋭い息の流れを作る
音声の自由 蒸気にように白熱し 見えるものを超えた領域を知覚する
/z/ 有声歯茎摩擦音
/s/同様の構成で息は声帯を振動する これにより地球物質の表面を焦がし 浸透し温める
そして大地の声質に触れ その鋭さは鈍る
/ʃ/ 無声後部歯茎摩擦音
口をすぼめ突き出し 舌の前面を上前歯歯茎に近づけ息を強く出す 火の息は水の中へ飛び込み
水しぶきとなる 火は息の下で表面を持ち上げている
/ʒ/ 有声後部歯茎摩擦音
/ʃ/同様の構成 有声故に温かみを持つ
/θ/ 無声歯摩擦音
舌先は上下歯で挟まれ 息は上歯の根に当たり隙間より出でる 火は息を舐めるようにして酸素を求める
息そのものは透明で精密に調整された楽器の如くあり 舌の先は歯先の神秘に触れ 現れては消える
/ð/ 有声歯摩擦音
/θ/同様の構成 有声であるが故暖かい 表面下で声の抵抗に出会い 声を作り 調査する
/h/ 無声声門摩擦音
喉の奥から息を出す 息そのもの あえぐ 魂を温める 発声の流れの中で驚きを感じる
母音と出会い 笑い 泣く
/ʍ/ 無声両唇軟口蓋摩擦音 (注 英国英語では使わない)
息は注意深くすぼめた唇を通過する 火を消し去るため 突然の衝撃を吸い込む
/w/ 有声両唇軟口蓋接近音
声は子音と母音の中間で発する それは /u/shose が/w/へと変化した
息は声と交わり温める 暖かい魂は境界で口ごもり 現れる
Dawnのデリケートに火の音を発しながら 口の中で味わっている様子が伝わります
シュタイナーの言語造形はドイツ語で生まれ Maisie Jones により英語へと翻訳が試みられ
Dawnはオーストラリア英語を母国語とします 夫々の言語が有する 火の音 を探ってみるとよいでしょう
子音と4大要素 次回 空気 へと続きます
と たのしい演劇の日々
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