2015年06月19日
観劇「Lessness(short story)」 by Samuel Beckett
観劇「Lessness(short story)」 by Samuel Beckett
バービカン劇場 国際ベケットシーズン 今回はアイルランドより Lessness です
Olwen Fouere のパンフレットには
あらゆる認識は それ自身の影を持つ そして 非常にしばしば 我々が捜すものは認識ではなく
その影が投げかける 幻影にすぎない
認識の内奥を喚起する言葉の 多様な屈折を通し 破滅の只中か隠れ家かに 立ったまま固定された
我々の小さな身体を垣間見る Lessnessは我々を途方も無い砂漠に 浮遊させる
とあります
1969年フランス語で書いたものを 言葉の元存在ににこだわるベケット自身が 英語へ翻訳
作品創作の過程には ジョン.ケージなどの実験音楽等の影響があるのだそうです
Ken Campbell (1941−2008実験演劇を展開した)は ベケットの「Lessness」について
「もし無に無を加えれば それは更なる無か あるいは 無以下か 兎も角 ここに 全宇宙は存在する」
と言ったとのことです
各文節 素数の 769文字で収められた ベケットの小品「Lessness 」は上演用に掛かれたものではない
のだそうです それを Olwen Fouere は 朗誦いたしました
日本の早口言葉 じゅげむじゅげむ を思い起こします 意味不明の言葉群 が30分続くのです
Olwen Fouere の語りは そのアメリカンインディアンの血を思わせる 神秘的な顔立ちもあり
深く澄み渡った 太古より存在する湖から響くような清らかな声で 書かれた言葉から
宇宙マントラの謎を解き明かし 唱えることで
聴衆を遥かギャラクシーの果てへと誘います
シュタイナーの求めた言語造形の完成された形を
Olwen Fouere は ベケットのLessness マントラ朗誦 により成した と思いました
と たのしい演劇の日々
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