2015年05月12日
演劇興行「A Translation of Shadows」 by Stan'sCafe03
写真はWEBより拝借いたしました
演劇興行「A Translation of Shadows」 by Stan'sCafe
何かが しっくり監督(James Yarker)の狙いに適っていませんでした
わたくしが演じますキャラクターについて 監督は Strong と英語で表現いたしますから その様に作っておりました
英語の台本(Craig Stephens と James Yarker)を わたくしの台詞は自身で翻訳いたしまして それは
乱暴な日本語で聞く者は不快な思いをするでしょう
我の強い 怖いもの知らずで 腹の据わった中年女は 活動弁士を あんた 呼ばわりし すけべ うじ虫
嘘八百並べたてる うらぶれた覗き屋 時代遅れ 不要無用 失せろ と ガンガン捲くし立てます
強いから動じない 仁王立ちし ロマンティックな活動弁士を容赦しない中年女
しかし 英人お観さまはもちろん このキャラクターが何を言っているのか解りません 字幕はありませんので
シンボル/言語 を サイン言語 つまり 身体表現 にして見せねばならないのでした
そこで 監督は キャラクターを表す英単語をangry に換えてみたのです 「怒れ」
日本語に翻訳すればそうなります
ならばと キャラクターは舞台へ一歩踏み出す折 怒りで身体は張り詰めておりました
それは仁王立ち に比べますと より一層 アクティブな身体表現となりました
そうしましたら お客様の反応が換りまして それこそ 監督の狙ったものだったのです
それは大層喜ばしいことでありました しかし
公演間際に 怒り と監督に言われ ならばと 怒りを渾身に込め 活動弁士を罵り その立場を乗っ取り
映画を自身の好みに刷れ変える終盤 となりました折。。。
役者は 稽古で組み立てた芝居の流れを追い 幕へと持ってゆくよう訓練されておりますので
緊急事態が発生でもしない限り 芝居を続けます
なので でキャラクターを演じつつ 俳優の意識は 幕へ向かって段取りを追っているわけです
はたして 怒りですっかり興奮し硬直した身体の力を抜く間 を やり過ごしてしまいました
どこかで抜かなくてはいけなかったと 気づきましたのは 後のことです
役者は 台詞に身体の状態が一致していないことに気づきました
後半への流れに沿った身体状態ではおりません 身体はまだ怒りの興奮による硬直が残っております
弁士を乗っ取り興奮はしておりますが それは喜びによる高揚なのです しかし 怒りの硬直により
喜びの高揚を発しきれません
お客さまはそれと見抜いたでありましょうか?
この不一致を どうしたもんか? と役者は 一瞬思ったものです しかし 時間は止まることをしりません
台詞は喋られ 芝居は終幕へ向かってと流れてゆきます
この役者の混乱は 最後の台詞のとちり となって埋め合わされました さて
お客さまはそれを どうご覧になったことでしょう?
監督は満足し ガッツポーズが飛んで参り 観客皆さんは大層楽しまれた様子でした
演劇興行ではこんなことも御座います
と たのしい演劇の日々
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